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FRBの来年の利下げ観測強まる

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 米連邦準備理事会(FRB)は12日から13日に掛けて開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25~5.50%のままとして、政策金利を3会合連続で据え置いた。これはほぼ予想通り。

 同時に発表された参加メンバーによる経済見通し(ドットチャート)では、2024年末の政策金利が参加者の中央値で4.6%となった。つまり0.25%の利下げが3回程度行われるとの見方となる。事前の市場予想では来年0.25%の利下げ2回程度を見込む向きも多かったようである。

 FRBのパウエル議長は会合後の記者会見で、インフレは失業率の大幅な上昇を伴うことなく緩和してきたとの認識を示し、追加利上げについては可能性を排除したくないとした一方、もはやFRBの基本シナリオではないともコメントした。

 これを受けて今後の利上げの可能性が払拭され、市場はあらためて来年の利下げを織り込むような動きとなった。

 米10年債利回りは14日の東京時間に4.00%を割り込んだ。13日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均は512ドル30セント高の37090ドル24セントとなり、2022年1月に付けた過去最高値を更新した。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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