Yahoo!ニュース

麻薬使用の容疑で逮捕されたファン・ハナの正体は…韓国財閥の孫娘でアイドルの元恋人!?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
写真はイメージ(写真:アフロ)

韓国でとある女性が話題を集めている。渦中の人物の名は、ファン・ハナ。彼女は麻薬の使用などの容疑で4月4日に逮捕された。

芸能人でもない一般人だが、韓国で大きな話題となっており、日本でも関連ニュースが報じられているほどだ。

一体なぜだろうか。

炎上が続く”財閥の孫娘”

ファン・ハナが注目を集める理由はまず、「南陽(ナミャン)乳業」創業者の孫娘という点だ。

昨年も韓国財閥の10歳の孫娘が運転手に暴言を吐いたことで、大炎上したが、韓国では財閥2~3世に対する風当たりが非常に強い。

(参考記事:“小さなナッツ姫”か!? 韓国財閥の10歳孫娘が運転手に「お前はクビ」などの暴言で炎上

その発端となったのは、2014年に起きた“ナッツ・リターン事件”だろう。

“ナッツ姫”こと大韓航空の元副社長チョ・ヒョナ(趙顕娥)がニューヨーク発・仁川(インチョン)行きの大韓航空機のファーストクラスに搭乗した際、皿に盛られて提供されるはずのナッツを袋のまま出されたとして激怒。動き始めていた航空機をリターンさせて責任者を降ろし、仁川への到着を11分遅らせたという前代未聞の事件だ。

財閥一族の傲慢さを知らしめたこの事件により、韓国では“財閥叩き”が加速。その流れは現在も続いている。

先日、父である韓進グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長が死去したが、現在もナッツ姫は裁判を控えている状況だ。

財閥3世たちの「麻薬吸引」

財閥2~3世に対する世間の目が厳しい韓国で、麻薬疑惑を受けているだけに、ファン・ハナには批判的な注目が集まっていると分析できる。

ただ、彼女が大きな関心を集めているのは、財閥の孫娘だということだけが原因ではない。

実際に最近、SKグループ創業者の孫・チェ氏が麻薬吸引の疑いで逮捕されているし、ヒュンダイ(現代)グループ3世のチョン氏も麻薬類管理に関する法律違反が明らかになっている。

(参考記事:JYJユチョンの元カノだけじゃない… 韓国財閥3世たちの「麻薬吸引」が深刻

ファン・ハナが注目を集めている2つ目の理由は、そもそも彼女が芸能人並みの知名度を持っていたからだ。

芸能人並みの知名度

ファン・ハナはSNSを通じて、芸能界の華麗な人脈を誇ってきた。SNSを通じて世間に大きな影響を与える「インフルエンサー」だったのだ。フォロワーは約20万人もいた。

さらに、日本でも人気のボーイズグループ「JYJ」のメンバー、パク・ユチョンの彼女であったことも有名。現在は破局しているが、一時は結婚するとも報じられていた。

そんな一般人ながら芸能人並みの知名度を誇っていたため、彼女のスキャンダルは大々的に報じられているわけだ。

今回の“ファン・ハナ事件”の問題は、彼女の逮捕をきっかけに、麻薬捜査が韓国芸能界にも及ぶのではないかという危惧があることだろう。

韓国メディアによると、ファン・ハナは現在、自分が寝ている間に芸能人Aによって麻薬を投薬されたと主張しているという。

それによって芸能人Aにも警察の捜査が入ると見られており、韓国芸能界への本格的な捜査が始まる可能性も否めない。

(参考記事:知人が暴露したユチョン元カノのファン・ハナ麻薬捜査、芸能界にも及ぶか

そうなれば、韓国芸能界から“芋づる式”に逮捕者が出てもおかしくないわけだ。

「V.Iスキャンダル」と同じ構図か

実際に、BIGBANGの元メンバーV.Iや歌手チョン・ジュニョンなどが逮捕された「V.Iスキャンダル」は、現在も波紋が広がっている。

文字通り、芋づる式に芸能人が捜査を受けており、4月に入っても新たな芸能人が立件されているのが現状だ。

いずれにしても、ファン・ハナの逮捕は韓国で大きなイシューとなっている。

南陽乳業は4月9日に「ファン氏とその家族は南陽乳業とまったく関連がない。創業者の孫娘という理由だけで会社名が言及され、被害を受けている」などと立場を表明し、「公正かつ強力な処罰がされることを望む」と明かした。

事件の余波がどこまで広がっていくのか、注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事