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16戦全勝10KOでWBAスーパーフェザー級王者となったサウスポー

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 今年2月、デビュー以来16連勝(6KO)を飾り、SHOWTIMEが力を入れて売り出してきたクリス・コルバートをワンサイドの判定で下したヘクター・ルイス・ガルシア。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20220301-00284184

 その後、WBAスーパーフェザー級1位となったガルシアだが、2月の試合がフロックではなかったことを証明した。

Esther Lin/SHOWTIME
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 序盤からアグレッシブに攻め立てるガルシアは、ベネズエラ人王者、ロジャー・グティエレスのお株を奪う。

 ドミニカ代表としてリオ五輪に出場したサウスポーは、技術もハートも世界王者になるに相応しいものを持ち合わせていた。118-110、117-111、117-111 のスコアでWBAスーパーフェザー級タイトルを手に入れた。

Esther Lin/SHOWTIME
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 試合後、新チャンピオンは語った。

 「このタイトル獲得には大きな意味がある。ドミニカン、故郷、祖国に捧げる勝利だ。自分はオリンピック選手だから、アマチュアでは名が通っていたが、プロでは誰にも知られない存在だった。やっと夢が叶った。

 グティエレスはいいパンチを持っていたが、上回れたね。ペースもずっとこちらが握れた」

Esther Lin/SHOWTIME
Esther Lin/SHOWTIME

 26勝(20KO)4敗1分けとなり、王座を失ったグティエレスも言った。

 「ダメージは負っていない。俺のエンジンの掛かりが遅かったね。採点はフェアだったと思う。8回の中盤から自分のいいパンチが当たったけれど。

 言うまでもなく、彼は簡単な選手じゃなかった。今日は、自分にとって芳しくない日だ。でも、まだ俺は26歳と若い。少し休んで、また這い上がってみせるよ」

 2戦連続で難敵を攻略したガルシア。SHOWTIMEも本腰を入れて売り出さざるを得ないであろう。今後、どのようなマッチメイクで進んでいくか。期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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