HSPが適応障害を発症したときの対処法は?休職や復職の流れについて解説
こんにちは、精神科医しょうです。
「職場の人間関係に馴染めない」「仕事に適応できずストレスが溜まっている」「会社に行こうとすると体調が悪くなる」というようなお悩みはありませんか?
人間関係や環境に適応できず、メンタルに不調が現れて日常生活に支障をきたしてしまう状態を『適応障害』といいます。
繊細な気質を持つHSPの人は、環境の変化に弱く、適応障害を発症してしまう可能性が高いと言われています。
今回の記事では、HSPと適応障害の関係、適応障害の症状チェック、HSPが適応障害を発症したときの対処法、休職や復職について解説します。
HSPは適応障害になりやすい?
HSPはハイリー・センシティブ・パーソンの略称で、繊細な気質を持つ人々のことを指します。
物音や光の眩しさ、肌触り、気温の変化などさまざまな環境の変化を敏感に感じ取り、刺激が強すぎると心身に不調が現れることもあります。
HSPは五感以外にも、他人の言動や機嫌、エネルギーなど目に見えないものにも敏感に反応を示すことがあります。
機嫌の悪い人がそばにいると、嫌な気持ちが伝染してしまうことは誰にでもあるかと思いますが、HSPは他の人よりもその感情を強く受け取ってしまい、体調を崩してしまうことがあります。
また、HSPの敏感な気質によって人間関係に問題が生じやすく、転勤や引っ越し、人事異動など環境の変化にストレスを強く感じる傾向があります。
そのため、HSPの人は適応障害や不安症、うつ病などの心の病気を発症する可能性が高いと言われています。
適応障害の症状チェック
適応障害を発症すると、意欲の低下や疲労感、不眠などといった症状が現れます。
以下で適応障害の主な症状について紹介します。
当てはまるものがあるか、チェックしてみましょう。
・不安感、気分の落ち込みがある
・疲れやすい、倦怠感がある
・体調不良が続いて会社に行けない日が多い
・夜によく眠れない
・意欲が低下している
・イライラ、焦燥感がある
・考えがまとまらず、判断することが難しい
適応障害は環境に適応できないことが引き金となり、過剰なストレスによってメンタルに不調を感じるようになります。
会社や学校に行こうとすると腹痛や動悸が起こり、欠勤を繰り返すようになります。
こうした心身の不調や欠勤などが続き、日常生活に支障をきたすレベルになると、適応障害と診断されます。
HSPが適応障害を発症したら
休職の手続きをする
ストレスの原因が仕事にある場合、症状が改善するまで休職する必要があります。
心療内科を受診し、適応障害の診断書を作成してもらいましょう。
会社の上司に診断書を提出し、休職の手続きをおこないます。
会社によって提出する書類は異なるので、事前に確認しておくことが大切です。
場合によっては休職中の人材の確保、引き継ぎ作業が必要になるため、休職まで数日を要することがあります。
休職の希望がある場合は、早めに会社に相談するようにしましょう。
適切な治療を受ける
適応障害の治療において、ストレスの原因を明確にすることはとても大切なことです。
まずはストレスの原因となっている事柄を紙に書き出して、整理してみましょう。
解決できそうなものはあるか、どうすればストレスから離れられるか考えてみてください。
人間関係に問題があるのなら、環境を変えたり特定の人物との接触を減らすなど、行動に移していくことが必要です。
しかし、すぐに環境を変えることが難しいときもあるでしょう。
その場合は一人で抱え込まずに、信頼できる人や専門のカウンセラーに相談しましょう。
十分な休養をとる
休職中に、仕事のことが頭から離れなかったり不安になったりすることもあるかもしれません。
しかし、適応障害の症状を軽減させるためには、ストレスの原因から離れて十分な休養を取ることが大切です。
寝たいときに寝る、好きな音楽を聴く、公園に散歩に行く、何もせずにのんびりするなど、休職中の過ごし方は何でも構いません。
休養して「何だか動けそう」と思っても、まずは安静にすることを第一に考えて無理をしないようにしてください。
適応障害の症状が緩和したら
復職の意思を職場に伝える
治療によって適応障害の症状が緩和したら、医師と相談しつつ復職の意思を職場に伝える必要があります。
いきなりフルタイムで出勤するのは負担がかかる恐れがあるので、短時間勤務が可能かどうか上司と相談しましょう。
また、復職後は症状の再発防止のため定期的な通院をすることも考慮しておかなければなりません。
ほかにも、適応障害の原因が職場環境にある場合は、配置転換や業務内容の変更ができないかどうか上司とよく相談しておきましょう。
転職を検討する
適応障害の症状が緩和したとしても、「また再発したらどうしよう」「ちゃんと働けるのかわからないし、怖い」という感情を持ってしまうこともあるかと思います。
もし適応障害の原因が職場の環境や仕事の内容にある場合、症状が再発する可能性はゼロではありません。
また、長期間休養していたことで体力の低下が起こり、以前のように働くことが難しいと感じることもあるでしょう。
同じ職場に復帰することで病気の再発リスクが高い場合は、転職を検討する必要があります。
過敏な気質を持つHSPは、なるべくチームワークを必要としない仕事や、人の悩みに寄り添うようなカウンセラーの仕事が向いていると言われています。
自分の適正に合った仕事を選択することで、適応障害を発症するリスクを減らすことができます。
まとめ
今回はHSPと適応障害の関係、適応障害の症状チェック、HSPが適応障害を発症したときの対処法について紹介しました。
適応障害は、環境の変化によって過剰なストレスにさらされることで発症します。
誰にでも起こり得る病気ですが、過敏性を持つHSPの人は特に注意しなければなりません。
適応障害の予防には、十分な睡眠をとり、ストレス解消のために適度に気分転換したり、趣味を楽しむことが大切です。
しかし、気をつけていても適応障害を発症してしまうことはあります。
心身の不調を感じたら、無理をせずに早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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