今年のプライムデーは伸び大幅低下とバンカメ指摘、GAFA対象の独禁法改正案が下院司法委で可決
筆者が注目した海外発最新テクノロジーニュース2本をダイジェストで
[1]プライムデー、今年は伸び大幅低下 バンカメ指摘
米バンク・オブ・アメリカによると、米アマゾン・ドット・コムが6月22日までの2日間実施した今年の大型セール「プライムデー」は、販売額の伸びが大幅に低下した。昨年の同セールとの期間が8カ月と短かったことが理由の1つだと分析している。米CNBCが6月24日に報じた。
アナリストの推計によると2021年のプライムデーにおけるGMV(流通取引総額)は95億5000万ドル(約1兆600億円)。20年のプライムデーから7%の伸びにとどまった。20年は前年比54%増と大幅増を記録していた。
プライムデーは15年から毎年7月に開催していたが、20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で10月13〜14日に開催した。前年との期間が15カ月と長く、繰延需要が販売を押し上げた可能性がある。
一方、21年は米国や日本、英国など20カ国で開催。カナダとインドは新型コロナの影響が拡大しているとの理由で延期した。米投資銀行パイパー・サンドラーのアナリストは、「プライムデーは今年も好業績だった。2カ国で開催しなかったことを考えるとなおさら注目に値する」と述べている。
[2]GAFAなど対象の反トラスト法改正案、米下院司法委で可決
米議会下院の司法委員会が6本の反トラスト法(独占禁止法)改正案を可決したと、米ウォール・ストリート・ジャーナルや米CNBCなどが6月24日に報じた。
下院司法委の超党派議員らは6月11日に米グーグル、米アマゾン・ドット・コム、米フェイスブック、米アップルのいわゆる「GAFA」を念頭に置いた反トラスト法改正案を提出しており、これを2日間計23時間かけて審議し同24日にすべて可決した。
うち2本は、プラットフォーム上で利益相反となる事業を保有することを禁じる「プラットフォーム独占終了法」と自社製品・サービスを優遇することを禁じる「オンラインにおける米国人の選択と技術革新法」。
議員らはアマゾンやアップルがそれぞれ出品者や開発者向けプラットフォームを運営しながら、自社の商品やアプリを販売・提供していることを問題視している。法が成立すれば、独禁当局が企業分割しやすくなるという。
このほか、M&A(合併・買収)で支払う手数料を引き上げる「合併手数料近代化法」や消費者が自身のデータを競合サービスに持ち運びしやすくする「サービス変更による互換性・競争促進法」も可決した。
ただ、これらの法案が下院を通過するには本会議でも可決する必要がある。野党・共和党では規制強化に慎重な意見も多い。与野党で意見が分かれており、成立は不透明だとウォール・ストリート・ジャーナルなどは報じている。