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台風17号は当初の予想より発達して接近か/台風18号は週明けにかけじわじわ沖縄に接近:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
29日9時の予想天気図(気象庁HPを元に作成)。2つの低気圧が発達しながら北上中

日本の南の海上を北上中の台風17号は、当初の予想よりも発達する見通しに変わり、暴風域を伴ったまま伊豆諸島そして関東沿岸接近するおそれが出てきました(進路図は記事中盤に)。

また、台風18号は30日には「強い」勢力になり、10月1日~3日頃に先島諸島を中心とした沖縄大雨や高潮をもたらすおそれがあります。

今日~週明けの各地の天気も含め、気象予報士が解説します。

29日は太平洋側や北陸でスッキリしない天気

29日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
29日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

29日は北海道~東北北部では秋の高気圧に覆われて爽やかに晴れるところが多いものの、太平洋側でや北陸では高気圧の周りの風がぶつかることで雲ができやすく、スッキリしない天気となるでしょう。
ところどころで雨が降り、東海の内陸など一部で強まりそうです。

また沖縄では台風18号周辺の湿った空気の影響で、断続的に雨となりそうです。

台風17号はコンパクト&俊足

台風17号の情報(気象庁HPより)。
台風17号の情報(気象庁HPより)。

台風17号はこのさき、30日(月)頃に小笠原諸島、1日(火)頃に伊豆諸島~関東沿岸に接近する見通し。
接近のタイミングが発達のピークとなり、暴風域を伴って近づきそうです。
さらに2日(水)には東北の沿岸に接近する可能性があります。

台風の雨雲が中心付近にコンパクトにまとまっている上に、接近しながら移動速度を上げてくるため、まだ来ないと思っていたらあっという間に接近する、というパターンになりそうです。

島しょ部では雨・風ともに強くなりそうですが、関東沿岸に関しては、台風本体の雨雲がどのくらいかかるのかまだ予報が定まっていない状態。
ただ関東沿岸も風は強く吹きそうですから、沿岸の交通機関は影響を受けるおそれがあります。

台風18号は不確定要素が多め…ただし発達

台風18号の情報(気象庁HPより)。
台風18号の情報(気象庁HPより)。

台風18号は17号とは対照的に動きが遅く、現時点でも沖縄に最接近するタイミングがハッキリしない状態です。
ただし17号よりも発達する可能性が高く、沖縄では先島諸島を中心に影響が大きくなりそうです。

気象庁からは、沖縄では1日(火)から大しけ、そして2日(水)~3日(木)にかけて大雨や高潮のおそれがあると情報が出ています。

ダブル台風に挟まれる1週間

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

週明けは、週の前半は台風17号、後半は台風18号の影響を本州付近でも受ける可能背があり、2つの台風の動きに左右される1週間となりそうです。

特に台風18号については先が見通しづらく、今のところ日本海を通過する場合は影響の範囲が広がりそうです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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