EU外務・安全保障政策上級代表、キラーロボットへの懸念を表明「人間の判断が必ず入るべきだ」
人工知能やロボットの発展によって自律型殺傷兵器システム(LAWS)やキラーロボットの登場が懸念されている。ロボットが自律して自ら判断して人間を攻撃してくるのではないかという脅威だ。
欧州連合(EU)の外務・安全保障政策上級代表のフェデリカ・モゲリーニ氏は2018年11月に開催されたEUの欧州防衛の年次総会で、キラーロボットに対して「新たに台頭してきたキラーロボットの脅威と安全保障への挑戦について、EUは非常に重要な役割を果たす」と語った。
「産業界や市民団体との協力も必要」
フェデリカ・モゲリーニ氏は「まず、キラーロボットは『何をすべきで、何をさせてはいけないか』をはっきりとさせるコンセンサスをとることが重要。そのためには政府だけでなく産業界や市民団体との協力も必要」とコメント。
「我々のポジションは明確だ。ロボットが自律的に判断して、人間や標的を攻撃してくることがあってはいけいない。攻撃する際には人間の判断が必ず入るべきだ」と続けた。また「人工知能(AI)の発展によって新たな安全保障の問題が登場してくる。ドローンやロボットが自律して標的を探し出して、人間の判断なしに攻撃してくる世界がやってくる。AIが人間の生死を判断するようになってしまうかもしれない。AIの研究者や科学者と協力しながら、AIはポジティブな方向に利用されるべきだ」と懸念も示した。
さらにフェデリカ・モゲリーニ氏は「世界のAIのスタートアップの半分は中国企業だ。欧州でももっとAIの開発に注力していくべきだ。それは経済的発展にもつながり、安全保障問題とも密接に関わることだ」と語った。