南部鉄器の鉄瓶で珈琲を淹れる#58
山暮らしを始めて、ずっと興味があった「鉄瓶」を購入しました。
火鉢で炭を起こしながら、お湯を沸かす。そのお湯で珈琲を淹れてみたい。田舎暮らしを始めた人はちょっと憧れませんか。
購入したのは岩鋳(IWACHU)の5型 新アラレという急須も併用して使える鉄瓶です。容量は0.65リットル。IH非対応。
1. 鉄瓶は鉄分補給に最適!
嫁さんが重めの貧血持ちのため、鉄瓶を使うことで貧血予防にもなるということで購入を決めました。
よく「ひじきを食べると貧血に良い」と言われていますが、実はひじき自体に鉄分が多い訳ではないそうです。
昔はひじきなど食材を鉄鍋で煮ていたため、溶け出した鉄によって知らず知らず鉄分が補給できて貧血の予防に役立っていたんですね。
今の生活スタイルはステンレス鍋に代わり、鉄鍋や鉄瓶を使うことがなくなってきたことから鉄分不足の方も多いのだとか。
2. 鉄瓶は育てるべし!
鉄瓶から鉄が溶け出し、味がまろやかになることから「鉄瓶で沸かしたお湯は美味しい」と言われています。
とはいえ、購入してすぐにそのまろやかさを味わえる訳ではありません。
コツコツと鉄瓶を育てていくことが必要になります。
初めて鉄瓶を使用する際には「ならし」という作業が必要。
- 本体を軽くすすぐ
- 水を八分目まで入れて中火で沸騰させ、そのお湯を捨てる
- 2〜3回繰り返す
こうすることでお湯が透明かつまろやかになってくるそうです。
「ならし」作業を終えたら、あとはとにかく使い続けます。
1年から1年半ほどで鉄瓶の内側に白い湯あかがついてきて、お湯が柔らかな味わいになってきます。
ちなみにこの湯あかは洗ったり、指で触ったりせず大事に育てていくことが大事。
使用後は鉄瓶がまだ熱いうちにかたく絞ったふきんで表面を軽く拭くことで、鉄瓶の表面に艶も出せるとか。
時間はかかりますが、愛着が湧くアイテムになっていきますね。
3. 鉄瓶で珈琲を淹れてみる
購入してからまだ日も浅いのでしっかりとした湯あかがついていませんが、まず珈琲を淹れてみました。
蓋を外して注ぐと湯気が熱いので、両手で布巾を使った方が注ぎやすかったです。
鉄瓶でお湯を沸かす時は中火を意識して、時間のある時は火鉢で、普段はコンロで沸かしています。
沸かしている間は吹きこぼれ防止のために鉄瓶の蓋を少しだけ空けておくのが良いです。カタカタとお湯が沸くと蓋が鳴るのがなんともいい感じです。
また、沸かしたお湯は必ず使い切るか、残るようなら他の器に移します。お湯を入れたままや、水がついたままだとサビてしまうので注意。
とはいえ、鉄瓶本体は熱々なので水滴くらいなら放っておけばすぐに乾いてしまいます。蓋だけ軽く拭いて、手で触れるようになるまで置いて乾かしてから仕舞うようにしています。
肝心の珈琲の味はどうかというと、まだ使い始めたばかり…。気持ちの面でまろやかになっている感はしますが、実際のところどうなんでしょうね(笑)
1年後に白湯を飲んでみるとその違いに気付くかも知れません。今後の楽しみにしていきたいと思います。
手入れは少し面倒といえば面倒ですが、鉄分補給と、愛着の持てるアイテムとして今後も大切に使っていきたいと思います。
KAGARIBI けい