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【日光市】20~30種山盛りキノコ汁&幻のきのこも! 至福の天然きのこ三昧するならココ!

フルリーナYocライター/音楽講師/作詞家(日光市・鹿沼市・益子町・那須町)

日光市最北の地に、秋になるとキノコ好きの面々が楽しみに通うお店があります。お目当ては、幻のきのこと言われるシシタケを使った「ししたけごはん」や、天然キノコてんこ盛りの「きのこ汁」。通年メニューの舞茸ステーキや、ちたけ蕎麦も絶品です。紅葉ドライブや滝見も楽しめる「お食事・山野草販売 不動滝(不動滝ドライブイン)」をご紹介します。

お食事・山野草販売 不動滝
お食事・山野草販売 不動滝

福島県との県境にほど近い、栃木県日光市最北の地、日光市三依地区横川。ここに、キノコ好きが遠方からも訪れる「お食事・山野草販売 不動滝」があります。

店内の窓から望む不動滝 写真提供:お食事・山野草販売 不動滝
店内の窓から望む不動滝 写真提供:お食事・山野草販売 不動滝

お店の名前の由来は、店内の窓から見える落差10メートルの男鹿川にかかる「不動滝」。男鹿川は関東地方整備局の2022年調査で関東一級河川末流水質1位となった、透明度の高い美しい川です。滝のそばに祀られているお不動様は、天長6年(829年)空海がこの地を通りかかった時に、魂の安住を求めてさまよう民衆を救うために祀ったものと言われています。

お食事処入り口
お食事処入り口

早速お店に入ってみましょう。

店内は昭和にタイムスリップしたかのよう
店内は昭和にタイムスリップしたかのよう

お店の中は懐かしい昭和の雰囲気!
テレビに出演した時の写真も飾られています。

不動滝
不動滝

店内の窓から、不動滝も見えます。紅葉のシーズンはきれいでしょうね!

今日のおすすめメニュー
今日のおすすめメニュー

鴨居には今日のおすすめメニューが張り出されます。秋のきのこシーズンになると、きのこ採りの名人たちから仕入れる天然のきのこの限定メニューも登場!この日はお店に電話をして、「きのこ汁&ししたけごはん」が食べられることを確認して出かけたのですが・・・。
おぉ~!ありました!念願の初ししたけごはんです。

※店の料理で使う天然きのこ、及び販売している天然きのこは、出荷制限がかかっていない市町村でとれたもの、南会津産・新潟産・長野産、天然松茸は南会津産・長野産になります。林野庁HP(きのこや山菜の出荷制限などの状況について)

幻のきのこ!不思議な香りがクセになる「ししたけごはん」

天然ししたけ 写真提供:不動滝ドライブイン
天然ししたけ 写真提供:不動滝ドライブイン

ししたけ(別名 香茸)とは、スーパーなどではお見かけすることのない、幻のきのこの言われている希少な天然きのこ。市場やネットでのお取り寄せでは、200グラムで約4000円もするんですよ。TVなどでも紹介されている、きのこ好き垂涎のきのこです。

ししたけごはん 1100円
ししたけごはん 1100円

この希少なキノコを使った「ししたけごほん」が今日のお目当て! お惣菜とお漬物、キノコのお味噌汁、青じそからし味噌が付いて1100円と嬉しいお値段です。

天然ししたけがたっぷり入った「ししたけごはん」
天然ししたけがたっぷり入った「ししたけごはん」

筆者は「ししたけ」を食べるのは初めて。別名・香茸(こうたけ)と呼ばれるだけあって、独特の芳香があります。何とも形容しがたいのですが、す~っと鼻に抜けるような香りとでもいいましょうか。

店主さんは「好き嫌いがあるかもしれないですよ」と言っていましたが、確かに最初に食べた時は「?」といった印象です。しかし食べ進むにつけ、その魅力にずんずんっ!と支配されていく感じなのです。食べ終わった時は、目がハートになってしまいました。毎年、この「ししたけごはん」を待ち焦がれているファンがいるというのも、うなずけます。

お惣菜の味付けも美味しい
お惣菜の味付けも美味しい

つけあわせの茄子のお惣菜も「お替り!」と言いたくなるおいしさ。

不動滝名物 青じそからし味噌
不動滝名物 青じそからし味噌

こちらはこのお店の名物、自家製の「青じそからし味噌」。これがまた「ししたけごはん」とよく合うのです。

天然のきのこが20~30種ドッカ~ンと入ったきのこ汁!

きのこテンコ盛りのきのこ汁
きのこテンコ盛りのきのこ汁

さらに、この「きのこ汁」がすごかった! きのこ大好きな筆者、栃木県内でも県外でも、秋の旅行ではきのこ料理を食べるのが楽しみなのですが、こんなきのこ汁、お目にかかったことがありません。きのこてんこ盛り、これはあるある、なのですよ。でもね、このきのこ汁、天然きのこが20種類も入ってるのです。

それなのに、店主さんったら「ごめんね。今年はキノコが不作で・・・今日は20種類しか入ってないんだよ。もう少しすれば、もっと入れられると思うんだけど」ですって!

天然きのこが20種~30種入る
天然きのこが20種~30種入る

びっくり仰天しながら「いつもは何種類入るんですか?」と聞いたら、例年は28~30種類ぐらい入るそうです。「これからきのこの種類が増えていくから、またおいで。シーズン前半と後半では入るキノコの種類も違ってくるから、味も微妙に変化していくんだ 」とのこと。常連さんたちは、その味の変化も楽しみにしているそうです。奥が深いなあ!!

お味は、きのこの出汁がめっちゃ出ていて、きのこがシャキシャキぷるぷるしていて、もう、最高でした。このきのこ汁一杯だけでも、かなりお腹いっぱいになります。

運が良ければ松茸メニューがあるかも?

採りたて天然松茸
採りたて天然松茸

・・・と、その時、きのこ採りの名人がお店に松茸をもって来ました。 「天然の松茸だよ!見てみる?」とのお声がけ。行ってみると、なんとまあ、こんなにたくさん! 松茸の香りにクラクラしそうです。

天然の松茸は販売だけでなく、ときおり「松茸ご飯」などがメニューに登場する日もあるようなので、運が良ければ「天然松茸ごはん」に出会えるかも!

通常メニューだって きのこ三昧!舞茸メニューも絶品~!

舞茸ステーキ
舞茸ステーキ

この日、もう一品食べたのは「舞茸ステーキ」。 この舞茸は天然ものではないそうですが、特殊なルートで新潟から仕入れる、品質の良い舞茸を使っています。これがまたプルップルっで歯ごたえがあって、たまらない美味しさ!

舞茸ステーキ・舞茸の天ぷらは通年メニューなので、いつ行っても食べられます。舞茸ネギラーメンはテレビにも出た人気メニュー。筆者は次回はこれを食べようと、密かに心に誓っています。

栃木県民が愛するチタケ!ちたけ蕎麦・うどん&ちたけすいとん

筆者がこのお店に初めて行ったのは、実は「乳茸(ちたけ)そば」が目当てでした。乳茸Loveの筆者は常々、県下の乳茸そばやうどんを求めて彷徨っているのですが、日光・横川地区に、乳茸そばがおいしいお店があると聞いて、この店を訪れたのです。

乳茸そば
乳茸そば

手打ちの蕎麦は香りものど越しもよく、そして何よりも乳茸の香りが立った汁がすばらしい。お店によっては、醤油の味が強いところもあるのですが、不動滝ドライブインの乳茸汁は、やわらかく甘みのある茄子も、汁の醬油も、決してチタケの香りのじゃまをしていないんです。乳茸の魅力を知り尽くしているからこその味のバランス、と感じました。

乳茸すいとん
乳茸すいとん

さらに、思いもかけずに美味しかったのが乳茸すいとん!
乳茸の香りをまとったモッチモチでつるりんとした食感のすいとんが、口に入った時の幸せったら! これ、もう、大好きを超えて愛してしまったメニューです。

天然きのこ&乾燥きのこ&冷凍きのこも並ぶ売店

秋には天然きのこが並ぶ売店
秋には天然きのこが並ぶ売店

きのこ料理を楽しんだら、ぜひお店の外の売店へ。乾燥ししたけや冷凍ちたけ、夏のきのこシーズンには乳茸(ちたけ)、秋のきのこシーズンには松茸や舞茸、ししたけなど、きのこ好き垂涎の天然きのこが並びます。

天然ものの松茸も
天然ものの松茸も

憧れの松茸。天然の松茸は、大きなスーパーでもなかなかお見かけできません。並んでいる松茸を見ると、ネットで買うよりもかなりお安い!しかも採りたてが並びます。

見たことのないきのこも。

ウラベニホテイシメジ
ウラベニホテイシメジ

ウラベニホテイシメジはボリュームがありシャキシャキの歯ごたえがおいしい茸。この茸には似ている毒キノコがあり素人だと判別が難しいのですが、きのこ採りのプロ・名人たちが採ってくるものは安心です。

天然舞茸
天然舞茸

こちらは秋のシーズンだけのお楽しみの一つ、天然の舞茸。

写真提供:不動滝ドライブイン
写真提供:不動滝ドライブイン

こ~んなに大きな天然の舞茸が取れることもあるんだそうですよ。

今回の取材の帰り、「天然の舞茸、お裾分け!食べてみて」と、店主さんに天然の舞茸をいただいたのですが、香りと歯ごたえが、スーパーで売っているものとは別物と言っていいくらい違いました!

ししたけごはんについてきた、不動滝名物「青じそ辛子味噌」もおすすめのお土産です。

希少な山野草や高山植物も!

・・・と、キノコのことばかり書いてしまいましたが、実は「お食事・山野草販売 不動滝」は、山野草ファンにとっても特別なお店。というのも、この店は通常の店では売買ができない、特定第一種国内希少野生動植物種を取り扱うことができる「特定国内種事業主」の許可を持っているのです。

 アツモリソウ  写真提供:不動滝ドライブイン
アツモリソウ  写真提供:不動滝ドライブイン

たとえば、この花「 アツモリソウ(敦盛草)」は、特定国内希少動植物種、環境省レッドリストの高山植物で、特定国内種事業主しか売買できません。

店主さんが子供のころは、おばあちゃんと山に山菜取りに行くと、このアツモリソウを時々見かけたそうです。しかし今ではアツモリソウを山で見かけることは、ほとんどできなくなりました。

五葉山ヨウラクツツジ  写真提供:不動滝ドライブイン
五葉山ヨウラクツツジ  写真提供:不動滝ドライブイン

こちらの花は岩手県の太平洋側にある“ 五葉山 ”のみに生育する、日本固有種の「 五葉山ヨウラクツツジ 」。個体数がとても少ない希少種で、6~7月に3~6個の花が下向きに開花する愛らしい花です。

鬼怒川ヨウラクツツジ  写真提供:不動滝ドライブイン
鬼怒川ヨウラクツツジ  写真提供:不動滝ドライブイン

こちらの可憐な花は「鬼怒川ヨウラクツツジ」。ウラジロヨウラクツツジとも呼ばれ、日光市・鬼怒川の龍王峡近辺の固有種とも言われていてます。5月~7月頃にごろに鮮やかな色の花を下向きにつけます。他にも珍しい花がたくさんあるので、花好きの方は育ててみてはいかが??

紅葉ドライブを楽しみながら「お食事・山野草販売 不動滝」へ

紅葉の男鹿川
紅葉の男鹿川

「お食事・山野草販売 不動滝」は、鬼怒川温泉-龍王峡から会津西街道に入り約30キロ、車で約40分。塩原温泉からは車でわずか15分の位置にあります。鬼怒川ー川治温泉ー五十里湖ー三依を通るドライブも、塩原温泉からのドライブも絶景の紅葉ロード。五十里湖や三依地区は混みあうことも少ない紅葉の穴場ポイントなので、この秋は日光の秘境に足を延ばしてみてはいかがでしょう。

※ ししたけごはんや、キノコ汁は、キノコの入荷によって出ない日もあるので、当日または前日に電話で問い合わせてからお出かけください。

お食事・山野草販売 不動滝(不動滝ドライブイン)
所在地:栃木県日光市21-3
電話番号:0288-79-0310
定休日:木曜日
営業時間:10:00~15:00
facebook:https://www.facebook.com/fudoutaki.nikko/
instagram:https://www.instagram.com/explore/locations/1016421594/

ライター/音楽講師/作詞家(日光市・鹿沼市・益子町・那須町)

自然と美味しいものが大好き。92歳のばばちゃまをのせた車いすを押して、心に響く風景や美味しいものを求めて、あちこち出没しています。Yahooエキスパート、日光市観光協会公式WEB「日光旅ナビ」、トラベル.jp、その他多数の旅行・グルメ情報webサイトに寄稿しています。

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