撮影時のピースサインは滅ぶのか?
KNNポール神田です!
2040万ピクセルの市販のデジタルカメラであれば3メートル離れた場所からでも認識が可能だったという。すると顔写真とピースサインをしている人物が特定できていれば、3Dプリンタなどで偽装指を造って違法アクセスすることすら可能となる可能性が出てくる。一番、身近だとピースサインをしている彼氏や彼氏の写真から指紋を割り出し、その指紋でケータイにアクセスを試みるなんてことも日常で起きうるかもしれない。
パスワードの危険性はなんども警鐘され続け、その先の「明るいミライ」としての生指紋認証にまで疑問視されることになるとは…。いや、もっと高度化してくると顔写真から目の虹彩まで解読されるなんてこともありがちないとも限らない。さらに、今度は、ピースサインを裏側にしてみると、今度はイギリスでは、中指を立てるのと同じ意味で侮辱しているとかの議論が起きるだろう。…かといって全員がヘビメタバンドのように悪魔サインのメロイック・サイン(コルナ)で記念撮影するのも無理がある…。むしろ、指紋を判読できたとしても、ここから違法アクセスに及ぶ人と狙われる人の比率の問題だが、このニュースの件で、写真でピースサインをする人が、2017年あたりから急激にいなくなったりするのではないだろうか?
撮影時のピースサイン
そもそも「ピースサイン」は、1970年あたりから写真撮影は「チーズ」と「ピース」が当たり前。カメラの前での「笑顔」と「手持ち無沙汰」を解消してきてくれた。コニカの井上順さんのコマーシャルあたりからピースサインはやっている。この頃から日本人と写真のピースサインの相性はとてもよい。しかもジェネレーションを超えて愛用されてきた。ネット時代になってもそうだ。
画像SNSのInstagramで「#ピース」で検索すると7.5万件ヒットする。
安倍総理のピースサインもネットで簡単にみつけられる
ネットの画像検索は便利だ。安倍総理のピースサイン画像も、「勝利を意味するVサイン」や、「芸人と一緒に愉しむポーズ」などが簡単に見つかる。オバマにトランプもピースサインならばすぐに発見できる。解像度の問題で重要なことにはならないが、今後、世界の要人のピースサインは見かけることが少なくなりそうだ。
新たなセキュリティへの課題
「ただちに影響を及ぼすわけではない…」という言葉は安心なようで全く安心できない言葉だった。今回のピースサイン画像から指紋認証へのアクセスが可能というニュースは、指紋認証でのセキュリテイ業界へ震撼を与えたのではなく、新たなビジネスチャンスを生んでいると思う。セキュリティ業界が活性化すればするほど、我々のアクセスしやすさは、反対に面倒になるばかりだ。せっかくの指紋認証アクセスで、簡単になりはじめたばかりなのに、新たな生体認証と複雑にあわせるようなアクセス手段が求められるような気がしてならない。
セキュリティが堅牢でなくても、犯罪や被害に合わない社会のほうを目指してほしい。いくらセキュリティが堅牢であっても、使いずらいのでは意味がない。家にカギをかけない筆者があまりセキュリティを語る資格はないが…。