台風14号は熱帯低気圧に、しかし今後の動向はまだ不確実
台風14号は八丈島の南東海上で熱帯低気圧に
日本の南まで北上しつつも偏西風に乗ることなく、伊豆諸島の南に南下した台風14号は、さきほど12日(月)午前9時、八丈島の南東海上で熱帯低気圧に変わりました。
この台風は秋雨前線と相まって、特に紀伊半島や伊豆諸島に多大な大雨をもたらし、総雨量は気象庁の観測で、三宅島や八丈島、三重県尾鷲、和歌山県色川などで500ミリ~700ミリ程度に達し、解析雨量では大雨特別警報の出された三宅島や御蔵島で800ミリ~900ミリにも達していました。
台風14号から変わった熱帯低気圧も伊豆諸島からはかなり離れたため、すでに大雨の心配はなくなっていますが、実はこの熱帯低気圧の動向に関してはまだ不確実性が高く、もしかしたら今週末にかけて、関東周辺の天気に再び影響する可能性が残っています。
16日(金)~17日(土)頃に再び影響も?
台風14号から変わった熱帯低気圧は、しばらく小笠原諸島(父島)付近でうろうろする計算で、そのまま衰弱して消滅してしまう計算もあれば、早めに日本の東へ遠ざかってしまう計算もあるなど、もう日本付近にはほとんど影響がなくなるとする計算がある一方で、16日(金)~17日(土)頃に、再び東経140度線あたりを北上し、関東付近にある秋雨前線を刺激して、まとまった雨を降らせるような計算も少数派ながら見られる状況です。
さすがに台風の勢力に復活し北上するような計算は皆無ですが、念のため、今後の動向には、引き続き、ご注意下さい。
4個の熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が発生中
現在、日本の南や南シナ海では対流活動が活発で、台風14号から変わった熱帯低気圧を含めて、4個の熱帯擾乱(ねったいじょうらん)が発生しています。
天気図中の1番がさきほど台風14号から変わった熱帯低気圧で、今後も小笠原諸島付近で動きが遅い予想です。
そして2番がきのう11日(日)午前3時に南シナ海で発生した台風15号がベトナムに上陸後、きょう12日(月)午前3時にラオス付近で熱帯低気圧に変わったもので、今後は衰弱する予想です。
さらに3番は、南シナ海に再び発生している熱帯低気圧で、今後24時間以内に新たな台風へ発達する見込みで、発生すれば台風16号となりますが、この台風も真っすぐ西進し、ベトナム方面へ進むため、日本付近への直接の影響はなさそうです。
そしてもう一つ、4番がフィリピンの東に発生している低圧部で、種々の計算によると、この低圧部も西進し、フィリピン付近から南シナ海へ進む可能性が高く、仮に熱帯低気圧から台風へ発達しても、今のところ、日本付近への影響を予想していない計算が多数となっています。