Yahoo!ニュース

三戸舜介、初ゴール&マン・オブ・ザ・マッチ 見事なオランダリーグデビュー

中田徹サッカーライター
オランダリーグで幸先良いスタートを切った三戸舜介

三戸舜介(新潟→スパルタ)がオランダリーグ・デビューマッチで鮮やかにゴールを決めた。

 1月13日、フォルトゥナとのアウェーマッチで右ウイングとして先発した三戸は33分、MFキトラーノのラストパスを受け、中央やや右からシュートをゴール右隅に沈めた。スピードでCBシオバスを寄せ付けること無く、自身の間合いでシュートを撃ちきった。

 2-0で勝利したスパルタは暫定6位。

三戸を先発に抜擢したスパルタのチーム事情

 フォルトゥナ戦前日に三戸の選手登録が済むと、ユルン・ライスダイク監督は「何十分プレーできるかわからないが、ともかく三戸をフォルトゥナ戦で起用する」と語った。

昨年9月24日のフィテッセ戦で斉藤光毅が負傷してから、スパルタは本職のウインガーが不在のまま。左のチャールズ・アンデレアス・ブリムはストライカータイプ、右のカミール・ネグリは中盤タイプだ。しかも後者は負傷でフォルトゥナ戦のメンバーリストから外れた。

 スペイン合宿で三戸の非凡さが指揮官、チームメートに浸透された。コンディション、守備での連携などに不安を残すものの、ライスダイク監督は三戸の先発起用を決断した。

積極的な姿勢が貴重な先制弾につながる

 フォルトゥナ戦の三戸は12分に左サイドからの大きなクロスをファーポストでヘディングで合わせるなど、前半だけで4本のシュートを放った。

 右サイドではチームとしてビルドアップが詰まり、三戸はカットインの打開に頼っていたが、中央・左サイドに流れたときは緩急つけた細かなタッチと、相手のライン間でボールを受ける動きで好プレーを披露。23分には粘り強くフェイントを繰り返して左サイドで起点を作ってからバイタルエリアに潜り込み、MFアルノ・スフーレンにラストパスを通した。

 三戸のゴールでスパルタが先制すると、ホームのフォルトゥナが猛攻を仕掛けた。守備・コンディションの両面を考慮され、三戸は前半いっぱいでベンチに退き、後半のチームメートの戦いを見守った。

 三戸に代わってピッチに入ったメティーニョが48分に追加点を決めると、GKニック・オライを中心にする守備陣がフォルトゥナの反攻をしっかり食い止め、スパルタが2-0で勝利した。

三戸「流れがキレイなゴールだった」

 専門誌「フットボール・インターナショナル」は三戸、オライ、キトラーノにチーム最高の採点7.5をつけた。また、中継局のESPNは三戸をマン・オブ・ザ・マッチに選出した。

 ESPNとの試合後インタビューは下記の通り。

――あなたにとって「夢のようなデビューマッチ」と言えるのでは?

「いいと思います」

――私も楽しむことができましたよ。今日はきつい試合でしたか?

「自分にとっては久しぶりの試合だったのできつかったです」

――ハーフタイムに監督に「もうきつい」と言ったのですか?

「それは言ってないです(苦笑)」

――疲れているように見えたので、ハーフタイムで交代して嬉しかったとか?

「嬉しい⁉ 選手として交代は悔しいですが、ゴールを決めれたので爪痕を残せたかなと思います」

――チャンスを逃した場面もありましたが

「攻撃の選手としてはやっぱりゴールを決めたかった。ああいうところが今の自分の実力なんだなと思った。ああいうところでしっかり決めきらないといけない。そこがこれからの課題だと思います」

――ゴールシーンを見返しましたか?

「はい」

――そのゴール、上手くいった点は?

「最初のジャナタン(デグズマン/MF)からの縦パスがトビアス(ラウリッツェン/CF)に入った。その後ジョスア(キトラーノ)が良いボールをくれた。流れとしてはキレイだったと思いますね」

――大きなDFを相手に戦うことに対して臆することはないか?

「感じないです。僕は見ての通り自分は小さい。小ささを生かしたクイックネスが通じるところはあると思う。相手が大きいからといって臆することはないと思います」

――メッシも大きくないですものね

「はい!」

サッカーライター

1966年生まれ。サッカー好きが高じて、駐在先のオランダでサッカーライターに転じる。一ヶ月、3000km以上の距離を車で駆け抜け取材し、サッカー・スポーツ媒体に寄稿している。

中田徹の最近の記事