GoogleとAppleの地球スマホ連合のプライバシー VS 新型コロナウィルスの戦い
KNNポール神田です。
Appleによると…
■世界のスマートフォンの合計99%のシェアのGoogle72.2%とApple27.0%のタッグ
現在の世界のスマートフォンのシェアは、GoogleのAndroidが72.2%でAppleのiOSは27.0%となっている。合計99.29%のシェアだ(2020年3月現在)。ちなみに日本でのシェアは、iOS64.4% Android35.3% 合計99.78%とiOSが逆転している。AppleとGoogleがタッグを組むことによって、もはや、全地球上のスマートフォン連合によるセンサーが機能することを意味しているのだ。
https://gs.statcounter.com/os-market-share/mobile/
■Apple Googleの『コンタクトトレーシング Contact Tracing』技術の特徴
スマートフォンのOSでは競合関係であるこの両社が相互にBluetooth技術を活用し、許可を得た(オプトイン)ユーザーに対してセキュリティによる匿名処理をおこない、新型コロナウィルスが判明したユーザーの14日間前にさかのぼり、緊密な接触(同じ位置の10メートル×10分以上)をしたクラウドに記録されたスマートフォン識別子を元に、警鐘(アラート)を鳴らすという仕組みだ。
1番の特徴はまず、許可を得たオプトインユーザーに対してのみに提供されるサービスであることなので勝手にユーザーの動きを特定しているわけではない。
2番目にBluetooth(ブルートゥース)という近距離無線通信を使うので、10メートル以内の距離にスマートフォン同士が近づいた場合のみ日時を記録する。GPSなどの居所や場所の信号は記録されない。
3番目にこのアプリやサービスには、個別のユーザー情報を持たせない。あくまでもスマートフォン同士が近接した記録のみを元に、アラートを鳴らすだけで、どこかに通報されることもない。この時点で、中国や韓国やシンガポール方式とは違いプライバシーが担保されいている。
ゆえに、自分からアプリやサービスに利用を許可をしなければこの機能が使えないという弱点を持っている。
■技術的な要素よりも、安心感と危機感という心理的な2面性を併せ持つ
自分が感染者として加害者となった場合には、匿名で、感染者自分と接触していたことが、スマートフォンの識別番号を通じて、お知らせすることができるのだ。逆に感染者と接触していたこともスマートフォン同士が近距離にいた場合に、2週間前にさかのぼりアラートでお知らせされることとなる。
どこで接触したかはわからなくても、『何月何日何時』に感染者との接触があるとわかった時点で自分が潜伏期間の可能性があるかがわかる。
それゆえ、アラートがならない限り、自分の自粛が効果的だったのかがわかり、感染者と10分以上接触した可能性があればスマートフォンの警鐘からわかるのだ。しかし、日々、異常を感じることもなくがんばって『自粛』していたにもかかわらず、アラートが鳴らされたら、ショックに至るだろう。
むしろ、感染する『潜伏期間告知』である。これはこれで、ショッキングである。ならない限りは安心。鳴ったら危機感を持って厳粛に自宅内隔離を必要とされる。これは、安心感と危機感という心理的な2面性を併せ持つことになる。そのためにも、心理的にこの提供されたアプリもしくはサービスを許可したユーザーは、より第三者との接触に厳重に注意をすることにもなり、世界的にも接触率を落とすことが可能なのだ。
ただ、アラートが鳴った時点から、感染の可能性という不安は最大限に上がる…。見えないと怖くないが、新型ィルスの近接が可視化された時点でそれは恐怖に近いものとなる。
まずは、命を守るための自粛と人と接触しないことが最大の防御策であることにはちがいない。
■『コンタクトトレーシング Contact Tracing』技術のAPI提供
https://www.apple.com/covid19/contacttracing/