【京都市西京区】紅葉狩りや初詣に訪れた後に寄ってみたいお洒落なパン屋さん 1歳の誕生日に一升パンを!
平安時代に京都の守り神として東の賀茂の厳神とともに西の松尾の猛霊と称された京都最古の神社「松尾大社」の大鳥居前にあるおしゃれなパン屋さん「パン工房 橙」を2023年11月28日に訪れました。
まずは看板に書かれている一升パンが気になりました。1歳の誕生日を無事に迎えた赤ちゃんに一升(約1.8kg)のもち米を餅にしたものを背負わせ、祝うのが「一升餅」ですね。「一生食べ物に困らないように」「一生、健康でありますように」といった願いが込められています。
1歳未満の生存率が低かった昔から続く風習ですが、餅より手軽にみんなで分けられるパンでと考えられたのが「一升パン」ということになります。大きなパンの表面に文字やキャラなどをデコレーションできるのも魅力で大人気なのだそうです。
さらにお薦めは、老舗和菓子店仙太郎の丹波仙太郎大納言を使用した数量限定の「あんぱん善哉」です。店主が先代の社長から直々に小豆の炊き方を伝授していただいたそうで、週に何度かあんこを炊いているのだとか。他所からも小豆を分けてほしいと話が何度もあったようですが断り、この店にだけ分けられているといいます。
店主の森信次さんは、「年々気温が高くなり、小豆の収穫量も減ってしまい、いつまで分けていただけるかわかりませんが、当店のあんぱんは仙太郎さんの小豆があってこそなんで分けていただける間は自信を持って作り続けます。」と話します。つるんとした丸パンの食感と上品な印象の餡が絶妙に絡み合って美味しいです。
この店は、6年前までフルーツパーラーだったそうですが、現在の店主の森信次さんと妻の純子さんへの代替わりに際して、純子さんが京の老舗パン店で修業してきたこともあり、パン屋としてリニューアルオープンしたのだそうです。
マーガリンやイーストフード、添加物は一切使用せず、「リッチ生ブレッド」なども水を使わずミルクや豆乳だけで練り上げた逸品。国産小麦にこだわった商品もたくさんあります。しかもそれだけこだわっているのに、値段はかなりリーズナブルです。思わずコスパ大丈夫ですかと聞いてしまいました。
純子さん曰く、「正直大変ですけど、この地域で高い値段は取れませんもんね」と明るい笑顔で語ってくださいました。店内にはイートインコーナーもあり、ドリンクとトーストやパンの盛り合わせが提供されています。松尾大社の目の前ですので参拝の際にはぜひお立ち寄りくださいね! ※冒頭写真は「パン工房 橙」提供
「パン工房 橙」(外部リンク) 京都市西京区嵐山朝月町21 075-864-2828