NY金25日:ギリシャ債務問題の進展見極めで、ポジション調整中心
COMEX金8月限 前日比比1.10ドル安
始値 1,174.10ドル
高値 1,177.30ドル
安値 1,170.50ドル
終値 1,171.80ドル
ギリシャ債務交渉の進展を見極めたいとのムードが強まる中、ほぼ横ばいでの推移になった。
アジアタイムは、前日のギリシャと債権団の交渉に目立った進展が見られなかったことが警戒され、やや買い優勢の展開になった。今週はギリシャが新提案を行ったことで一気に合意に向かうとの見方もあったが、国際通貨基金(IMF)などから更なる財政再建強化の動きを求められる中、未だ合意点を見出すには至っていない。ただ、マーケットでは6月30日のIMFに対する支払い期限までは合意がまとまるとの楽観ムードも強く、欧米タイムは逆に上げ幅を削ってマイナスサイドに沈む展開になっている。株式相場はややリスク回避の売りに下押しされる展開が続いているが、ドル相場が目立った動きを見せていないこともあり、金相場は決め手を欠いた。
ギリシャは本日も新たな財政再建策を提示しているが、ユーロ圏財務相会合を前に債権団の合意を取り付けるには至っていない。ギリシャ当局者は27日にも支援合意の取り付けは可能との楽観的な見方を示しているが、なお交渉に残された時間を眺めながら、ぎりぎりの駆け引きが続いている。こうした状況に金相場が殆ど反応しないなど、基本的にはギリシャ発のリスク回避の動きは本格化しない見通し。このため、リスク回避の動きで金相場が買われれば来月前半に向けての売り場になる可能性が高いとみているが、そこまでの値動きはみられなかった。
仮にギリシャ債務問題が合意に至っても急落する必要性は乏しいが、足元の経済指標が総じて底固い状況になる中、米金融政策の正常化プロセスが金相場の上値を圧迫する展開が続く可能性が高い。4月以降のボックス下限を試す展開になっており、ここを割り込むと1,150ドル割れ、更には昨年11月と今年3月にダブルボトムを形成している1,130~1,140ドル水準が打診される流れになる。