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自己肯定感を高めるには乳幼児期が大切~元保育士パパが考える【子どもの自己肯定感を高める6つの方法】

hirofuminice元保育士Webライター

昨今、「自己肯定感」という言葉を目にする機会が多くあります。同時に、日本の子どもは「自己肯定感が低い子どもが多い」と言われているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。

自己肯定感が低いと何をするにも自信をもてず、自分で自分を否定するようになります。失敗を恐れ、新しいことにチャレンジしようとする前向きな気持ちにはなかなかなれません。また、せっかく頑張ってチャレンジしても失敗してしまうと「やっぱり自分はダメだ」と、さらに自信をなくしてしまうでしょう。

自己肯定感の高低は元々の性格も作用しますが、乳幼児期の体験が大きく関わります。そして自己肯定感が低いまま成長してしまうと払しょくするのは難しく、時間がかかるでしょう。したがって、自己肯定感を高めるためには乳幼児期の関わりが非常に大切です。

今回の記事では、自己肯定感が高い子に育てるための方法を6つ紹介します。自己肯定感が高く、自分を認められる人に育つようぜひ実践してください。

自己肯定感とは?

自己肯定感とは、「ありのままの自分自身を肯定する感覚」のことです。必要以上に「自分はすごい人間」だと感じたり、ナルシシズムのように自己愛が強かったりするのではなく、自分のダメなところも受け入れて、失敗しても前向きに努力できる人が自己肯定感の高い人と言えます。

この記事を読んでいるあなた自身は、自己肯定感は高いですか?もし「自己肯定感が低い」という自覚があるなら、お子さんのためにこの記事を読んで実践しようと考えている自分を認めてください日頃、仕事や家事、育児を頑張っている自分自身のこともたくさん褒めましょう。まずは、あなた自身が自己肯定感を高くもって、お子さんに接することが大切です。

子どもの自己肯定感を高める方法① 愛情を言葉で伝える

人は「愛されている」「必要とされている」と感じることができれば、自分は価値のある人間だと思うことができるでしょう。しかし、自己肯定感が低いまま大人になってしまうと、誰かに愛情を伝えられても疑心暗鬼になってしまうこともあります。

お子さんには折に触れて大好きであることや、お父さんやお母さんにとってどれだけ大切な存在であるかということを伝えましょう。言葉で伝えるのはもちろん、抱きしめたり頭をなでたり微笑みかけたりなど、動作や態度でも伝えるようにしてください。大好きなお父さんやお母さんに愛されている、大切にされているということが実感できることが、自己肯定感を高める何よりの方法です。

子どもの自己肯定感を高める方法② プラスの言葉掛けをする

「言霊」という言葉があるように、言葉の力はとても大きいです。子どもは、食べ物をこぼしてしまったりお手伝いがうまくいかなかったりなど何か失敗してしまうと、気にしてしまい自信を失くしてしまいそうになります。そんなときに、お父さんやお母さんから「大丈夫だよ」「頑張ってえらいね」「次に頑張ろうね」などの言葉を掛けてもらえたら、嬉しくホッとした気持ちになるでしょう。

また、子どもが何かいたずらや間違ってことをしてしまったとき、つい「ダメ!」とか「なんでそんなことするの?」などの言葉を投げかけていませんか?余裕がないと咄嗟に否定的な言葉が出てしまいますが、言葉が口から出る前に深呼吸をして「どうしてそんなことしたの?」と問いかけてみましょう。子どもなりに、何か理由があるかもしれません。子ども自身も問いかけられることで自分の行動を振り返り、どうしたらよかったのかを自分で考えるきっかけにもなります。

子どもの自己肯定感を高める方法③ 子どもの話に耳を傾ける

仕事や家事に忙しいと、子どもが何か話しかけても「後でね」と声を掛けたまま忘れたり、真剣に聴いてあげられなかったりすることもあるでしょう。子どもは自分の話を聞いたもらえない経験が続けば「自分の話なんか聴いてもらえないんだ」と感じてしまい、誰かに思いを伝えることをあきらめてしまうでしょう。子どもの話にはしっかりと耳を傾け、聴いてあげることが大切です。

子どもの自己肯定感を高める方法④ 子どもを否定しない

子どもは突拍子もないことを言ったり、無理なことをやろうとしたりすることがあります。そのとき、「そんなことできるわけがないでしょ」などと否定されてしまうと、何事もやってみる前から「どうせダメなんだ」とあきらめてしまうようになります。突拍子もないことや無理なことだったとしても頭から否定せず、可能なことであればチャレンジすることを見守り、できないことであれば「なぜできないのか?」ということを一緒に考えるようにしましょう。

子どもの自己肯定感を高める方法⑤ 自分の考えや意志をもてるようにする

自己肯定感が低いと自分の考えに自信がもてず、人に話すことを躊躇するようになります。やりたいことがあっても、「どうせダメだろう」とやる前からあきらめてしまうこともあるでしょう。自分の話を聴いてもらえなかったり否定されたりしてばかりいると、自分の意志をもったり考えたりすることをしなくなってしまいます。

自分の人生を生き生きと過ごすためには、自分のやりたいことを見つけ、自分の意志でチャレンジすることが大切です。そのためにはなんでも親が指示をしたり答えを教えたりするのではなく、子ども自身に「何がやりたいのか?」「どんな風にやりたいのか?」「そのためにはどうしたらよいのか?」ということを問いかけ、自分で考える力が身に付くようにしましょう。子どもが考えても答えが見つからないときもすぐに答えを言うのではなく、一緒に考える姿勢が大切です。

子どもの自己肯定感を高める方法⑥ 人と比べない

上のきょうだいや友だちなど、誰かと比べることは子どもの心を傷つけます。「自分はダメなんだ」と自分を否定し、自信を失くしてしまうでしょう。自己肯定感とは、ありのままの自分を認めることです。誰かと比べるのではなく、人とは違う“自分自身”を肯定することでもあります。

親が比べなくても、子ども自身が誰かと自分を比べて自信を失くしていたら、「あなたはあなただから、人と比べる必要はない」「今のあなたのままで、十分に素敵だよ」ということを、しっかりと伝えてあげてください。

まとめ

自己肯定感を高める方法について解説しましたが、実は僕自身10代の頃は自己肯定感が低く、なかなか自分に自信をもつことができない子でした。自分の息子も自己肯定感があまり高くなく、息子の姿を見るたびに「僕のダメな部分が似てしまったな」と感じ、申し訳なく思っていたのです。今回紹介した方法を、子どもが小さかった頃に実践していれば…という後悔があります。

今回紹介した6つの方法はどれも、それほど難しいことではありません。日々、子どもと関わる中で、少し意識したりちょっとした心遣いをしたりするだけで実践できることばかりです。僕のように後悔することなく親子ともに自己肯定感を高め、自分を認め、生き生きとした毎日を送ってください。

元保育士Webライター

元保育士で、現在はフリーランスとしてWebライターのほか、リトミックや親子遊びの指導など幅広く活動しています。保育士やリトミック指導のスキルや知識、父親としての子育て経験を基に、子育てや保育に関する情報を発信していきます。

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