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ドジャース・山本由伸はレッズ戦で今季2敗目。敵地のマウンドは低い?3先発投手の共通の証言はー。

一村順子フリーランス・スポーツライター
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ドジャースは26日(日本時間27日)、敵地でのレッズ戦に敗れ、今季初の同一カード3連敗を喫した。ド軍がレッズにスイープされたのは、本拠地ドジャースタジアムでは2018年以来。敵地のグレートアメリカン・ボールパークでは2013年以来だった。

 同シリーズ中には大谷翔平選手が、左太もも打撲を抱えていたことも発覚。打線の不調もさることながら、先発3人は共にクオリティ・スタート(6回3失点以下)ならず。第1戦のパクストン、第2戦のビューラー、そして、第3戦の山本が登板後に語った言葉の中には、共通するキーワードがあった。マウンドが低いー。そう、ドジャースの3人の先発投手は、3人共、敵地グレートアメリカン・ボールパークのマウンドが低く感じると証言した。

 第1戦先発のパクストンは言った。「低く感じた。視界に入る客席の形状で、錯覚が起きるのか、どうかは分からない。でも、低いなと思ったのは確か」

 第2戦先発のビューラーは、詳細に語った。「いつもここで投げる時は、低いと感じている。しかも、相手先発のグリーンがマウンドを結構、掘るタイプで、余計に低くなっているような気がした。マウンドに上がるために土を均して、普段よりほんのわずかだけれど、ステップの幅を小さくして、修正した」と振り返っている。ビューラーは、更に付け加えた。「低いマウンドの場合は、長身で上手投げの投手より、肘を下げて浮き上がる球(ライジング)を投げる投手の方が有利じゃないかと思う」。そして、登板を控えた山本について、「そういう意味では、僕(身長1メートル88)やパクストン(1メートル93)より、山本(1メートル78)は、この球場に合っているかもしれない」。スイープ阻止のマウンドを託したのだった。

 第3戦先発の山本にも登板後、聞いてみた。「低かったですね。なんか、そうらしいですね」。ルーキーも同じ感想だった。「日本でも、仙台(楽天・モバイルパーク宮城)や埼玉(西武・ベルーナドーム)は低く感じます。昔は、マウンドの低い球場が苦手だったんですが、一昨年くらいに中嶋監督(オリックス)に色々アドバイスを頂いてから、大丈夫になりましたけど」。日本も例外ではない様子。オリックス時代に”低いマウンド”を克服していた右腕にとって、初見参の敵地は手こずる程ではなかったにせよ、日頃から慣れ親しんでいるホームの投手に比べて、ビジターの投手には、不利な条件になる。

 1950年以前の大リーグのマウンドは、下限はなく最大で15インチ(約38センチ)までと決められており、球場によって、まちまちだった。現状ルールの10インチ(25・4センチ)に統一されたのは、1969年。本来、全球団同じ条件であるはずのマウンドだが、パクストンとビューラーはシンシナティの他に、レッドソックスの本拠地、フェンウェイ・パークのマウンドも低く感じると語った。レッズとレッドソックス。両軍共に強力打線のイメージはある。ともあれ、ド軍は今季公式戦対レッズ全日程を終了。チームは2019年4月以来5年ぶりの5連敗となって、シンシナティを後にした。

フリーランス・スポーツライター

89年産經新聞社入社。サンケイスポーツ運動部に所属。五輪種目、テニス、ラグビーなど一般スポーツを担当後、96年から大リーグ、プロ野球を担当する。日本人大リーガーや阪神、オリックスなどを取材。2001年から拠点を米国に移し、05年フリーランスに転向。ボストン近郊在住。メジャーリーグの現場から、徒然なるままにホットな話題をお届けします。

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