日韓戦やソン・フンミンは…今年の韓国スポーツ10大ニュースと「輝いた10人」は?
2019年が終わりに近づき、さまざまな分野で1年を振り返る10大ニュースが発表されている。韓国でもさまざまな「2019年10大ニュース」が発表されており、先日は「スポーツ記者選定の2019年スポーツ10大ニュース」が発表された。
韓国の大手通信社である聯合ニュースが新聞やテレビ局のスポーツ担当部署にアンケートを募って選定されるもので、筆者も携わる『スポーツソウル』も参加しているこの調査で1位に輝いたのは「ロサンゼルス・ドジャースのリュ・ヒョンジン、アジア投手初のMLB防御率トップ、サイ・ヤング賞1票得票」だった。
今冬、FA権を行使したリュ・ヒョンジンは来季からトロント・ブルージェイズでプレーすることが決まっている。
ブルージェイズには読売ジャイアンツからポスティングで入団することになった山口俊もおり、韓国メディアは「ロサンゼルス・ドジャースで前田健太と繰り広げた“日韓競争”を今後も継続することになった」と関心を寄せている。
このリュ・ヒョンジンの快挙に続くのが「ソン・フンミン、欧州進出韓国人最多ゴール…アジア最高のバロンドール22位」(2位)、「U-20ワールドカップで韓国サッカーFIFA公式大会男子最高の準優勝の快挙」(3位)などだ。
そのほか順に紹介すると……。
「2019年を揺るがした“スポーツ界の#Me Too暴露…性暴力・暴行の清算要求噴出」(4位)
「ユベントスのロナウド、Kリーグとの訪韓試合で“ノーショウ”騒動」(5位)
「米国LPGAツアーで韓国選手歴代最多の15勝…コ・ジンヨンがタイトル独占」(6位)
「斗山(ドゥサン)ベアーズ、歴代級の逆転劇で3年ぶりにプロ野球優勝)(7位)
「サッカー韓国代表、W杯予選のピョンヤン遠征で“無中継・無観客”論乱」(8位)
「世界水泳が光州(クァンジュ)で開催、キム・スジが飛び込みで史上初のメダル」(9位)
「全北現代(チョンブク・ヒョンデ)、Kリーク3連覇の偉業達成」(10位)
今年は野球のWBSCプレミア12やサッカーのE-1選手権で日韓対決があったが、それらはトップ10の中には入らなかった。
なぜかパク・チソン、キム・ヨナら
興味深いのはこの10大ニュースと前後して12月12日に発表された「2019年に輝いたスポーツスター・トップ10」だ。
こちらは世論調査で有名なギャラップの韓国支社が、韓国の13歳以上の男女1700名を対象に行ったアンケート調査で、1位はソン・フンミン(82%)、2位はリュ・ヒョンジン(38.7%)、3位はU-20ワールドカップ韓国準優勝の立役者で自身もゴールデンボール(大会MVP)に輝いたイ・ガンイン(13.6%)、4位には3年連続してMLBで20本塁打を記録したチュ・シンス(4.7%)が選ばれているのだが、5位以降は思わず首を傾げたくなる結果となっている。
というのも、5位にはフィギュアスケートのキム・ヨナ(3.9%)、7位にはサッカーのパク・チソン(3.2%)、8位には野球のパク・チャンホ(1.5%)が選ばれているのだ。
いずれも韓国が生んだ不世出のスーパースターであるが、今年どころか数年前に引退して今は選手生活を送っていない。パク・チソンは韓国にもいない。
(参考記事:韓国サッカーの“英雄”パク・チソンは、今も欧州舞台を駆け回っている!?)
また、キム・ヨナと同じく3.9%で5位となったサッカーのキ・ソンヨンは今年1月のアジアカップを最後に韓国代表から引退しており、今季は所属するイングランドのニューカッスル・ユナイテッドでも出番に恵まれず、今季プレミアリーグの出場は3試合のみの状況。
パク・チャンホと同じく1.5%で8位のチョ・ヒョヌも所属する大邱FCでは守護神を務めるが、韓国代表では正GKの座をキム・スンギュに奪われつつある。
同じく1.5%で8位のイ・デホは今季、打率2割8分5厘、本塁打16、打点88と平凡な成績しか残せず、9月には16年ぶりに2軍落ちも経験するスランプに陥っている。
つまり、5位以降は「2019年に輝いたスター」ではなく、かつての名声で選ばれたもの。翻って言えば、今年は往年のスター選手を凌ぐインパクトを残し幅広い年齢層から支持されるアスリートが少なかったとも言えなくもない。
いずれにしても、来年2020年には東京五輪もある。来年は韓国スポーツ界からどんなニュースやスターが登場するか。引き続き注視していきたい。