気象衛星ひまわりから見た日食(月の影)
サングリントと月の影
きょうは夏至であるとともに日食が起こるという珍しい日でした。
日本付近では南西諸島を中心に部分日食が起こりましたが、赤道上空約35800キロに位置している気象衛星ひまわりが捉えた雲の様子からも、地球に映った月の影で日食が起こった様子がうかがえました。
まず14時の雲の様子をみると、よく晴れていて雲のないフィリピン付近の海上に白っぽく見える領域がありますが、これはサングリントと呼ばれ、穏やかな海面上で太陽の光が反射した様子を捉えたものです。
きょうは夏至で太陽は北半球の北回帰線付近まできていますから、このサングリントも赤道よりかなり北に位置している様子が分かります。
そして16時になると、太陽が西へ移動するとともにサングリントは南シナ海へ移動し、その一方で、太陽と地球の間に入った月の影が日本のずっと西、インドの北側に見えてきています。
その後、月の影は東へ移動し、17時には中国南部辺りにあり、少し見え辛いのですが、この月の影の南側にサングリントが重なるように位置しているのが分かります。
17時20分になると、ちょうと台湾付近に月の影の中心が移り、台湾では金環日食が起こるとともに、沖縄県でも、より台湾に近い、石垣島や与那国島などで、太陽の9割前後が欠けるスケールの大きな部分日食が起こりました。
このように地上からみても日食はとても神秘的なものですが、赤道上空約35800キロメートルの宇宙空間から眺める日食(月の影)も想像力を掻き立ててくれます。
日食における太陽と月と地球の位置関係
日食における太陽と月と地球の位置関係は少々難しいのですが、国立天文台のHPでその仕組みが詳しく解説されています。
今回は上図下段のパターンで、アフリカ東部からアラビア半島南部、インド北部、中国、台湾などの帯状の地域で金環日食となりました。
参考:国立天文台