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「早朝ライブで成長できた。夢は全国へ」 宮城発6人組、ぜんりょくボーイズが語るこれまでと、これから

田中久勝音楽&エンタメアナリスト
写真提供/ソニー・ミュージックエンタテインメント

ますます盛り上がりを見せる早朝ライブ

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7月28日(日)、仙台のライブハウス・darwinで、宮城発の6人組ボーイズグループ・ぜんりょくボーイズの早朝ライブを観た。朝6時半、昨年5月以来2回目の早朝ライブを観るために、仙台市の繁華街・一番町アーケードにある会場に向かうと、開場を待つファンの長蛇の列が。日曜日ということもあるかもしれないが、昨年よりその列は長くなっている。7時半開演。全力で歌い踊り、そして笑わせ、客席まで行きファンとハイタッチし、盛り上げる。ライヴ終演後は、ファンを「行ってらっしゃい!」とお見送り。これも昨年4月から変わらない風景だ。早朝ライヴは昨年4月にスタートし、週3回行い、6月、9月にdarwinでの早朝ワンマンライブを完売させ、今年3月にはひとつの目標だった仙台PIT公演も完売させた。

三浦大輝
三浦大輝
保土原壱成
保土原壱成
森瞬太
森瞬太

大きな歩幅で成長を続ける三浦大輝(21/石巻市出身)、保土原壱成(18/仙台市宮城野区出身)、森瞬太(24/仙台市太白区出身)、遠藤大斗(22/刈田郡蔵王町出身)、大平一心(14/仙台市青葉区出身)、小松笙(21/気仙沼市出身)の6人に、早朝ライヴが始まってから現在に至るまでお思い、そしてグループについて、さらに彼らが公式アンバサダーを務める東北初の野外ボーイズフェス『みちのく漢祭(おとこまつり)』(8月18日/仙台・勾当台公園野外音楽堂)についてまで、話を聞いた。

「この企画を聞いたときは、早起きも苦手だし、喉のコンディションも大丈夫なんだろうかと不安でした。最初はお客さんも30人いるかいないかで、ますます不安になりました。でも昨年6月に早朝ワンマンライブを成功させ、そこから2ndシーズンに入って続けていくうちに、お客さんが増えていくのを見て、頑張ってきてよかったなって思いました」(大平)。

「朝からライヴって、みんな来てくれるかなって最初は思いました。でも色々な活動やPRをしていくうちに、少しずつお客さんが増えていって、ステージから見る景色もだんだん変わってきました。もっと頑張って、全国に自分達の名前を広めていきたいと思うようになりました。今年高校を卒業したのですが、去年は週3回早朝ライブが終わったあと、急いで学校に行っていました。大変でしたが、逆に早朝ライブがあったから、毎日頑張ることができたと思います」(保土原)。

「早朝ライブから色々と広がっていき、努力は報われるということを教えてくれた」

早朝ライヴは当初は朝7時開演(現在は7時30分)。メンバー、スタッフは朝4時集合という過酷なものだ。機材の搬入、会場の設営、装飾も、スタッフとメンバーが行っている。

遠藤大斗
遠藤大斗
大平一心
大平一心
小松笙
小松笙

「早朝ライヴを通して、メンバーと仲良くなれました。僕は朝2時半に起きて、自転車で30分くらいかけて会場に行っていました。大変ですが、早朝ワンマンライブを成功させることができたり、仙台PIT公演も満杯にできたり、早朝ライブからどんどん広がっていって、達成感を感じることができています。努力は報われるんだということを、早朝ライブに教えてもらいました。スタッフさんも含めて、みんなで新しい事を作り上げていくことができているのが、嬉しい」(小松)。

「最初早朝ライブをやると聞いたときは『マジか!?』と思ったのと同時に、新しい事をやる喜びもありました。3時に起きて準備して、ということが辛いというよりも、慣れるまでが大変でした。最初はお客さんが少なくて、でも少し増えただけですごく嬉しくて、その積み重ねが大切だと思いました。設営も自分達でやるからこそ、ライブそのものも自分達でいろいろ考えられるようになったし、これも積み重ねが大切だと思います。メンバーからもライブに関して色々なアイディアや意見が出るようになって、それをステージに反映させ、お客さんに喜んでもらえると、メンバーそれぞれの成長にもつながり、グループとしてのレベルもあがってきていると思います。それを肌で感じています。いいライバルであり、兄弟でもあり、これからずっと一緒にやっていく最高の仲間です」(三浦)。

「やっぱり最初は不安でした。友達からも「大丈夫なの?」って言われて、それが悔しくて、日本初の試みということだったので、宮城の名物にしたいと思ったし、日本中の人に知ってもらえるように頑張ろうと思いました。早朝ライヴの魅力は、終わった後にお客さんに「行ってらっしゃい!」っていえる事だと思っています。そんなライブどこにもないし、来てくれる人の活力につながればいいなと思います。最初は自分達のことで精一杯で、余裕がなく色々考えることができませんでした。それでも「ライブよかったよ」って言ってくれるファンの皆さんのひと言が嬉しくて。お客さんが求めていることをもっと感じて、ライヴに反映させて、もっとみんなで盛り上がっていきたい」(遠藤)。

「早朝ライブをやり始めて、ライブへの取組み方、グループに対しての意識が、全員ガラッと変わった」

10歳離れているメンバーがいるという、その年齢の幅広さが強みであり、売りのひとつだが、意識の違いなど、当初は大変な部分もあったようだ。

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「僕は大学4年生で、就活もしていた時期に、ぜんりょくボーイズで頑張ることを決めて。最年長だったこともあって、他のメンバーに対して、気に入らない部分や、こいつナメてるのかって思う瞬間も多々ありました。でも早朝ライブが始まって、回数を重ねていって、自分達で考えるということを全員がやり始めたので、それぞれの意識が、自分も含めてこの1年3か月でガラッと変わりました。他のボーイズグループの存在を意識するようになったことも大きいと思う。北海道のNORDや福岡の10神ACTOR、東京の銀河団という、同世代のグループの活躍が刺激になって、さらに一人ひとりの向上心が出てきたと思う。スタッフさんもその気持ちに応えてくれるように、細かいことまで気をかけてくださって、本当にマメに動いてくれるので、感謝しかない。この感謝を何で返せるかというと、売れるしかない。自分達のためだけの活動ではなく、周りの人も幸せにするためには売れて、みんなでハッピーになりたい。短期間で全員の意識が変わったので、この先も変わり続けて、次のステップにいけると信じています」(森)。

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最初はレッスン場での雰囲気もピリピリして、最悪だったという。しかし苦労を共にしながら、それぞれがそれぞれの事を理解し、長けている部分は尊重し合い、補い合ってひとつの大きな塊になるという意識が全員に芽生えてからは、グループがガラッと変わった。

「(森)瞬太君が、常にピリッとしていて、嫌われ役を買って出てくれたおかげでまとまったと思う。今その気持ちがわかってきたので、感謝しています」(三浦)。

「途中までリーダーがいなかったのですが、瞬太君と僕とでリーダーをやらせてもらうことになって、そこから自分の意識が変わりました」(遠藤)。

「大斗の意識が変わったことが一番大きかったです。他のメンバーに伝えることが上手いので、僕が言うとどうしても角が立ってしまうので、(遠藤)大斗を通すことで、穏便にものごとを進めることができています。そこは頼りにしています」(森)。

東北初の野外ボーイズフェス『みちのく漢祭』の公式アンバサダーに就任

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ぜんりょくボーイズは仙台を拠点に活動を行っているが、その活動が様々なメディアに取り上げられ、注目を集める存在になっている。仙台PIT公演を成功させ、次の目標は来年、ゼビオアリーナ仙台でのライブだ。そして「東北6県を周って、どの会場も満杯にして、全国へと打って出たい」(森)という目標を掲げている。

「ファンの皆さんを色々なところに連れていってあげたい。『みちのく漢祭』も、色々なところからボーイズグループの皆さんが仙台に来てくれるので、そこで公式アンバサダーとして、負けていないところを見せたい」(遠藤)。

『みちのく漢祭』は、ぜんりょくボーイズが公式アンバサーを務め、さくらしめじ、ジュノン・スーパーボーイ・アナザーズ、PRIZMAX、BOYS AND MEN研究生、EBiDAN SENDAIという注目のボーイズグループが8月18日(日)、仙台・勾当台公園に集結し、パフォーマンスを繰り広げる。早朝ライブを進化させ、エンタメ力を高めていくぜんりょくボーイズと、人気急上昇中のボーイズグループとの、切磋琢磨という意味でのマッチアップが、仙台の夏を更に熱くする。

※ぜんりょくボーイズの正式表記は、ぜんりょくとボーイズの間に、太陽の絵文字が入ります。

ぜんりょくボーイズ オフィシャルサイト

音楽&エンタメアナリスト

オリコン入社後、音楽業界誌編集、雑誌『ORICON STYLE』(オリスタ)、WEBサイト『ORICON STYLE』編集長を歴任し、音楽&エンタテインメントシーンの最前線に立つこと20余年。音楽業界、エンタメ業界の豊富な人脈を駆使して情報収集し、アーティスト、タレントの魅力や、シーンのヒット分析記事も多数執筆。現在は音楽&エンタメエディター/ライターとして多方面で執筆中。

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