うつ病の初期症状とは?HSP気質との違いについても解説
こんにちは、精神科医しょうです。
人生には思うようにならないことや、思いがけない不幸に見舞われることがあり、そのような時には誰でも気分が落ち込み、ふさぎ込んでしまいます。
また、特に落ち込むような出来事がなかったとしても、気分が沈み、活力がなくなり、意欲的に行動ができなくなることもあります。
通常であれば、ネガティブな感情は時間と共に回復し、立ち直っていくものですが、いつまで経っても気分が落ち込んだままの状態が続いているようであれば「うつ病」の可能性があります。
今回はうつ病とHSPさんとの関連性を中心にお伝えしていきたいと思います。
うつ病のはじまりの症状とは?
傷が回復するのと同じように、感情にも回復する力があります。
自律神経である交感神経と副交感神経がバランスを取って、生命維持をしてくれているように、感情もポジティブになったりネガティブになったりを繰り返しながら、一定のリズムを保ってくれています。
しかし、感情のリズムがなくなり、気分の落ち込みが長く続くのが「うつ病」です。
うつ病は、あらゆることへの関心や興味がなくなり、何をするのも億劫で家事や仕事の能率を著しく低下させてしまいます。
では、うつ病の発症にいち早く気付くためには、どうすれば良いのでしょうか?
うつ病の初期症状をいくつがあげてみたいと思います。
・ちょっとした出来事がとても不安に感じる
・好きだったことに興味が持てなくなる
・身だしなみが乱れる
・机の上が片付かない
・ささいなことでイライラする
いかがでしょうか?
ほんの一例ではありますが、上記の症状から「うつ病」を連想することは、なかなか難しいのではないでしょうか。
うつ病を患った人は、ただ一様に落ち込み、ふさぎ込むばかりではありません。
発症間もない時期には、家事や仕事がはかどらない自分に対して怒りを覚えイライラする機会が増えます。
これは「頑張らないと!」という情熱的な怒りではなく、明確な対象のない怒りだと言えるでしょう。
「うつ病」はただの落ち込みとは違う
気分の落ち込みや不安を数週間放置していると、しだいに耐え難いものになっていきます。
身体には、疲労感や不眠、頭痛、食欲不振などの症状が頻繁に出始めます。
絶望感の果てには「この世から消えたら楽だろうなぁ」とぼんやりと考え始めることさえあります。このようなサインが出てきたら非常に危険です。
HSPさんの気質と「うつ病」は間違えられやすい?
HSPさんの中には、うつ病をはじめ精神疾患を患っている方も多くいらっしゃいますが、「HSP」という気質なのに病気ではと考えてしまう方も稀にいるんです。
たとえば、HSPさんの気質が起因して表れる以下のような不調は、うつ病やその他の精神疾患にも表れやすい症状のため、見分けが難しい場合もあります。
・ささいなことで不安になる
・五感が敏感で体調不良におちいりやすい
・心の境界線が薄く、感情が不安定になりやすい
・自己否定が強い
・合わない環境にいるとミスや失敗をしてしまう
・忙しい日が続くとふさぎ込んでしまう
HSPさんの場合は、一人で過ごす時間を増やし十分な睡眠時間を確保することで、不安定な心の動きは、時とともに安定していきます。
また、小さなことでも自分の好きな物や好きなことを選択することで「自分軸」で生きていると実感でき、ポジティブに考えることができるようになります。
また、HSPさんの場合も精神疾患を患った場合においても、カウンセリングなどの心理的な援助が必要になることがあるかもしれません。
特に精神疾患を患っている方の場合は、主治医と相談の上、カウンセリングを取り入れた治療を行うか検討していくことになるでしょう。
「うつ病」の治療期間と再発のリスクについて
うつ病は適切な治療をすれば、良くなる病気です。
数カ月で治癒する場合もありますが、多くの人は完治するまで1年~2年かかるとも言われています。
もちろん個人差がありますので、焦らずその時の状況に合わせて、心身のエネルギーの補充をすることが大切です。
しかし、残念なことにうつ病は再発の可能性も高い病です。
楽になったからと言って、急に忙しい生活に戻ったり、薬を止めたりしないよう、本人はもちろん、家族や周囲の人も理解しておく必要があります。
まとめ
今回は「うつ病」に関する知識とHSPさんの気質がうつ病の初期症状と類似している点についてお伝えをしました。
「うつ病」はただの落ち込みとは違うことを念頭に入れ、日常生活を過ごす中で感情のリズムを意識していると、いつもと違う自分に早く気付くことができるかもしれません。
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