先月29日に開幕した「アイススレッジホッケー世界選手権（Bプール）」は、大会二日目を戦い終えて、日本とチェコの決勝進出が確定。これによって、明後日のメダルラウンド（３位決定戦・決勝戦）の対戦カードが下記のとおりになりました）

明日の第２試合で勝ったチームがリーグ戦１位となり、決勝戦のホームアドバンテージ（＝選手交代の際に相手チームの顔ぶれを見てから、プレーする選手を決められる）を得ることができますが、ここまで日本は２試合を戦って「１失点」。一方、チェコは「２試合連続完封勝利」と、ともにディフェンス力が光っています。

さらに加えて、10月にチェコで開催された国際大会で顔を合わせた際も、1-0のスコアでチェコが勝利したとあって、今大会でもロースコアの接戦が予想されます。

▼スレッジホッケーを始めて３か月後に日本代表のメンバーに

大一番に挑む日本の中で期待が集まるのは、初戦の２ゴールに続いて、昨夜のイギリス戦では５得点と大暴れした熊谷昌治（くまがいまさはる・41歳）。

スレッジホッケーとの出会いは、長野、ソルトレイク、トリノ、バンクーバーと、パラリンピック４回出場の経験を誇る吉川守（46歳）が、新しい選手を勧誘するため、車イスバスケットの会場へ足を運んだ際に、声を掛けられたこと。

これが人生の転機となり、すぐさま頭角を現した熊谷は、スレッジホッケーと出会ってから、わずか３か月で日本代表メンバーに選出。

「（吉川に）銀メダルを見せてもらったのが、スレッジホッケーをやろうと思った一番の決め手でした。バイクの事故を起こした時（右下肢切断）は目の前が真っ暗になりましたけれど、前向きな気持ちで、ソチを目指します！」

こう意気込んでいたものの予選で敗退し、ソチパラリンピックには出場できなかっただけに、意気込みは強い様子。スレッジホッケー選手になって以来、抱き続けている “６年越しの宿願” を叶えるべく、明日と明後日もパックを追います。

「2016・IPCアイススレッジホッケー世界選手権（Bプール）」は、明日、明後日の試合も、苫小牧市の白鳥王子アイスアリーナで開催されます。

（全試合入場無料。会場へのアクセスはこちら）

尚、日本代表も含め、世界のアイススレッジホッケーの歩みや現状などについては、筆者の当サイトに掲載した先月25日付の記事をご覧ください。