台風前にやっておきたいこと 「水のう」作り。洗濯機の排水口対策は忘れがち。行政の資料がわかりやすい
台風前の備えとして、浸水や逆流防止のために水のうを事前に作る方法があります。行政の資料でわかりやすいものがあるのでご紹介します。
水のうの作り方の説明がわかりやすく女性や高齢者に配慮している草加市役所の資料
草加市役所の「水のうで我が家を守ろう!」には、下記の記載があります。日常から多様な人に対して配慮があるのは嬉しいです。
トイレの逆流防止と忘れがちなのは、洗濯機の排水口
トイレやお風呂の逆流防止は実施しても、忘れがちなのが、洗濯機の排水口対策です。ここからも逆流してきます。
また、トイレの逆流防止をした場合には、そのトイレが使えなくなるので、災害用トイレを設置する必要があります。
水のうの作り方は鈴鹿市防災危機管理課作成動画をチェック
水のうの作り方は、鈴鹿市防災危機管理課が作成した動画がわかりやすいです。板を使って止水板にする方法も動画にあります。
ダンボールを使えば移動も楽で強固に
ダンボールを使えば、移動しやすくより強固な止水版になります。ダンボールをテープで止めるのもポイントです。
ダンボールに防水シートをかけると、より安心です。ただし、製品化されている止水シートよりも防水性は劣る場合があるので、あくまで応急的なものです。
都市部では、半地下や地下室への浸水被害が問題になっています
近年の豪雨で、都市部では半地下や地下室への浸水被害が問題になっています。水のう対策の他、浸水で扉が開けにくくなる事や、排水ポンプの設置についても記載されています。
地下施設がある場合は、排水ポンプ設置が義務付けられているケースもあるので、自治体HPなどをご確認ください。
今まで被害がなかった地域ほど対策を知らないので、被害が拡大しやすい
上記の対策が記載されている自治体もありますが、今まで被災したことのない地域には、このような備えの知恵が伝わっていないことがあります。想定外の事態も起こっている近年なので、すべての人に知っておいてほしい内容です。ネットでも水のう情報は出ていますが、行政情報は正確なうえに、わかりやすいものもあるので、ご活用いただければと思います。
危険な場合は避難が原則
ただし、水のうでも、土のうでも、浸水が深くなると、水圧が強くなり、逆流防止は簡単に突破して溢れてきます。危険な場所からは事前の避難が一番の対策になります。
避難場所が浸水区域にある場合、いつもは避難場所として指定されている最寄りの学校が避難場所として開放されていない場合があります。あらかじめ自治体HPを確認してください。自治体で講演するとき、この部分をみなさんに伝えてほしいというリクエストがある部分です。ハザードマップの見方と落とし穴については8月28日から不動産取引時に水害リスクの説明が必須に!ハザードマップを読む際の落とし穴に注意をでも記事にしています。
*2020年9月12日追記 以下2点追記します。
*実際に水のうで水の侵入を止めた方から、使用するダンボールは2Lペットボトル入りのものだと 取手がついているので、扱いやすいというお声をいただきました。ナイスアイデアですね。
*水のうはあくまでも家庭にある簡易的な対策にすぎません。土のうよりも早く浮いてしまいます。手軽さは欠点にもつながります。ダンボールに入れると高さは出せますが、ドアとの間に隙間ができる可能性もあります。ブルーシートもないほうがダンボールが水に濡れたり、水を吸ってくれてより効果的になるケースもあります。逆にあったほうが、より侵入をふせいだケースもお聞きしています。いずれも諸条件や運に作用される要素が大きいです。家庭にあるもので対策をする方法は、完璧な方法ではありません。あくまで臨時の対応です。次の台風まで余裕がある場合で、専用の製品を購入する、自宅を水害に強い家にする、住む場所を検討するなど、根本的な対応も必要です。水のうがあれば、台風対策は完璧というような誤解がないようお願いいたします。