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「えきねっと」を騙る自動退会メール届いたら、すべて詐欺!巧妙な【重要】ビューカードご利用確認も登場

多田文明詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
筆者に届いた、「えきねっと」偽メールに紛れこむ、VIEWカードの偽メール

詐欺グループは、新たな画策を始めてきました。それは、VIEWカードの偽メールを紛れこませる手口です。しかも、記載されているのは正規のサイトのURLです。信じるとかなり危険ですーー。

いまだに、「えきねっと」を騙る偽メールは毎日のように届きます。

これまでは「【重要】えきねっとアカウントの自動退会処理について」が多かったですが、なかには「【重要なお知らせ】「新幹線eチケットサービス」えきねっとアカウントの自動退会処理について」というものもあります。

JR東日本からの偽メールへの注意喚起「えきねっと」を騙る偽メール、偽サイトにご注意ください では、3月9日以降、「自動退会について事前にお知らせするメールの配信」は停止したとのことですので、ここ数日で「えきねっと」「自動退会処理」のタイトルで、送られてきたメールがあったら、すべて詐欺です。

JR東日本はすばやい対応をとりました。

第一の対策として、配信するメールに「URL」をつけない。第二の対策に「メールの配信を停止する」という措置を取っていますので、消費者も気づきやすくなっています。

しかし、いまだ日に何通も送られてきていますので、再度、注意を促します。

現在、筆者のもとには、「Amazon」を騙る偽メールと肩を並べるほどの数になってきています。

詐欺グループも新たな画策を始めている

しかし詐欺メールを送る側も、JR東日本に負けず劣らず、素早い対応をとってきています。

それは「JR東日本グループのビューカード <i**o@jreast.co.jp>」の差出人でタイトルが「【重要】ビューカードご利用確認」というメールです。

この種の偽メールは以前からありましたが、ここぞとばかり「えきねっと」偽メールで味をしめたと思われる詐欺グループが、再び「VIEWカード」の偽メールを送り始めてきています。

そこで筆者も、すばやく注意喚起をします。

相変わらず筆者のもとに届く、えきねっとの偽メールのなかに、VIEWビューカードを騙る偽メールも登場
相変わらず筆者のもとに届く、えきねっとの偽メールのなかに、VIEWビューカードを騙る偽メールも登場

「残念ながら、私たちはあなたのアカウントを更新できませんでした。今回は、カードが期限切れになってるか、請求先住所が変更されたなど、さまざまな理由でカードの情報を更新できませんでした。」とありログインして、情報の更新を促しています。

何が巧妙かといえば「▼ご情報確認はこちら https://www.jreast.co.jp/card/」という記載です。このURLをコピーして、サイト先に飛ぶと、正規の「VIEW カード」のサイトが出てきてしまうのです。

つまり、本当のサイトに行くURLを記載しているのです。

では、この偽メールの載るURLをクリックすると、どうなるのでしょうか。

筆者がアクセスした偽サイトのログイン画面
筆者がアクセスした偽サイトのログイン画面

偽サイトに飛ぶようになっています。

つまり、メール上は、正規サイトのURLを載せていますが、実際には

「https://jeast.co.cn****.com/pc/view_net_login.html」と別なサイトに飛ばされるようになっているのです。

最近、こうした巧妙な偽メールが発生していますので、載っているURLが正規のサイトのものだから、本当のところからきたものだとは思わないでください。

偽のログイン画面の先に進むと

偽のログイン画面も、うまくできており「VIEWカード」のロゴも、右上の「My JR-EAST」も正規サイトに飛ぶようになっています。

そして「VIEW's NET サービスID、My JR-EAST ID」とパスワードを入力させようとします。

ここに適当な数字を入れて先に進みます。

すると、「以下の項目に必要事項を入力し、【登録内容の確認】ボタンを押してください」という入力画面が出てきます。

筆者がアクセスした入力画面
筆者がアクセスした入力画面

名前、クレジットカード番号、カード有効期限、セキュリティコード、生年月日、携帯電話番号、メールアドレス、すべてを入れさせて、情報を抜き取ろうとしてきます。これらすべてが抜かれたら、大変なことになります。

絶対に入力しないで下さい!

わざと桁数のすくないカード番号を入れてみます。

すると……。

筆者が入力したエラー画面(筆者修正)
筆者が入力したエラー画面(筆者修正)

「あなたが入力した銀行カードの番号が間違っています」と「エラー」の表示が出てきます。正確にカード番号を入れさせようとするなど、詐欺グループはクレジットカード番号の欄には、かなり力を入れていることがわかります。

偽サイトと気づけるポイントは?

ですが、この最終段階で、偽サイトと気づけるところもあります。

それは、日本語のおかしさです。

エラー表示の部分ですが、「クレジットカード番号」の入力なのに「銀行カードの番号」との誤記載があります。

さらに、ログイン後に出てきた、上部に出てきている文字は、「システムがあなたのアカウント情報が期限切れになったことを検出しました。再結合してください」となっています。「再結合」は誤訳でしょう。

すでに、先の入力画面の写真で、即座にこの誤訳に気づいた方は大丈夫ですが、気づかなかった方は、より気をつけて頂ければと思います。

詐欺は、時事問題や、本当に起きていることに便乗してくるものですが、今回の「VIEWカード」の偽メールは、自らが作り出した「えきねっと自動退会処理」の偽メールに乗ってやってくる、非常に悪質な手口といえます。ご注意ください。

詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)

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