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井本彩花「仕事で大変だと思ったことはない」の意味

中西正男芸能記者
仕事への思いを語る井本彩花

 2017年に「第15回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞した女優の井本彩花さん(16)。岡田結実さんが主演するテレビ朝日系の連続ドラマ「女子高生の無駄づかい」(金曜午後11時15分)にも出演中です。テレビ朝日「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」で女優デビューし、着実にキャリアを積んできましたが「仕事で大変だと思ったことがないんです」と言います。その意味とは。

一人ではできない仕事

 今回の「女子高生の無駄づかい」は漫画が原作でアニメにもなっています。当然、見てくださる皆さんの中にはたくさんアニメのファンもいらっしゃると思います。なので、原作が好きな方にもガッカリせずに、楽しんでもらいたい。そんな思いで、アニメを何回も見て仕草をこれでもかと自分の中に刷り込みました。ただ、やっぱり難しいんですけど(笑)。

 今回も皆さんにお世話になっているんですけど、このお仕事は自分一人ではできない仕事だと痛感しています。周りの方に支えてもらって、やっと自分がそこに立てる。

 これは本当に、本当に、感じていることで、そうなると、自ずと感謝の気持ちが出てきます。「良いことを言おう」とかそういうことではなくて(笑)。

米倉涼子からの言葉

 特に、デビューから3カ月後、まだ何も分からない状況で出演させてもらったのが「ドクターX―」でした。そこでいただいた主演の米倉涼子さんの言葉は今も胸に刺さっています。

 初めてのお芝居。芸能界自体もよく分からない。そんな中の収録でした。中でも、私が泣くシーンがあったんです。

 「ずっと続けてきたバレエが病気でできなくなる。そんな思いから涙を流す」という台本をいただいて、もう前日から「どうしたらいいんだろう…。そんな簡単に泣けないし…」と不安でいっぱいで。

 そこで米倉さんに素直に相談をしたんです。「泣くシーンがあるんですけど、どうしたらいいんでしょうか」と。そこで、米倉さんが優しく言ってくださったんです。

 「泣こうとしなくていいんだよ。別に泣けなくても、その感情が伝わればいいの。だから、その感情だけグッと持っていれば大丈夫」。

 結局、本番では涙が流れなかったんですけど、だからこそ、米倉さんがかけてくださった言葉は本当に大きくて。

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 ただ、自分としてはやっぱり泣きたかったという思いがあったみたいで。その日、帰宅して母親の顔を見た瞬間、涙がドバっと出てきました。

 自分のふがいなさ、くやしさ、そして、米倉さんの優しさ。いろいろなものがそこで一気にあふれ出したんだと思うんですけど、なんで、ここでは涙が出るのに、現場では出なかったんだろうと。

 そんな思いも含め、米倉さんの言葉をきっかけにたくさんのことを考えて、たくさんのことを感じました。

「大変だと思ったことはない」

 もともと、この世界に興味はあったんです。ただ、大きなきっかけになったのは同じ事務所の武井咲さんでした。

 小学5年の頃、たまたまテレビで武井さんのCMを見て「こんなに美しい女性が世の中にいるんだ…」と思ったんです。

 そこから「全日本国民的美少女コンテスト」を受けるんですけど、そこでグランプリをとることができて、その日に、武井さんと対談することになったんです。

 憧れの方が目の前にいるだけでもウソみたいな話なのに、その人と話をしてくださいなんて、本当に夢かと思いました。

 ただ、あまりにも舞い上がってしまって、よりによって、いきなり「好きな食べ物は何ですか」と聞いてしまって。しっかり「うどんです」と答えてもらいましたけど、我ながら、こんな場面でいったい何を聞いているんだと思いました(笑)。

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 その日から2年半くらい経って、いろいろなお仕事をさせていただきました。その中で、一つ、私が言えることがあるとすると、この業界に入って「大変だな」と思ったことがまだないんです。

 もちろん、まだまだできないことだらけだし、毎日、いろいろな課題が見えます。難しいこともたくさんあります。

 でも、それを乗り越えた時の達成感。これを味わうと、全ての「大変さ」が一気に「達成感」に変わるんです。なので、本当の意味で「大変だ」と思ったことがないというか。結局、その「大変さ」もプラスの感情というか、イヤなものではない。

 そういう意味でも、本当に素敵なお仕事をさせてもらっていると思います。今年で17歳。個人的には16歳、17歳、18歳とある高校生活の中でも、一番良い年かなと思っていて(笑)。一つ一つのお仕事を大切にしながら飛躍の年にできたらなと。

 プライベートでも一つ頑張ろうと思っていることがありまして…。料理です。つい最近、初めて自分で作ったんですよ。野菜スープでした。

 家族には好評ではあったんですけど、スープなのに、煮込みすぎてほとんど汁がなくなってしまって。煮物みたいなルックスになってしまいました…。ま、まだ伸びしろがあるということで、前向きに考えています(笑)。

(撮影・中西正男)

■井本彩花(いもと・あやか)

2003年10月23日生まれ。京都府出身。オスカープロモーション所属。17年に開催された「第15回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリに選ばれる。同年、テレビ朝日「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」で女優デビュー。19年、第91回選抜高等学校野球大会の応援イメージキャラクターを務める。同年6月からテレビ朝日「オスカル!はなきんリサーチ」のレギュラーに加わり、MCに初挑戦。テレビ朝日系の金曜ナイトドラマ「女子高生の無駄づかい」(金曜午後11時15分)にも出演中。身長163センチ。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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