コンビニ店舗数の現状をさぐる(2020年12月時点)
多彩で便利な総合商店ことコンビニエンスストア(コンビニ)。そのコンビニは現時点で日本国内には何店ほどあるのだろうか。コンビニ経営各社や業界団体の公開資料を基に、現状を確認する。
まずは全体としてのコンビニ店舗数の実情。これは年度ベースで業界団体の日本フランチャイズチェーン協会が公開している資料を基にしている。
取得可能な最古の値である1983年度では6308店。これが少しずつ増加し(1987年度に一度落ちているのは、他の業態との区分で調整が行われたのが原因らしい。フランチャイズチェーン全体数は漸増のまま)、今世紀に入ってからは増加度合いがやや緩やかになったものの、2010年度あたりから再び増加度合いが加速。2012年度には節目となる5万店を突破した。直近の2018年度(2019年3月末)では5万8340店となっている。
なお本来なら2020年9月に2019年度の値が公開されたはずだが、協会側発表によると新型コロナウイルスの影響で調査対象企業からの回答率が低くなることが予想されるため、2019年度分については調査発表を中止したとのことである。
続いて直近となる2020年12月時点での主要コンビニの店舗数。チェーン店によっては年次ベースでのみの店数公開もあるため、グラフには現時点で取得できる最新値を適用している。また、最近鉄道駅などで見かけるようになったミニスタイルのコンビニや、他業者・グループ内他社との合弁的店舗(ファミリーマートにおけるTOMONYが好例)なども原則的に加算されている。
ちなみに2018年11月時点で店舗数ゼロが確認されたサークルKサンクス(ファミリーマートへの転換終了のため)は今グラフからは除外している。またファミリーマートについてはプロパー(直営)店舗に加えAFC(エリアフランチャイズ)も加えている。
もっとも店数が多いのはセブン-イレブンで2万981店。2018年1月末時点で2万店突破を公知している。次いでファミリーマートの1万6663店、ローソンの1万4520店。ファミリーマートとローソンは少し前まで店舗数の順位が逆だったが、ファミリーマートとユニーとの統合により、サークルKサンクスがファミリーマートに転換したため、順位が入れ替わる事態が生じることとなった。現状ではこの3フランチャイズが、日本におけるコンビニの御三家と見てよいだろう。
余談ではあるが時系列が取得可能な5チェーン店における、店舗数の推移が次のグラフとなる。
上位3チェーンの店舗数増加具合はほぼ同じようなものだったが、ローソンがいくぶん緩やかな増加だったのに加え、ファミリーマートとユニーとの統合によりサークルKサンクスが急速に値を落とし、それに伴いファミリーマートが急増してローソンを追い越した状況がよく分かる形となっている。
昨今では病院や大学、駅などの公的な場所へのコンビニ(ミニサイズのものも含む)もしばしば目に留まるようになった。利用する人には便利に違いなく、その場所を管理する側にも利用者への利便性の向上を提供できるためにプラスとなり、フランチャイズチェーン側も商域の拡大や店舗数の増加に伴いスケールメリットを得られることになるため、積極的な展開が行われている。
しかし昨今では人手不足や商圏の重複などによる店舗あたりの売上の減少など、単純な店舗数拡大をよしとしない問題が生じているのも否定できない。セブン-イレブンでは不採算店の整理のために1000店舗ほどの店舗の閉鎖や移転を進めるとの方針を打ち出している。他チェーン店も同様の動きを見せることは容易に想像できる。また最近では大手3社の店舗数が飽和状態なのか、横ばいに近い動きを示しているのも目に留まる(今回月では前回月比でセブン-イレブンがプラス8店舗、ファミリーマートがプラス7店舗、ローソンがプラス17店舗)。
今後大手コンビニチェーン店の店舗数がどのような動きを見せるのか、気になるところではある。
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