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「内閣国民保護ポータルサイト」の手抜きに呆れるばかり

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
「弾道ミサイル落下時の行動について」

KNNポール神田です!

北朝鮮とアメリカの緊張状態によって日本も非常事態に対応する必要がある。

内閣官房国民保護ポータルサイト』のページにもかなり緊張感のあるPDFが掲載された。

弾道ミサイル落下時の行動について

弾道ミサイル落下時の行動について
弾道ミサイル落下時の行動について

http://www.kokuminhogo.go.jp/pdf/290421koudou2.pdf

この「アラート」が鳴った場合には…

弾道ミサイルが日本に飛来する可能性があると判断した場合に、まず、弾道ミサイルが発射された旨の情報を伝達します。 弾道ミサイルがどこに落下するか等については、続報で伝達しますので、この時点では落ち着いて続報に備える。

その後、弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性があると判断した場合に、続報として屋内避難の呼びかけを 行います。屋内避難の呼びかけを受けた場合には、直ちに近くの建物等(できれば頑丈な建物や地下街等)に避難してください。

【落ち着いて、直ちに行動してください】

【屋外にいる場合】できる限り頑丈な建物や地下街などに避難する。

口と鼻をハンカチで覆い、現場から直ちに離れ、密閉性の高い屋内または風上へ避難する。

【屋内にいる場合】窓から離れるか、窓のない部屋に移動する。

換気扇を止め、窓を閉め、目張りをして室内を密閉する。

北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する場合、弾道ミサイルは極めて短時間で日本に飛来することが予想されます。 仮に、北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合には、政府としては、24時間いつでも全国瞬時警報システム (Jアラート)を使用し、緊急情報を伝達します。

出典:北朝鮮から発射された弾道ミサイルが日本に飛来する可能性がある場合における全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達について

ここまでは、まずは家族で必ず一読しておくこと。日々これくらいの非常時を想定しながら日本国民は過ごさないといけない状況になっているからだ。しかし、いざ屋外の最寄りの避難先を見たとたん…どうしようもない怒りがこみあげてきてしまった。

単なるテキストファイルのPDFでどうやって避難するんだ?

国民保護法(第148条)では、都道府県知事が、国民保護法施行令(第35条)で定める基準を満たす施設を当該施設の管理者の同意を得て、避難施設としてあらかじめ指定しなければならないことを規定しております。そのため、都道府県知事は、区域の人口、都市化の状況、防災のための避難場所の指定状況等地域の実情を踏まえ、市町村と連携し、避難施設の指定を行っております。

出典:避難施設の指定

実際に地図や地域をクリックして驚くばかりだ。テキストファイルでPDFで提供されている…。試しに地図上の東京エリアをスマートフォンでぜひ、クリックしてみてほしい…。

60ページにもおよぶ、PDFによるテキストファイルが登場する。

http://www.kokuminhogo.go.jp/pdf/hinan_tokyo.pdf

東京都には60ページもの避難先のテキストだけが並ぶ
東京都には60ページもの避難先のテキストだけが並ぶ

日本全国が、まるで、選挙の時の選挙管理委員会同様のPDFで避難施設のリストを掲載している。

この国が本当に、国民を保護しようとしているのかと嘆くばかりだ。

いくつものなぜ?が脳裏をかけめぐるばかり…

このリストで何人の人が避難先にたどりつけるのか?

なぜ?避難先リストの住所に地図をリンクしないんだ?

なぜ?スマートフォンのGPSや位置情報から最寄りの避難先を選べないのか?

60ページものPDFをスワイプしながら避難先を探すのか?

なぜ?検索できないのか?

なぜ?避難先のURLがないのか?

なぜ?避難先の電話番号がないのか?

整理番号って何なんだ?

非常事態の危機管理意識が欠如している内閣官房は大丈夫かぁ?

もちろん、非常事態の時に携帯電話やスマートフォンでは回線がパンクしてアクセスできないかもしれない。しかし、万一つながった時に、東京都民は、60ページものテキストデータをスワイプしてズームアップし、住所がわかっただけでどうやって避難所にたどりつけるのか?スマホでピンチして、コピーして、地図アプリにペーストしてようやく住所がわかるのだ。その場所が、遠ければ、また次の候補を選んで、スマホでピンチして、コピーして、地図アプリにペースト…。これを非常事態に国民にさせようとしているのか…。

避難先をマッピングした地図をアップすべき

本当に避難先を提示する意識があるならば、地図に避難先の位置をマッピングして公開すべきだろう。直感的に自分の位置からどちらへ避難すればよいのかを提供できなければ、落ちついて、直ちに行動してください。などとは言えないはずだ!

内閣官房の皆さん! 落ちついて、直ちに地図版の避難先リストを作成してください。住所の地図リンクを貼ってください。電話番号を掲載してください!「弾道ミサイル落下時の行動について」行動しやすくなるよう最大のご配慮をください。Yahoo!やGoogleやAppleにお願いすれば、たったの数日で実現できることです。

「内閣国民保護ポータルサイト」は誰の為にあるのか?という視点で読み返してみてください。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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