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【ファン・ウェルメスケルケン際】ズウォーレと延長更新の際「僕は足を止めずに進んでいく」

中田徹サッカーライター
AZ戦(1月9日)後のファン・ウェルメスケルケン際 【中田徹】

■「契約更新はサッカー人生で初めてのこと」(際)

 ファン・ウェルメスケルケン際(26歳)は、所属先のズウォーレと契約延長交渉を行い、2年延長2023年夏までの契約書にサインした。

 今季いっぱいでクラブとの契約の切れる際に関して、地方紙の報道をもとに多くの憶測が飛び交っていた。彼は「根も葉もない噂がメディアで先走ってました」と騒動を振り返り、「僕たちは、普通に順を追いながら交渉のやりとりを進めていただけ。最終的にお互いにウイン・ウインになる契約を結ぶことが出来ました。それは良かったです」と安堵した。

 際の言う『ウイン・ウイン』とはどういうことだろうか。際本人にとっては、“将来のステップアップを、クラブが考慮してくれた”こと。ズウォーレにとっては“選手の出入りの激しい中堅下位のクラブにとって、主力の一人である際が契約上、長く残る”ということである。

「ズウォーレと良い関係性を作ることのできた契約になりました。僕としても、チームにとってポジティブなニュースを届けることが出来たと思います。

 契約更新というのは僕のサッカー人生で初めてです。1部リーグのクラブからそういう評価をいただけたのは、ドルトレヒトで契約のなかった頃(※オランダに渡った頃の際はアマチュアだった)と比べるとありがたいこと。それと同時に、より高いレベルに向けて足を止めずに進みたいという意欲にもなりました」

■テーマは『継続』

 現在、際は『継続』をテーマにしている。オランダ1部リーグはちょうど折り返しの17節を終え、ここまで際は全試合で先発出場を果たしている。フル出場記録は16試合でストップしたが、唯一交代した試合も85分間に渡ってプレーしている。今季全試合スタメンで出場し続けることは、「怪我をせず、シーズンを通じて高いレベルでプレーできるという選手としての価値になります」と際は言う。

 将来、日本代表に選ばれるためにも、所属クラブでコンスタントにプレーし続けることは大きなアピールポイントになる。

 しかし、際の言う『継続』の意味は、試合に出て活躍し続けることだけではない。

「ステップアップするために、自分にプラス・アルファーを積み上げていく作業を続けていくこと。『継続』という言葉には、そういう意味もあります。

 自分の中で一歩一歩ステップアップしている感覚が、今シーズンはあります。昨シーズンと比べるともっと攻撃に行けてたり、細かいところの積み重ねが今シーズンは出来てます」

 今後の課題は「左サイドバックを任されたときに、右サイドでやれていることが、どれだけ左でもできるか」ということ。

「右サイドバックとして改善できている点は、今まで中へドリブルしているばかりだったのを、オープンにしてスルーパスを出したり、味方にパスを入れて敵陣に潜ってーーというシーンも増えてきた。同じことを左サイドでやるのは難しいんですよね。それが左でもできたら、右利きなので中へのドリブルがより効いてくると思うんです」

 そして際は「やることだらけですね。サッカーって、やっぱり尽きないですね」と言って笑った。

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

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