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【河内長野市】南花台の移送サービス「クルクル」に土曜日定時運行コースが追加。さっそく試乗してきました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野だけの話ではありませんが、日本は少子高齢化の問題に加え、高齢者の運転が原因による事故があり、現在高齢者に免許返納を勧めています。

しかし、免許を返納したくても家までの移動手段がないと不安で返納できません。たとえバスがあったとしても、買い物等で荷物が多いと、バス停からの往復も大変です。そんな中、南花台では「クルクル」という移送サービスが実験的に運行されています。

南花台モビリティ「クルクル」(外部リンク)についておさらいすると、河内長野市、大阪府、河内長野市社会福祉協議会、南花台自治協議会などが連携して実施している移送サービス(福祉輸送)のことです。

これは自宅から目的地までのドア・ツー・ドアの移動を提供するSTS(スペシャル・トランスポート・サービス)です。

また道路交通法の関係で低速電動カートが最高時速19キロ以下の走行と定められています。(20キロを超えるとシートベルトが必要なため)

クルクルは、毎週月・木曜日に行われる乗降ポイント間の送迎(オンデマンド運行)と毎週土曜日に行われる「定時ルート」と呼ばれる2種類があり、前者がタクシーで後者がバスのようなイメージです。

運行開始当初は、AルートとBルートだけでしたが、先週の土曜日3月11日から新たにCルートとDルートが追加されました。その情報をキャッチし、前からとても気になっていたので、初日に試乗してきました。

場所は南花台3丁目南にある南花台ショッピングセンターの屋上です。

クルクルはお稽古事や通院、趣味や地域活動あるいはバス停までの移動などの用途に使えるように設定していますが、最も大きな目的はショッピングセンターでの買い物です。

実際のところ、買い物を済ませて重い荷物を歩いて帰るのには一苦労します。そこでクルクルを使って自宅まで運んでもらえるのは大変ありがたいこと。

コノミヤが中心となっている南花台ショッピングセンターの屋上は駐車場となっていて、そこがクルクルの定時運行の拠点となっています。

二階建ての建物の屋上になりますが、このようにエレベーターがあるので荷物があっても安心ですね。

屋上に上がってきました。

屋上からは南花台が一望できます。あそこに見えるのは、2025(令和7)年の完成を予定とした、サッカースタジアムの工事現場ですね。

そんな屋上の一角に止まっているのが電動ゴルフカートを改造したクルクル。製造メーカーはヤマハ発動機(外部リンク)です。

黄色の1号車と緑の2号車があり、性能はどちらも同じとのこと。1号車は定時走行のA,Bコースを、2号車はC,Dルートを走るそうです。

クルクルは低速で運行するカートですが、大きな特徴として自動運転の機能がついています。

この中に磁気を感知するセンサーがある
この中に磁気を感知するセンサーがある

これは電磁誘導線と呼ばれるものがルート上にある道路の下に敷いてあり、電磁誘導線から出る磁気をクルクルのセンサーが感知して読み取るシステムです。

電磁誘導線は道路状にある黒い筋で、ルートにそって張り巡らされています。これは、大掛かりな工事をせずとも道路に傷をつけることで、設置が可能とのことでした。

また電磁誘導線の横に黒っぽい丸がありますが、ここには信号機を感知するなどの様々なな情報が埋め込められています。クルクルがこの中の情報を感知することで自動運転が可能となっているわけです。

こちらが座席です。先頭には運転手と添乗員の2名が乗車します。2列目と3列目に3人ずつ乗れるので、乗れる人の定員は6名までとなっています。

車の上側にカメラがついています。このカメラで前方の180度の様子を感知します。

前方のほかにも、このようにサイドにもカメラがついています。クルクルの運転はドライバーが行いますが、走行中、人や物などあらゆる角度に走行の妨げになるような障害物を感知できるように、カメラで監視しています。

将来的には電磁誘導線も使わず自動運転ができるような構想があるそうで、あくまで現時点では実験走行となっています。そのため、土曜日の定時運行に関しては、現在無料で乗車可能です(月曜日・木曜日のオンデマンド走行は1回ひとり100円です)

後部座席を見ると、このようなプラグがあります。これは充電するときに使用するもの。充電は屋上にありますが、この電気代は、ありがたいことに南花台ショッピングセンターのコノミヤさんが無償で提供してくれているのだそうです。

特別に後部座席の中を見せてもらいました。真ん中にバッテリーがあり、これによりクルクルが運行できるわけですね。

クルクルはあくまで自宅のすぐ前まで移動できるサービスのため、バス以上に細かい乗降ポイント(約300か所)が設置されています。

その場所の電信柱に印の看板が設置されているのですが、ひとつひとつに番号が付けられています。この番号は適当につけているのではなく、この番号でどの場所なのかわかるようになっています。特にオンデマンド運行の際には威力を発揮しています。

さて、いよいよこの日の定時運行が始まります。

初日に乗ったことはラッキーでした。この日限定でエコバックをもらえたからです。

いよいよクルクルが動き出しました。クルクルにはドライバーと添乗員の2名が乗りますが、この人たちはボランティアです。

クルクルは地域(南花台)の移動サービスなので、できるだけ地域に住んでいる人が支えあう仕組みのためにそうなっています。ドライバー、添乗員のほか、予約受付や広報の人など、いろんな運営ボランティアの仕事があり、現在もボランティアを募集しています。

興味のある方は河内長野市社会福祉協議会(0721-65-0133)に問い合わせてみましょう。

いよいよこの日の運行時間が迫ってきました。運営ボランティアの方々が車の事前点検や消毒を終えたあと、いよいよ運行がスタートします。

クルクルは10時から13時台まで、それぞれのルートを4回巡回します。Aルートは毎時0分、Bルートは毎時30分、Cルートは毎時05分、そしてDルートは毎時40分に出発します。

今回私は、新しく誕生したCルートとDルートに乗ってみようと思いました。

Cルートは2号機です。これはちょうど乗り込んだところを撮影しました。

運転席はこうなっています。自動運転ができるクルクルだからこその機能があります。

ハンドルから見て左下に切り替えボタンがあります。これは自動運転の定時運行時にクルクルのルートを切り替えるものです。

その右側、鍵がかかっているところですが、左からOFF、ON、自動と切り替えられます。ここで自動にすると自動運転が可能になります。

この日は天気も良く気温が上昇したこともあり、カートを覆っていたビニールカバーを外しました。エアコンがないので夏場は開けておくと、運行中に風が入ってきて涼しいそうです。

冬場はこのビニールカバーがあるので寒さを感じずに済みます。また座席にも、体を冷やさないように暖房機能がついているそうです。

さてカート内を見るといろいろあります。天井についているのはスピーカーのようですね。

横上側を見るとこちらにもセンサーのカメラがありました。

緑の服を着ている方がドライバーさんで、赤い服の方が添乗員さんです。

10時5分の定刻時間になりました。クルクルのCルートがスタートします。

屋上の駐車場から下に降りるまでは手動で運転します。

ショッピングセンターから出てきました。

電磁誘導線のところに来ると自動運転に切り替わります。

このようにスイッチを切り替えます。

自動運転になってからは、手を放しても車は時速14キロで走行できます。信号で赤の場合はセンサーが感知しますが、ブレーキはあくまでドライバーが操作していました。

南花台公民館です。ここでひとりのお客さんが下車していきました。

自動運転中はこのように電磁誘導線沿いを運行していきます。

ところが電磁誘導線が敷かれていますが、住宅地であるので、配達や工事車両など、いろんな車が電磁誘導線の上に駐車してしまうことがあります。その際には手動に切り替えて、電磁誘導線の外に出て車の横を通過していきます。

バスの走るメインの道路は基本的に走りませんが、一部の区間でバス道と重なっているところがあります。このように、三日市町駅から南花台を縦断して大矢船や南ヶ丘方面に向かうバスと遭遇する場合があります。

途中で赤ちゃん連れのファミリーが乗車してきました。そして添乗員の人が「何か月ですか?」などと、気さくに話しかけていました。

クルクルの場合は単なる移動手段というだけでなく、こうやって地域の人とのコミュニケーションも重視している点が大きいですね。

そういえばクルクルに携わっている人の多くは顔見知りという感じで、南花台がアットホームな街のような気がしました。

ティーズコーヒーさんの前を通過していきます。ここまで来ればショッピングセンターはすぐそこ。

ショッピングセンターに戻ってきました。

こうして無事にCルートの乗車を終えました。

2号機はこの後Dルートを走行します。当初はこのルートに乗ろうかと思いましたが、多くの人が待っていることもあったので席を譲りました。

その代わり、1号機のAルートに乗ることにしました。

基本はCルートに乗った時と同じで、最初はこのように手動で動かしていますが、

途中から自動運転になり、そこからは電磁誘導線に従ってクルクルは運行していきます。

このように自動運転になれば、ドライバーが手を離した状態でも勝手にクルクルは動きます。

よりわかりやすいように動画も撮影してみました。

Aルートは南花台に設定されているほかのルートよりも景色が良いそうです。ここは小学校跡地にできた錦秀会看護専門学校ですが、その隣のサッカー場は土日は一般に開放しているのだそうでです。

こちら南集会所前ですが、このように目の前の電信柱にクルクルの乗降ポイントがわかるように看板がついています。

ちょうど梅の花が満開の時期だったようです。

これは南花台の西側です。南花台の下の高向(たこう)の様子が見えます。

ということでAルートも堪能しました。自動運転で時速14キロと聞いたので、遅いのかなと思いましたが、思ったほど遅くは感じませんでした。

乗った感覚としては、速度は違うものの、タイにあるオート三輪タクシーの「トゥクトゥク」やフィリピンのミニバス「ジープニー」に似ているような気がしました。

ということで、南花台のクルクルに実際に乗車してみましたが、非常に楽しいひとときでした。

これまでは土曜日の定時運行が週あたり30人(オンデマンドは100人)程度の乗車で、すでに定着傾向にあるようですが、新しいコースが設定されたことでより多くの利用者が増えるような気がしました。

南花台ショッピングセンター屋上(クルクルメイン乗車口)
住所:大阪府河内長野市南花台3丁目6-10
アクセス:南海三日市町駅からバス 南花台三丁目南バス停から徒歩3分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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