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東京五輪野球:アメリカにサヨナラ勝ちの侍ジャパンと因縁の対決へ進むコールド勝ちの韓国の陣容とは?

阿佐智ベースボールジャーナリスト
前回北京オリンピックで侍ジャパンと2度対戦し2度とも倒した韓国代表チーム(写真:ロイター/アフロ)

 東京オリンピック野球競技ノックアウトステージ準々決勝第1試合は、同ステージ第1ラウンドを勝ち抜いてきたイスラエルと同じく第1ラウンドでドミニカ共和国に勝利した韓国が対戦。韓国は、前日9回裏土壇場に3点を入れ劇的な逆転勝利を収めた勢いそのままにイスラエルをコールドで撃破、通算成績を3勝1敗として準決勝に駒を進めた。

 メジャーリーガーの参加が認められない今大会にあって、韓国代表は国内リーグ、KBOの選手で全陣容を固めた。

 ロースターを見ての印象は、とにかく打線が強いということだ。現在のKBOは打高投低の印象が強いものの、それを差し引いても、とくに決勝トーナメントに入っての打線の活発さと粘りが目立つ。

 その中でもとりわけ脅威なのは、クリンナップを打つキム・ヒョンスだ。ここまで18打数8安打2本塁打5打点と絶好調と言っていい。試合を重ねるごとに調子を上げているのも対戦相手にとって怖い存在である。

 オープニングラウンドでは8打数2安打と鳴りを潜めていたものの、ノックアウトステージに入って8打数3安打と調子が上向いてきた不動の1番バッター、パク・へミンには要注意だ。パク・へミンと1,2番コンビを組むべきイ・ジョンフはオープニングラウンドでは2番ライトとして好調を維持していたが、決勝トーナメントに入り打線の組み換えがあり、3番に入ってからは不調。今大会通算17打数4安打に終わっている。

 以下に、韓国チームのメンバーを今シーズンの成績と共に紹介する。

投手

1高永表/コ・ヨンピョ(KTウィズ)29歳 右投右打14試合7勝0敗 防御率3.87

11曺尙佑/チョ・サンウ(キウム・ヒーローズ)26歳 右投右打14試合4勝3敗 3.42

ブルペン陣の中心的存在としてこれまで3試合に登板。 (筆者撮影)
ブルペン陣の中心的存在としてこれまで3試合に登板。 (筆者撮影)

15金晉旭/キム・ジンウク(ロッテ・ジャイアンツ)19歳 左投左打17試合2勝5敗8.70

18元兌仁/ウォン・テイン(サムソン・ライオンズ) 21歳 右投左打 15試合10勝4敗2.54

19高佑錫/コ・ウソク(LGツインズ)22歳 右投右打 32試合 1勝3敗19セーブ 1.55

21呉昇桓/オ・スンファン(サムソン・ライオンズ)39歳 右投右打37試合0勝2敗27セーブ 2.52

阪神でも活躍し、メジャー経験もあるオ・スンファンは今大会もクローザーを務める
阪神でも活躍し、メジャー経験もあるオ・スンファンは今大会もクローザーを務める写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

23車雨燦/チャ・ウチャン(LGツインズ)34歳 左投左打 5試合2勝1敗 5.24

ノックアウトステージのドミニカ戦でビハインドの8回にワンポイントで登板し、1アウトを取ったチャ・ウチャン(サムソン時代, 筆者撮影)
ノックアウトステージのドミニカ戦でビハインドの8回にワンポイントで登板し、1アウトを取ったチャ・ウチャン(サムソン時代, 筆者撮影)

32朴世雄/パク・セウン(ロッテ・ジャイアンツ) 25歳 右投右打15試合3勝6敗4.29

48李義理/イ・ウィリ(起亜タイガース)19歳左投左打 14試合4勝3 敗 3.89

55金民宇/キム・ミンウ(ハンファ・イーグルス) 26歳 右投右打16試合9勝5敗3.89

61崔源峻/チェ・ウォンジュン(斗山ベアーズ) 26歳 右投右打15試合7勝2敗2セーブ 2.80

捕手

25梁義智/ヤン・ウィジ(NCダイノス) 34歳 右投右打 73試合20本71打点2盗塁 打率.348

47姜珉鎬/カン・ミンホ(サムソン・ライオンズ) 35歳右投右打70試合11本44打点 .324

今大会はリーグ戦打撃好調のヤン・ウィジに正捕手の座を譲っているものの、初戦のイスラエル戦では先発出場し、3打数1安打と活躍したカン・ミンホ(筆者撮影)
今大会はリーグ戦打撃好調のヤン・ウィジに正捕手の座を譲っているものの、初戦のイスラエル戦では先発出場し、3打数1安打と活躍したカン・ミンホ(筆者撮影)

内野手

2呉智煥/オ・ジファン(LGツインズ) 31歳 右投左打66試合 5本33打点5盗塁 .237

3金慧成/キム・ヘソン(キウム・ヒーローズ) 22歳右投左打80試合3本43打点29盗塁 .294

10黄載均/ファン・ジェギュン(KTウィズ) 34歳 右投右打48試合7本33打点 4盗塁 .315

13許敬民/ホ・ギョンミン(斗山ベアーズ) 30歳右投右打69試合4本29打点2盗塁 .323

44呉在一/オ・ジェイル(サムソン・ライオンズ) 34歳左投左打59試合12本42打点 .276

50姜白虎/カン・ペクホ(KTウィズ) 22歳右投左打75試合10本61打点7盗塁 .395

53崔周煥/チェ・ジュファン(SSGランダーズ) 33歳 右投左打 60試合10本39打点 2盗塁 .254

外野手

17朴海旻/パク・ヘミン(サムソン・ライオンズ) 31歳 左投左打77試合4本36打点 28盗塁 .302

不動の先頭打者パク・ヘミン(筆者撮影)
不動の先頭打者パク・ヘミン(筆者撮影)

22金賢洙/キム・ヒョンス(LGツインズ) 33歳右投左打73試合12本48打点 1盗塁 .288

ここまで打率.444、2本塁打と打線の核となっているキム・ヒョンス
ここまで打率.444、2本塁打と打線の核となっているキム・ヒョンス

37朴健祐/パク・コンウ(斗山ベアーズ) 30歳 右投右打59試合2本36打点6盗塁 .338

51李政厚/イ・ジョンフ(キウム・ヒーローズ) 23歳 右投左打 79試合3本48打点6盗塁 .345

日本でもプレーした韓国球界のレジェンド「風の子」ことイ・ジョンボムの子、イ・ジョンフ(筆者撮影)
日本でもプレーした韓国球界のレジェンド「風の子」ことイ・ジョンボムの子、イ・ジョンフ(筆者撮影)

 注目の「日韓対決」となる準決勝は、4日19時から行われる。

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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