認知症に家族が気づくサイン3選【介護福祉士が漫画でわかりやすく解説】
こんにちは。認知症のケアサポーター『夢 はるか』です。
わたしは老人デイサービスや訪問介護の現場で15年以上働く介護福祉士です。
子どもの頃から好きだった漫画を描くことを通して、認知症や介護のことを一人でも多くの人に知っていただけたらと思っています。
お年寄りの行動を見た家族が、
「ちょっと、おかしいな?」
「いつもと違うぞ!」
と気づくことがあります。
どのような変化が起こったら、認知症の可能性があるのでしょうか?
いつものように、イラストを交えて順に説明していきます。
1.5分前のことを忘れる、昔のことは覚えている
ひ孫が来て、うれしそうに遊んでいたと思ったら、帰った途端に忘れている。
しかし、自分が子育てをしていた昔のことは、昨日のことのように正確に覚えている。
認知症の人には、そんなことがありがちです。
認知症の人の記憶は、昔のことよりも、最近のことからわからなくなっていくことが多いようです。
接し方のポイント
初期の認知症では、記憶自体ができないのではなく、思い出すことができない(想起に障害がある)場合もあります。
このような想起障害の場合は、適切なヒントがあれば、思い出せることもあります。
「どんなヒントを出したら、思い出してくれるかな?」
記憶を取り出す手がかりを探していくと、認知症の人との会話が楽しくなるかもしれませんよ。
2.冷蔵庫に同じ物が複数入っている
食べきれないほど、同じ食品をたくさん冷蔵庫に買い込んでいるのは、認知症の人によくあるパターンです。
昨日買ったことを忘れて、同じ物を買ってしまう『物忘れ』が原因かもしれません。
また、たくさんいた昔の家族が、今でも住んでいると、記憶が逆戻りしている可能性もあります。
きっとその当時は、たくさん食べ物を買う必要があったのでしょうね。
接し方のポイント
買い物を無理にやめさせたり、強い口調で怒るのはかえって不安をあおり、混乱を招きます。
買い物へ出かける前に、一緒に冷蔵庫を確認して、『買い物メモ』を書くようにするといいですよ。
3.ひんぱんに約束の時間を忘れる
認知症になると『時間』『場所』『人』の順にわからなくなる『見当識障害』が現れることがあります。
たとえば、午後の昼寝から起きて「おはようございます」と言うのは、時間の見当識に障害がある可能性があります。
これに物忘れが加わると、ひんぱんに約束の時間を忘れるようになります。
接し方のポイント
プライドを傷つけないように、さりげなく月日や曜日を聞いてみましょう。
時間帯や気温、天候などの条件によって状態が変化することもありますので、数日かけて尋ねてみるとよいでしょう。
返答に困っていても、
「なんで分からないの!」
などと責めずに、そっと教えてあげてくださいね。
どの程度まで見当識障害が進んでいるのかを知ることが、適切な援助を考える上で参考になります。