【小諸市】浅間山麓の秋 旅する蝶が舞うシークレットガーデンへ
9月下旬、透き通るような秋空の下、小諸市糠地のバタフライガーデンを訪れました。
浅間サンラインを上田から軽井沢方面へ進み、新家の信号を左に折れて少し登ると、明るくひらけた糠地の集落に出ます。標高800メートルを超えるこの地からは、八ヶ岳や北アルプス、天気の良い日には富士山も遠望できます。
今回、案内してくれた仲野厚司(なかのあつし)さんは、この景色に一目惚れして、都心から奥様と共に糠地へ移住されました。
-糠地郷バタフライガーデン
集落の一角にあるイングリッシュ風ガーデンで、出迎えてくれたのが風にゆれるコスモスと秋の花々。
知らなければたどり着けない秘密の花園では、咲き誇る花々の間を、優雅に舞う蝶たちの姿がありました。
「いましたよ」と仲野さんが教えてくれたのが、海を越えて旅する蝶アサギマダラです。
花の蜜を吸い、風に乗って舞う様子は遊んでいるようにも見えました。
-蝶の保護活動
バタフライガーデンを管理するのは、この地で40年以上にわたり蝶の研究をしている宮坂繁(みやさかしげる)さんです。「勉強が嫌いだった」と照れる宮坂さんは、子供の頃から身近な自然に興味を持ち、特に蝶に魅了されました。
かつての糠地では、絶滅が危惧されるミヤマシジミも多く見られたそうです。
蝶の幼虫に必要な植物を守るため、宮坂さんは毎日欠かさずガーデンの世話をし、地域の人々もボランティアとして手助けしています。
-広がる保護の輪
蝶の保護活動は地域一帯に広がり、ガーデンの近くにあるテールドシエルワイナリーでもアサギマダラの好物であるフジバカマを植樹し、保護に取り組んでいます。
「長い旅に出る前に、ここでたっぷり蜜を吸っていってほしい」と語るオーナーのご夫人。
テールドシエルワイナリーからは、足元に広がるヴィンヤードと咲き誇るフジバカマ、そして風のない穏やかな日には青空を乱舞するアサギマダラの姿を見ることができます。
ーいかがでしたか
今では、アサギマダラやミヤマシジミなど40種類以上の蝶が飛来するようになったバタフライガーデン。
宮坂さんと歩いていると、葉陰に隠れる幼虫たちの存在に気が付きます。
美しい蝶の姿を知ると「ケムシが殺せなくなるよ」という宮坂さんの言葉が胸に響きました。
豊かな自然と、それを守る人々が暮らす小諸市糠地。
蝶の乱舞が見られるのは例年10月初旬まで。風の穏やかな天気の良い日が狙い目です。
糠地郷バタフライガーデン
住所:長野県小諸市滋野甲4162ロ号-71
入場:無料(資料館は有料)
※ 駐車スペースには限りがあります
※ 訪問の時間帯など近隣へのご配慮をお願いします
車でのアクセス)
上信越自動車道 小諸ICから約3km
電車でのアクセス)
しなの鉄道小諸駅から約6km
取材協力:宮坂繁様、仲野厚司様、テールドシエル様
美しい景色を見せていただきありがとうございました