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米リアリティ番組スターの大谷翔平事件への関与、番組内でついに暴露。胴元も登場

猿渡由紀L.A.在住映画ジャーナリスト
(ジェニファー・ペドランティのインスタグラムより)

 怪しい人物だとみんなが気づいていた“ライアン”ことライアン・ボヤジアンは、世の中に衝撃を与えた大事件にからんでいた。米リアリティ番組「The Real Housewives of Orange County」(RHOC)が、現地時間10月31日に放映された第18シーズン17話で、その瞬間を映し出した。

 ライアンは、第17シーズンからレギュラーに参加したハウスワイフ、“ジェン”ことジェニファー・ペドランティの恋人。第18シーズンの撮影は、違法賭博で借金を作った水原一平容疑者が大谷翔平選手から盗んだ金を送っていた相手“アソシエイト1”が彼だったと判明する前に終了していたが、この驚きの展開を受け、再びカメラが回された。

 追加で撮影された部分であるのが明らかな最後の5分でがらりとトーンが変わるまで、この回は、ジェンとライアンの婚約パーティを中心に、基本的には祝福ムードで進む。“基本的には”とただし書きを入れたのは、ハウスワイフたちはライアンの素性に疑いを持っており、不安を持っていたからだ。

 前回までに、ライアンが違法賭博がらみでFBIの調査を受けていること、ライアンは現在何も仕事をしておらず、2週間ごとにラスベガスやバハマに出かけてギャンブルをしていることなどを、ハウスワイフたちは知るようになっていた。また、かつて不動産の仕事をしていたライアンは、建築工事も始まっていないタイムシェアを売りつけ、買った人から管理費を徴収していた事件にもからんでいたらしく、第16話には、ハウスワイフ仲間が「あの事件では刑務所入りした人もいたはずだけど、ライアンもかしら?」とささやくシーンも出てくる。今回、ライアンにもらったいかにも高額なダイヤの指輪をハウスワイフ仲間に見せた時も、ひとりから「誰にでもセカンドチャンスはあるべきだしね」と言われ、ジェンは複雑な表情を見せた。

婚約パーティには胴元も出席していた

 それでも、ハウスワイフ仲間はジェンのために婚約祝いパーティを開いてあげることにする。だが、そのパーティには、友人やジェンの両親らに混じって、なんと水原容疑者が借金を作った胴元、マシュー・ボウヤーも出席していた。彼の顔はテレビにしっかり映り、名前も出てくる。ライアンの親友なので出席は当然なのかもしれないが、彼がその場にいた男たちにライアンのことを「こいつは俺のマネーロンダラーだよ」と言い、ライアンが笑うのは実に奇妙だ。

 このパーティで、ジェンは、「今、私は人生で一番幸せ。最高の贈り物をもらった気分」とスピーチをし、ライアンとキスをする。そんなふたりに、出席者は祝福の声をかける。当初は、そこで第18シーズンを締めくくる予定だったのだろう。

 だが、直後に、「3週間後」というテロップが登場。次に出てくるのは、ゴシップ雑誌「US Weekly」の「RHOCのスター、ジェニファー・ペドランティの婚約者ライアン・ボヤジアンは、大谷翔平の賭博事件に関係していた」という見出しだ。ちなみに、番組が大谷選手に言及するのはこの見出しだけで、その後のハウスワイフらの会話には、大谷選手、水原容疑者、いずれの名前も出てこない。

 騒ぎを受け、ジェンは「みんながこのことを聞いてくる。私はずたずたになるわ」とライアンの前で嘆く。一方でライアンは異常なほど落ち着いていて、「人生にはコントロールできないことが起きるものだよ」「君の友達がどう思うかなんて俺は気にしない。俺は胴元ではないんだから」「君を愛している」と開き直る。

 そんな中、ハウスワイフ仲間は、「ライアンは何かやっていると思っていたけれど、ここまでひどいとは思わなかった」「恋は盲目とはいえ、ここまでのバカは見たことがない」「ジェンも少し走っていたはず」と手厳しい。彼女らの何人かはまた、婚約パーティに胴元が来ていたと聞かされて驚く。

「あなたが身を置く状況は不健全」と忠告されるが

 同じ頃、ジェンは最も気心が知れているハウスワイフの家を訪ねる。しかしそこでもジェンは、「あなたが今身を置く状況は不健全」「あなたは自分自身と子供たちのことを考えるべき」など、耳の痛いことを聞かされるはめになる。

 どうしていいかわからず、ひたすら泣くばかりのジェン。そこへ、「ライアンは起訴されないことになった」「ライアンの友人マシュー・ボウヤーは罪を認め、18ヶ月の実刑を受ける可能性がある」「ライアンとジェンは2025年に結婚式を挙げる予定」というキャプションがふたりの幸せそうな写真と一緒に出て、この回は終了する。

 このシーズンはあと3回残っているが、それらはスタジオにハウスワイフらを集め、司会者をはさんでシーズンを振り返る“リユニオン”で、いわば番外編。予告編ではジェンが「彼には何も起こらない」と、頑なにライアンを弁護しているので、ここでもこの話題は出てきそうだ。

 ジェンはインスタグラムにもあいかわらずカップルの幸せそうな写真を投稿しているし、周囲がどう言おうが、裕福な生活を提供してくれるこの男性と一緒にいる決意をしたようである。だが、プロのギャンブラーで胴元の親友が刑務所に行っても、ライアンはこれまでのように派手なギャンブルで儲け、贅沢に慣れている上、子供もいるジェンを満足させ続けることができるのだろうか。ライアンを信じ、結婚することは、ジェンにとって本当に正解なのか。

 先が気になるところだが、この番組を放映するBravo!チャンネルは、まだ第19シーズンの制作について発表していない。

L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、「ハーパース・バザー日本版」「週刊文春」「シュプール」「キネマ旬報」他の雑誌や新聞、Yahoo、東洋経済オンライン、文春オンライン、ぴあ、シネマトゥデイなどのウェブサイトに寄稿。米放送映画批評家協会(CCA)、米女性映画批評家サークル(WFCC)会員。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。著書に「ウディ・アレン 追放」(文藝春秋社)。

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