新たな熱帯低気圧が発生し北上か?再び前線に暖湿気を送り込む可能性も
雲頂高度が高い積乱雲が発生中
タイトル画像にある通り、日本のはるか南方海上で、低圧部が発生中です。低圧部とは周囲より気圧が低く、雲の循環は認められるものの、その中心付近がハッキリとしない熱帯擾乱(ねったいじょうらん)のことで、中心付近が推定できるようになると、熱低低気圧に呼び名が変わります。また熱帯低気圧が発達すれば台風となります。
雲形の解析によると、この低圧部周辺には雲頂高度18000メートル以上の積乱雲が発生しており(上図赤い丸の中)、今後も発達しながら北上する計算が多くなっています。
熱帯低気圧が発生へ
気象庁の予想天気図によると、この低圧部はあす6日(火)午前9時の段階ではまだ低圧部の予想ですが、あさって7日(水)午前9時までには熱帯低気圧へと変わる予想です(上図TDマーク)。
フィリピンの東海上は台風2号が通過したことにより海水温が低下しましたが、それでも27度から29度くらいはあり、熱帯低気圧が台風へ発達する可能性は十分に考えられる状態です。諸外国を含む計算をみても、台風と思われる勢力に発達を見込むモデルが多くなってきているため、注意を要します。
熱帯擾乱は週末に沖縄の南へ北上か?
参考までに上図は、ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)のアンサンブル予報で、赤い丸は低気圧(熱帯擾乱含む)の中心付近を表し、青色の領域は濃いほど、降水確率が高いことを表しています。
これによると、今発生している低圧部と思われる熱帯擾乱が発達しながら9日(金)午前9時には北緯20度ラインに近付き、11日(日)には不確実ながらも沖縄の南海上に北上する予想です。
またこれと同時に、本州付近には東西にのびる前線に伴う降水域が顕在化する予想となっており、熱帯擾乱から暖湿気が流れ込むと、再び前線の活動が活発となる可能性も否定できません。週末にかけて北上する予想の熱帯擾乱と前線の振る舞いには注意が必要です。