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【緊急】500ドットコム、経営トップが揃って辞任

木曽崇国際カジノ研究所・所長

中国、米国の各メディアは、日本でIRに関連する贈収賄事件の嫌疑がかけられている中国企業、500ドットコムの経営トップ層が揃って辞任したことを発表した。以下、Inkendinからの転載。

500ドットコム、2名の上級経営者が政治スキャンダルの疑惑で辞任

500.com Loses Two Senior Execs As Political Scandal Deepens

https://inkedin.com/500-com-loses-two-senior-execs-as-political-scandal-deepens/5140/

昨年の12月30日付けで辞任が報じられているのは、500ドットコムの取締役会長であるチェン・ジュドン氏。また、IR事業への進出を狙って度々、日本で開催される講演会に登壇していたことで知られる同社CEOの潘正明氏も、一連の問題に関する調査が終了するまでの間、一時的に役職を離れることを発表した。以下、2017年10月に開催されたシンポジウムに関する報道。

500ドットコム潘正明CEO日本のギャンブル依存症対策研究へ「日本の環境に合わせて研究を進めたい」

http://newslounge.net/archives/196067

カジノ・ゲーミングサービスと設備プロバイダー事業で中国・深センに本社を置く500ドットコム社の潘正明CEOが26日、都内で「ギャンブル依存症対策研究」に関する記者発表会に出席した。

同社ではユーザーの依存症対策が重要という考えをもとに、今年8月に日本法人の500ドットコムジャパン株式会社を設立し、日本のギャンブル依存症対策研究に着手。その一環として、唯一のギャンブル依存症研究をしているNPO法人依存学推進協議会と共同研究を予定しており、その事前準備としてテーマ検討部会を11月1日から立ち上げることを発表した。

共産主義国である中国では、人民の共有財産である資産を海外に持ち出すことが厳しく制限されており、特に習近平体制の成立以降、その運用が厳格化されている。今回、日本で巻き起こっている500ドットコム社の問題に関しても、同社の雇ったコンサルタントを介して国外に不正な資金の持ち出しが行われたことを問題視、同社は社内に特別調査委員会を設置し問題の追及を図るとしている。

また、ニューヨーク証券市場に上場をしている500ドットコム社は、米国側の法律にも規制される。米国では、連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)によって米国の上場企業等に対して「国外の国家公務員、政党、政治家に対して不正な目的をもって金品を提供することを禁じている。今回の、500ドットコム社の日本での事業進出を巡る一連の贈収賄疑惑が不正なものとして認定された場合、同社は連邦証券取引委員会による制裁を受ける可能性もある。

一連の報道を受け、新年を迎えたばかりの1月2日のニューヨーク株式市場では、500ドットコムの株価が11%近く急落。一部の投資家は、これら損失に対して株主代表訴訟の準備を始めているという。

国際カジノ研究所・所長

日本で数少ないカジノの専門研究者。ネバダ大学ラスベガス校ホテル経営学部卒(カジノ経営学専攻)。米国大手カジノ事業者グループでの内部監査職を経て、帰国。2004年、エンタテインメントビジネス総合研究所へ入社し、翌2005年には早稲田大学アミューズメント総合研究所へ一部出向。2011年に国際カジノ研究所を設立し、所長へ就任。9月26日に新刊「日本版カジノのすべて」を発売。

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