苦手の広島戦、4連勝で終了!秋山の快投と9安打8得点の打線《阪神ファーム》
まず、お知らせを2つ。阪神ファームは17日のウエスタン広島戦を無事に消化したため、きょう18日は鳴尾浜で紅白戦が行われています。さらに19日も紅白戦の予定。この2試合で岩貞投手や二神投手らも登板するそうです。
また12日に右ひざを痛めた緒方選手は16日、大阪市内の病院で『右ひざ半月板のクリーニング術』を行い、無事に終了したと球団から発表がありました。12日の紅白戦前のシートノック中、クッションボールを処理した際に右ひざを捻ったものです。大学4年の7月に右ひざの前十字じん帯を手術していますが、そことは違う組織で同じケガではないとのこと。鳴尾浜で開始予定のリハビリ等については様子を見ての判断になります。緒方選手は「しっかり治して、一日でも早く復帰できるように頑張ります」と話していました。
ソフトバンクにM4点灯…のアシスト?
では、17日に鳴尾浜で行われたウエスタン広島戦の結果です。今季は苦戦した小鯉から、1回に森田選手の3点二塁打や黒瀬選手の3ランで一挙6点!加えて横田選手、原口選手にもホームランが出ています。投げては秋山投手が3回までパーフェクト、5回まで1安打無失点、結局は7回を79球で1失点という好投!リーグトップの飯田投手(ソ)に1差の8勝目を挙げました。これで広島戦は、最後に4連勝したものの9勝15敗2分けと大きく負け越して終了です。
なお広島が負けて、雁の巣で中日を下したソフトバンクに優勝へのマジックナンバーが点灯しました。今月5日からの阪神戦で3タテを食らった広島ですが、そのあとの直接対決3連戦を3つとも取るなど6連勝!一方のソフトバンクは4連敗するなど、マジック点灯どころか14日の時点ではゲーム差1まで迫られていたのです。でも17日にようやくマジックが出ました。早ければ19日にも、阪神(2001~2003年)しか達成していないリーグ最多の3連覇となります。
《ウエスタン公式戦》9月17日
阪神-広島 最終26回戦 (鳴尾浜)
広島 000 001 000 = 1
阪神 610 001 00X = 8
◆バッテリー
【阪神】○秋山(8勝7敗)-榎田-小嶋 / 藤井‐清水(8回~)
【広島】●今村(6勝2敗3S)(6回)-岩見(1回)-永川勝(1回) / 白濱-上村(5回~)
◆本塁打 黒瀬5号3ラン、横田6号ソロ、原口5号ソロ(今村)
◆二塁打 森田、庄司、岩本
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率
1]中:横田 (4-2-1 / 2-0 / 0 / 0) .221
2]左:俊介 (4-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .375
3]遊二:北條 (3-0-0 / 1-1 / 0 / 0) .249
4]一:森田 (3-1-3 / 0-0 / 0 / 0) .278
〃打:高山 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .237
〃遊:阪口 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .256
5]三:陽川 (4-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .245
6]指:原口 (4-3-1 / 0-0 / 0 / 0) .290
7]捕:藤井 (3-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .267
〃捕:清水 (1-0-0 / 1-0 / 0 / 0) .216
8]二一:黒瀬 (3-1-3 / 0-0 / 0 / 0) .242
9]右:中谷 (3-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .188
◆投手 (安-振-球/失-自/防御率) 最速キロ
秋山 7回 79球 (6-3-0 / 1-1 / 2.74) 146
榎田 1回 16球 (1-1-0 / 0-0 / 1.65) 142
小嶋 1回 16球 (1-2-0 / 0-0 / 3.83) 144
1回に今季1イニング最多の6得点!
まず攻撃です。1回に横田、俊介の連打と北條の四球で無死満塁として、4番の森田が右中間フェンスにワンバウンドで到達する、走者一掃のタイムリー二塁打!1死後に原口のサード内野安打、2死後に黒瀬が左中間へ第5号3ラン!5安打で6点を取りました。2回は先頭の横田がレフトへ第6号、6回にやはり先頭の原口がレフトへ第5号。他は3回に原口が右前打、6回に中谷が右前打で塁に出ただけですが、効率よく9安打で8得点を挙げています。
秋山は3回までパーフェクト。4回に2死から3番・土生の中前打(ピッチャー返しの打球、惜しくも捕れず)を許したものの、ここまでわずか39球!5回も三者凡退です。そして6回、先頭の庄司に初球を右中間二塁打され、上村の右前タイムリーで失点。下水流の三ゴロ併殺打のあと上本に中前打を許しますが、土生は中飛で1点止まり。7回は岩本と鈴木将の連打があったものの後続を断って無失点。連打の際、ライト中谷の好守備で一、二塁にとどめたのも奏功しましたね。
8回から清水がマスクをかぶり、榎田が登板。下水流の内野安打(サード陽川は届かず、ショート阪口がよく捕って投げるもセーフ)のみで無失点。9回は小嶋が、1死後に岩本を左翼線二塁打と暴投で三塁まで進めながらも、真っすぐとフォークで連続三振を奪って試合終了です。
秋山、大人のピッチンング
まず秋山投手のコメントから。「きょうは藤井さんがリズムよく引っ張ってくれたので、僕も思いきってどんどん投げ込めたのかなと。そんなに球種をコロコロ変えず、真っすぐで通したり。気持ち的に楽に投げられた。カットボールは真っすぐより少なめです。左が並んでいたので、その左打者のアウトコースとか」。3回までパーフエクトだったと振られ「最近そういうの多いですね」とニッコリ。土生選手に許した初安打は「(自分で)捕りにいったけど、思ったより緩かったんで…」と悔しそうでした。
7回で79球という、かなりの省エネ投球でした。「ブルペンで『5回まで思いきって投げて来い!』と言われていたんですけど、7回になりました。球数が少なかったからでしょうね」というように5回までは53球。それもこれも、先日から取り組んできた“打者のタイミングを外す”フォームが効果的だからでしょう。6回、失点したあと三ゴロ併殺打に仕留めたところは「セカンドゴロくらいと意識していた」と言います。
「全体的に、そんないい球じゃなくても内野ゴロになってたので、うまく体重移動して投げられているかなという感じです」。タイミングを変えての投球は「慣れてきたというより、いろいろ試そうとしてる。きょう藤井さんに、変化球のカウントで真っすぐ使ったりしてもらって、追い込んでからの変化球カウントの真っすぐが甘くなったんで、そのへんの“力を入れた時の精度”を意識して取り組みたい」とのこと。
久保投手コーチは「秋山、よかったでしょう?タイミングさえ外せば打たれない。一泊の“間”を短くしたり、長くしたり。軽く投げて145~6キロ出せる、それだけの能力があるからね。ベースになるものがあれば、タイミングを変えても崩れないし、試合中にもとへ戻すこともできる」と、きのうも途中で修正した点を評価しています。そして「真っすぐだけでいいやろ、今は。カットも要らない」と久保コーチ。ナイスピッチングでした。
森田の3点二塁打を呼んだ、北條の四球
彼らしい二塁打で、満塁の走者を一掃した森田選手ですが「四球のあとだったんで、真っすぐを打ちにいって、うまく拾えました」とコメントは短め。その四球を選んだ北條選手にも聞いています。「横田を待ってるんじゃないんですか?」。いえいえ、1回に無死満塁とチャンスを広げた北條選手ですよ。「そうなんですか。へえ~」と言いながら、嬉しそうに教えてくれた話。
「試合後のミーティングで、珍しく平田監督がほめてくれたんです。『(森田)一成の初球を打った二塁打もよかったけど、やっぱり北條の四球が大きかった』って」。そうでしょう?思った通り。「あそこはノーアウト一、二塁で、バントかなと思ったら打てのサインやった。おおーと思って、四球を選びました。ま、それだけかな~きょうは(笑)」。何をおっしゃいますやら、いい仕事ですよ。ニコニコしながら「監督にほめられた」と繰り返していました。
3ランの黒瀬、ソロを含む3安打の原口
相手に大きなダメージを与えた3ランの黒瀬選手。「多分スライダー。曲がりが少なかった気がします」。先日の紅白戦といい、バッティング好調ですね。「ちょっといいかな?とは思います。ホームランが出ているってことで。タイミングが合っていないとホームランは打てへんから、いいのかなと」。守備でも5回に美間選手の一、二塁間を抜けそうな打球に飛びついてナイススロー!1軍昇格はチームが決めること、と淡々と話しますがアピールは継続です。
次は原口選手。1回はサード内野安打、次が右前打、そして第5号ソロと3打席連続安打で、打率も.290と上昇しています。「ホームランは真っすぐです。手応えありましたね。2打席目(右前打)は追い込まれてから、しっかり対応できた。2ストライクから打てるかどうかが課題だったので、きょうはいい方が出ました。続けていきたいです。ホームランもフルカウントから打てたし。内野安打も、そういうヒットがなければどうなったかわからない。(自分も)乗っていけるきっかけになったと思います」と収穫は大きかった様子でした。
横田は初の1番でマルチ&6号!
最後は横田選手。会話のまま書いておきましょう。ホームランは?「真っすぐです」。甘いとこに来た?「甘かった、いや普通のボールです」。またレフトに打ちましたね。「真っすぐだけ狙っていって、あとはたまたまです」。レフトへ飛んだのも、ホームランになったのも狙ったわけじゃなく?「はい、たまたまです」。ホームランがもう6号ですよ。「あと2本くらい打ちたいですねえ。ヒットは1試合1本を続けていきたい。できればマルチ」
1番を打つのはプロ初でしょう?「はい。初めてです。結果を出すことだけ考えて打席に入りました」。高校でもない?「高校は4番です」。そうですね、失礼しました。「小学校、中学校は1番でしたね。足が速かったから」。なお三振2つについては「狙っていたボールはあったんですけど、ファウルして追い込まれたら、ああいう結果になる。追い込まれるまでに打ちたいです。最後はスライダーを待っていて真っすぐがきた。ファウルしようと思ったけど…。めっちゃ悔しいです!」と横田選手。
ホームランを打つとベンチ前でハイタッチだけでなく、相変わらずバンバン叩かれていますねえ。今回は一二三選手が強烈だったようで。大丈夫?「もう、そろそろ痛いです」…そこにいた全員が吹き出しました。
平田監督も「きょうは見事だよ。甲子園はどうしても、あの方向に打てないとダメだし、それが彼の強みになるだろうね」と横田選手のホームランを絶賛。また「最近よかったから多くみたい」というわけで1番の起用になったそうです。