キャンプ場の土地探しは顧客ターゲットを決めて探すべし#3
キャンプ場経営を考えて土地を探す上で私たちがどんなところを意識して選んでいたのかを今回は書いていこうと思います。何を求めるかは人それぞれですのでどれが正解とかはありませんが、少しでも参考になればいいなぁと思います。
私たちが優先した土地探しのポイントは以下になります。
- 車で15分圏内にコンビニ・スーパー・入浴施設がある
- 周辺に観光施設がある
- ホームセンターが近い
- インターが近くて都心からのアクセスが良い
- 険しい山道(林道)ではない
- 雪が積もらない
- ハザードマップに該当しない
- 平坦だけではなく斜面や木がある
- 民家が近くにない
- 土地の雰囲気が明るくジメジメしていない
特に旦那さんが口を酸っぱくして言っていたのが、入浴施設や買い出しできる場所が近くにあるかどうかでした。キャンプ場から「富士山が見える」、「湖がある」など特別な魅力があるのであれば多少離れていてもいいのですが、そうでない土地の場合この2点はお客さんがキャンプ場を選ぶ際に重要視する部分ではないでしょうか。
また、ブッシュクラフトが流行っている今、温泉施設やスーパーから遠い山奥の土地もある程度のニーズはあると思います。ただ、キャンプ人口からしてみれば少しニッチなニーズと言えるでしょう。
やはり温泉に入りに行く事が可能で、買い出しを忘れた時には近くのスーパーに買いに行ける距離にキャンプ場があるにこしたことはありません。
わざわざ山を購入してこれから経営していく…という方はマネタイズが出来るターゲットが好む土地を選ぶ必要があります。
マネタイズ出来るターゲット、それは「初心者キャンパーさん」です。自分で全てキャンプギアを揃えていて、サイト代+駐車場代だけを頂ける場合と、テントや焚火台などのレンタル料を追加で頂ける場合では経営に差が出てきます。
自ら土地を購入して、銀行や公庫などに返済をしながら経営していくのであれば、そういった部分も考えながら土地探しをする必要があると思います。
◆土地の種類
続いて土地の種類についてお話ししておきます。
同じ山林物件のようにみえても細かく土地が分けられていて《市街化調整区域》《農地》となっている場所は基本的に建物が建てられません。
不動産屋さんの情報に「キャンプ場に最適」と書かれていたので問い合わせをしてみると、
「市街化調整区域に該当する為、建物は建てられません。ネットには書いていますが実際にはキャンプ場としては向いてないと思います。」
と断られたこともあります。
また、《農地》は農地転用や申請を出せば許可が下りる場合もあるそうですが、田畑を潰してまでやりたくはないので私たちはパスしてきました。
そこで私たちがまず確認するようになったのは《都市計画区域外》であるかどうかでした。(短く《区域外》と表記しているサイトもあります)
《都市計画区域外》は土地利用に関する規制が市街化区域よりは緩やかになるので建物が建てられます。ただ、水道や電気などのインフラがきてないことも多いので確認が必要になります。
他にも《国土利用計画法》《森林法》などがあり、少し手を加えるだけの伐採や開拓にも申請が必要な場合があります。
普通に市街地に家を建てるのとは違い、細かいことまで申請をしていかないといけないようです。これは管轄する自治体によっても変わってくることなので、厳しい場所では専門家を頼ってみてもいいかもしれません。当たり前ですが好き勝手に伐採したり地形を変える様な行為は私有地でもできません。申請や届出が必須です。
このように土地の種類やマネタイズ出来るターゲットが好む場所などを考えると土地を探すポイントは複雑に絡んできます。完璧に理想通りな土地に巡りあえない事の方が多いかと思います。
そこで大切なのが発想の転換、想像力です。理想通りの物件を見つけるのは難しいので、土地を活かした構想に変えていけばいいのです。
今私たちが一番狙っている物件は、周辺環境はほぼ理想通りですが、物件自体がなかなか問題ありでした。
というのも、土地そのものは斜面ばかりでほぼ平坦がありません。おそらく整地するにしても膨大なお金が掛かりますし、斜面を削り過ぎてしまえば崩れてくる危険性もあります。
ならばこの土地の形状を活かしたキャンプ場にしようと考えを改めました。後日「斜面を活かせ!平坦ばかりがキャンプ場ではない!」という記事でも書こうと思います!
KAGARIBI ゆか