【厚木市】里山の寺子屋塾「無尽蔵」で絹糸作りや竹細工 日本古来のくらしを味わう
こんにちは、そのです。ここは飯山の寺小屋塾。
主催は、公立・私学小学校の校長をはじめ50年の教員経験をお持ちのかたわら様々な創作活動もされている小嶋冨五郎/小島富司さん。
現在「野良の芸術美術館」という私設美術館と、「無尽蔵」という寺小屋塾を古民家風のご自宅で開館されています。
野良の芸術美術館
あつぎ飯山の美しい環境の中で、日本農民文学会発行の「農民文学誌」表紙絵の原画を常設・公開展示した私設美術館
「僕のやっていることはすべて野良の芸術の意味を求めていることなんだと思う。」という小嶋さん。
たとえば民芸品とは決して芸術品ではなく、もともと農民が作って暮らしの中で使っていたもの。その土地で手に入るものを暮らしに活かす先人の知恵。そういう思いを今一度「野良の芸術」で実現したい。と静かに熱く語る。
30年前に建てたという古民家風のご自宅にお邪魔すると、いたるところに小嶋さんの絵が飾ってあります。
高い天井と梁と、30年経っても白いままの漆喰。
無尽蔵
ものづくり
心づくり
生きる力づくり
竹林、畑、山、川を活用して四季折々の自然の恵みをいただきながら、先人の知恵と教えと文化から学ぶ。普通の学校では学べない体験活動・造形活動・表現活動の場をプログラム化した寺子屋塾ということです。
現状をきちんと認識した人間のものづくりに限界はない
ネーミングの「無尽蔵」にはそんな思いが込められているようです。
味のある看板はもちろん小嶋さん作です。
小嶋さんの書斎におじゃまさせていただきました。こりゃまた気持ちのいい散らかりっぷりですが、すごいのが何処に何があるのかがちゃんとわかっているということ。必要なものが探さなくてもすぐに出てきます。
宝物
見てください!このボロボロの本!
これは「赤胴鈴之助」という昭和の漫画で、小嶋さんが子供の頃、お父様が毎月一冊ずつ買ってくれたものとのことです。今でも小嶋さんの宝物だそうです。素敵なエピソードですね。
たくさんの画材になんだかワクワク
行政刊行物の題字の担当もされたようです。
その他、2年前に廃盤になった地域のミニコミ誌に「野良の芸術」のコラムを10年間連載されていたそうです。
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サイフォンでコーヒー淹れていただきました。
年季の入ったヤカンに熟練さを感じました。これは期待しちゃいますね。
すごくいい香り〜
これが期待通り!スッキリした深みのある味わいの本当においしいコーヒーでした。
しかも、4月にご紹介したオーロラコスモさんのコーヒー豆だったことにもびっくり!やっぱりオーロラコスモさんのコーヒーもまちがいないです。
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「無尽蔵」での構想
うなぎ捕り
まずは周辺の川でのうなぎ捕りを考えていらっしゃるようです。しかも道具作りから!これはもじりといううなぎを捕る道具だそうで、裏庭に豊富にある竹で作るとのことです。
絹糸で反物を作る
養蚕で絹糸にしたあとに、なんと!それを機織り機で織って反物を作るというところがゴールのようです。
生まれて三日目という3ミリの蚕の赤ちゃんたち。
桑の木も近くにあるようなので、チビちゃんたちもすくすく育つでしょう。
これは二年前の繭
ここから手で紡ぐと均一でない味わいのある糸になるようです。
一方、機械で紡ぐとこのように均一な糸になるようです。
とはいえ、3ミリのチビちゃんたちを見るとゴールはまだ遠そうです。
紙芝居作り
紙芝居っていいですよね〜。自分で作った世界に一つだけの紙芝居なんて、なんだかワクワクします。
そして紙芝居の発表は?
目指すは大道芸での披露だということです。
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他にも、凧作りや化石採取も計画しているようです。
ひとつのプロジェクトを最初から最後まで丁寧にやる。そして記録を取るということも小島さんが大切にしていることのようです。
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敷地
裏庭の竹藪です。
竹藪を下ると小川が流れているそうです。
すばらしい環境です!
そして畑での野菜作りもあります。
畑の向こうに見える山の一部も小嶋さん所有の山なのでキャンプもできるようです。
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- みどりと清流のふるさと創造委員会 会長
- 飯山白龍の舞保存会 会長
- ロータリークラブ
- 各種非常勤講師
と、他にもたくさんのお役目をお持ちの小嶋さん。昨年教師を定年退職され、歳を重ねることでたしかに体力は落ちるが意欲はどんどん湧いてくると少年のように目を輝かせながら、これからやってみたいことのお話をたくさんしてくださいました。好奇心は尽きることがないようです。まさに無尽蔵!
ゆったりと流れる時間を丁寧に使いながら心を満たす現実的なチャレンジを続ける。ここには人間らしい理想の暮らしがあるように思いました。