シルバーウィーク初日の羽田空港。国内線利用者は昨年に比べ2~3割減少もターミナル内に活気が見られた
今日から秋のシルバーウィークが始まった。今年のシルバーウィークは、前半の9月18日(土)・19日(日)・20日(月・敬老の日)の3連休、そして後半の23日(木・秋分の日)、平日24日(金)を挟んで、25日(土)・26日(日)の週末を含めた4日間に分かれる。
昨年に比べると利用者は減少しているが、直前の予約も増えたことで羽田空港には一定の人出が
シルバーウィーク初日となった9月18日(土)の朝、国内線が出発する羽田空港の第1ターミナル、第2ターミナルは、昨年のシルバーウィーク初日に比べると利用者の数は少ないが、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にあることから直前予約での国内旅行へ出かける出発客の姿が多く見られた。
1年前のシルバーウィーク初日は大混雑だった
1年前のシルバーウィークの際には、今年同様に新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向に転じたことで、昨年7月からスタートした際に東京都発着が除外されていたGo Toトラベルが、昨年10月1日からは東京都発着も解禁されることが発表され、旅行に出かける人が多く、昨年のシルバーウィーク初日となった9月19日(土)の朝7時過ぎは、ANA便が発着する羽田空港第2ターミナルの保安検査場入口前には50メートル近い行列ができていたが、今年も同時刻に同じ場所で取材をしていたが、保安検査場前に行列はなくスムーズに保安検査を通過できていた。
昨年のシルバーウィーク初日の様子:羽田空港、保安検査場に50メートル近い長い行列で満席便続出。4連休初日は4月の緊急事態宣言以降最多に(2020年9月19日掲載)
昨年に比べて2~3割減、コロナ前の2年前と比べると約6割減
ただ、東京都内の新型コロナウイルスの新規陽性者数が減少に転じたこともあり、筆者が取材したこの1か月間の中では羽田空港に一定の人出が見られ、第二ターミナルに隣接する駐車場「P3」も満車にはなっていないが、屋上を除いて混雑しているフロアが目立つなど、人の動きがやや回復傾向に転じている。
ANAとJALの発着案内板を確認すると、前日に台風の影響で欠航便が出ていた九州方面の便に一部満席の便があったが、満席便はわずかであり、確実に昨年に比べると国内線利用者は少ない。航空会社関係者を取材をすると、昨年のコロナ禍のシルバーウィークに比べて国内線の予約は7~8割程度に留まっており(約2~3割減)、コロナ前の2019年と比べると4割程度(約6割減)の水準となっている。
感染者が多い沖縄への旅行は手控えられている傾向に
コロナ禍の旅行傾向として、 旅行先の新型コロナウイルス新規感染者数を見ながら、 旅行先を決定する旅行者が増えている。今回のシルバーウィークで見ると、感染者数が多い沖縄県への旅行が特に控えられており、旅行会社関係者によると、昨年のシルバーウィークと比較した場合に、国内でも特に沖縄県への旅行の落ち込みが目立っていると話す。
ワクチン2回接種を終えた40代・50代の旅行予約が増えている。部屋でゆっくり過ごせるホテル・旅館が人気
しかしながら、緊急事態宣言が多くの都道府県で発令中の中であっても、この2週間の新規感染者数の減少、そしてワクチン接種が済んだ事によって、今まで以上に直前での予約が増えていると、宿泊予約サイトの関係者は話す。
また今までになかった傾向としては、特に40代・50代の旅行予約が増えており、若者に比べてワクチン接種が済んでいることで、新規の感染者数の推移を見ながら、この4連休に旅行へ出かけることを急遽決めた人が増えた模様だ。
ホテルや旅館についても、比較的価格帯の高い「密」にならずに部屋でゆっくり 過ごすことができるリゾートホテルや旅館の一部ではシルバーウィーク中に満室になっている宿泊施設もある。一方で都市部のビジネスホテルなどは、かなり割安な料金を出しているにも関わらず空室が目立つ状況が続いている。
年内最後の大型連休や最後の夏休みとして出かける人も多い。これからシルバーウィーク後半の旅行を計画する人も
今回のシルバーウィーク直前に日本国内におけるワクチンの2回接種を終えた人が半分を超えた。昨年のシルバーウィークに比べて旅行者の数は圧倒的に少ないが、それでも少しずつではあるがワクチン接種者が増えたことで、人の流れが少しずつ動き出しているようだ。今回のシルバーウィークを終えると、次の祝日は11月までなく(今年は10月の祝日を東京五輪の関係で7月に移動したことで10月は祝日がない)、また11月の祝日も飛び石となることで、このタイミングで旅行に出かける人もいるようだ。
毎日発表される新型コロナウイルス新規感染者数がさらに減少することになれば、9月23日(木)からのシルバーウィーク後半戦の旅行の計画をこれから立てる人も出てきそうだ。