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JRA秋のGI初戦はスプリンターズS(GI)、前日→当日のオッズ推移 筆者は大穴モズメイメイに期待

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
2013年スプリンターズS (G1)を優勝したロードカナロア(写真:中原義史/アフロ)

 秋冬のJRA・GIシリーズがスタート。29日、中山競馬場で第58回スプリンターズSが行われる。出走は16頭。単勝1桁台は4頭。昨日のJRA発表前日オッズと本日11時頃のオッズを比較した推移と狙い馬を解説する。

前日→当日11時頃の単勝オッズの推移

 まず、オッズをおさらいする。昨日、本日11時頃はともに単勝1桁台は5頭だが、人気の集中具合は上位3頭と2頭にわかれる印象だ。

 気になるのは、サトノレーヴが1頭抜けた存在の1番人気ではあるが、2倍台後半から3倍台と大きく抜け出した1番人気ではない点だ。5歳牡馬だがGI未勝利馬である。現時点での重賞勝ちはGIIIが2勝で、GIを勝つ前はGIII2勝だった、という点は父であるロードカナロアと同じだが、父は2012年に4歳で初GIスプリンターズを制している。この記事のタイトル画像は2013年に連覇した時のものだが、この5歳秋の時点では強豪相手の香港スプリント(GI)も勝っており短距離では絶対的な存在だった。ロードカナロアは遅咲きと言われたが、それでもコンスタントに惜敗続きだった4歳春から夏を越して4歳秋には結果を出している。

 対して、サトノレーヴは蹄などの不安で2度に渡る長期休養を経て現在に至る。レースの消化数が少ないため、傷みは少ないとはいえ、既に5歳である。コンスタントにレースを消化してきた馬たちの中でどのような立ち振る舞いを見せるか、注目だ。

 1番人気はそのサトノレーヴで、前日が2.8倍→当日11時頃が3.0倍。(以下、この書式でオッズを表記する)当日にかけて、若干オッズが上がっているのが気になる。鞍上のダミアン・レーン騎手はこのレースに騎乗するためにJRA短期免許を取得し、来日している。

 逆に2番人気のマッドクールは7.1→6.7倍と若干オッズを下げている。高松宮記念の覇者だが、その前後の海外GI遠征(香港スプリント8着、チェアマンズSP11着)で着外に敗れている。

 3番人気はママコチャで7.6→7.0倍。昨年の覇者で、鞍上も昨年同様川田将雅騎手。人気も昨年の3番人気と同じで落ち着くか。

 4番人気は少し離れてナムラクレアで8.0→9.0倍。ナムラクレアは主戦でデビュー3戦目から乗り続けてきた浜中騎手が騎乗停止のため、横山武史騎手に乗り替わっている。テン乗りの横山武史騎手だが、これがナムラクレアにとってどのようあ刺激になるだろうか。5番人気はトウシンマカオ 9.0→9.9倍。前哨戦であるセントウルS(GII)の勝ち馬で、鞍上は3戦続けて菅原明良騎手が任されている。

 続いて、単勝10倍台。昨日も本日11時頃も変わらず3頭。ウインマーベルが14.6→12.4倍、ビクターザウィナーが15.6→14.3倍、オオバンブルマイが17.1→15.8倍。

 ウインマーベルは今年は松山弘平騎手が乗り、すべて短距離重賞で3戦2勝。2022年のスプリンターズSの2着馬だが、高松宮記念が行われる中京との相性があまり良くなく今年の高松宮記念12着など極端な負け方をするのが気になる。

 ビクターザウィナーは香港からの参戦で鞍上はモレイラ騎手。今年の高松宮記念(3着)に続いて2度目の来日。強敵の多い香港スプリント界だが、相手関係を鑑みてスプリンターズSへの参戦を決めた模様。

 オオバンブルマイは前走に続き武豊騎手が騎乗する。

 単勝20倍も昨日と本日11時頃は変わらず2頭。

 ルガルが22.0→21.6倍、ピューロマジックが29.0→24.1倍といずれも若干オッズを下げている。ここまでで10頭。

 以下はモズメイメイが31.4→36.7倍、ヴェントヴォーチェが41.9→38.1倍、ムゲンが45.1→41.5倍、ウイングレイテストが56.7→58.8倍、エイシンスポッターが69.8→74.5倍、ダノンスコーピオンが109.1→97.0倍と続く。


■2024年スプリンターズS(GI) 出走馬参考レース / JRA公式チャンネル


■2024年 スプリンターズS(GI) 調教動画 / JRA公式チャンネル


筆者はスピード優位なモズメイメイから

 筆者は人気はないがモズメイメイから狙いたい。良馬場が絶対条件なため、中山の天気が気になっていたが、どうやらレースまでの降雨は避けられ、良馬場で行えそうだ。スピード自慢の短距離馬だが、気が良すぎるのか、やや一本調子な面がみられた。しかし、ここにきて脚をためる競馬を覚え、レースを重ねるたびに身についてきた印象だ。もともと新馬戦をルメール騎手に依頼し、桜花賞を武豊騎手で出走したほどの期待馬である。良血開花を期待したい。

 順調な仕上がりを見せるママコチャ、乗り替わりがカンフル剤になって欲しいナムラクレア、海外遠征を度外視すれば狙いやすいマッドクールの人気勢と、武豊騎乗のオオバンブルマイを絡めたBOXで狙いたい。

■2024年 スプリンターズS GI History / JRA公式チャンネル

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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