陸上自衛隊の独自予報公表を気象庁が注意。問題点は?
陸上自衛隊が独自の天気予報を公表し、気象庁から注意を受けたと、朝日新聞が報じました。
気象庁によると、正式な注意というよりは、口頭説明くらいとのことですが、指摘したのは事実だそうです。
無許可で独自の予報をしたとしても、内々に伝えるだけなら問題はありませんので、今回は「外に向けて」ということが問題視されたのでしょう。
法律順守ということに異論はありません。
ただ、今回のケースがNGなら、たとえば、寒試し(寒の内の約1か月間の天候推移を、その1年と重ね天候を予測する古来からの方法)で、地域の農家に広く知らせたり、それを地方紙などが「○○さんによると、今年の夏は…」などと報じているのは?
これも統計的手法による長期予報で、それを無許可で公表しているという点では変わりません。
また、ネット上に無数にアップされている、無許可の独自予報(的なもの)は?
全部に注意をするのは現実的に難しいと思いますが、となると、「注意」の対象はどうやって選ばれるのか、疑問となってきます。
気象庁の「引き締め」に一定の理解はしますが、それに比べると、「活かす」ことの力の入れ方に物足りなさを感じます。
現在、気象予報士は約9000人も合格しています。ただ、気象業務法の下で行われる試験に合格後、気象庁から気象予報士に資格を活用することを後押しするようなコンタクトは、ほとんどありません。
気象庁の発表する防災情報を、地元密着的な情報として噛み砕いて伝えるなど、人数や技能を活かすことで、防災・減災に資することは、いくつもあるはずです。