NY金11日:ギリシャ債務問題の進展観測で反落
COMEX金6月限 前日比比5.90ドル安
始値 1,189.00ドル
高値 1,190.90ドル
安値 1,178.00ドル
終値 1,183.00ドル
週明けのユーロ圏財務相会合でギリシャ債務問題に進展があったとの見方から、反落した。
アジアタイムは1,188~1,190ドル水準で揉み合う展開になったが、欧米タイム入りしてから値位置を切り下げている。本日はギリシャ債務問題を協議するユーロ圏財務相会合が開催されているが、ユーロ圏の財務相からギリシャの救済プログラム遵守について一定の評価を行う声を聞かれたことが、金相場の上値を圧迫している。もっとも、ギリシャ支援について具体的な進展がみられた訳ではなく、場中には一時的にプラスサイドに切り返す場面も見られるなど、決め手を欠いた。ギリシャのユーロ離脱といった最悪のシナリオが後退していることが金相場を圧迫したが、問題そのものが解決に向かっている訳でもなく、金相場を押し下げる力は限定された。ニューヨークタイム入り後はテクニカル主導で大きく下落する場面もみられたが、引けにかけては下げ幅を縮小するなど、大きな値動きには発展していない。
前日の米雇用統計を受けて上昇トレンドを形成することは拒否するも、改めて売り込んでいくテーマも乏しい相場環境に。本日は米長期金利が急伸していることも上値圧迫要因になったが、引き続き経済指標などから米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースを見極めたいとの慎重ムードが強い。12日には4月小売売上高の発表も控えており、経済指標で米経済の体温を打診しながらの不安定な相場展開が続く見通し。
基調としては金からドルに対する資金シフトの動きは継続すると考えているが、その流れを確信させるような材料が要求されるステージが続いている。今後も経済指標の結果に一喜一憂する不安定な相場展開が続くことになる。