大阪天満宮初天神 大歓声に2年目の活躍を誓った若トラたち!《1/25》
毎年1月24日と25日、大阪天満宮では初天神梅花祭として受験生対象の神事や、オリックスと阪神の選手による『福玉まき』が行われます。ことしも24日がオリックス、25日は阪神の選手が参加しました。阪神はずっと2年目を迎える選手が恒例となっていますが、ことしは坂本誠志郎選手(23)、竹安大知投手(22)、青柳晃洋投手(23)の3人。なお前日のオリックスも同じく2年目の5選手だったそうです。
25日、午後3時過ぎに大阪天満宮へ着いたところ境内はまだほとんど人気がなく…と思ったら、福玉をゲットしやすい (というか投げる選手たちにいちばん近い?) 本殿前の最前列には、もう何人かスタンバイされていましたね。風が冷たく、寒い中で2時間近く待っていらっしゃた方もあったようで。お疲れ様でした。
まず4時前から本殿で祈祷、そのあと表に出てきて挨拶なんですけど、ここで境内を埋めたお客様から大歓声が飛びます。まあ例年通りですね。ところが、いつもと違ったのは「あおやぎー!」という敬称略の大きな声。それから子どもも大人も、みんな「あおやぎー!」と呼び捨てでしたねえ。坂本選手や竹安投手は「くん」づけだったりするのに、なぜか「あおやぎー!」で…。本人は思わず吹き出し、他の2人も大笑いです。お客様も。
そんな歓声の中、1人ずつ挨拶と今季の抱負を述べました。竹安投手が「ことしはケガをせず、チームの勝利、優勝に貢献できるように頑張ります!よろしくお願いします」、青柳投手は「優勝に貢献するのはもちろん、開幕ローテと2ケタ勝利を目指して頑張ります。よろしくお願いします!」、最後は坂本選手が「ことしはチームとしてもちろん優勝を目指すんですけど、個人的にも納得できるシーズンにしたいです。まだまだ “とり年” だけに “ひよっこ” ですけど、頑張っていきます!よろしくお願いします」と締めました。なかなかやりますね。
次に本殿の方を向き、境内のお客様も入れての写真撮影。ここでカメラマンの方から「ボールを持って投げる仕草を」とリクエストがあり、3人とも右手を上げたところ「青柳くんはピッチングと同じように」という注文が。ええーっ!と苦笑いしつつ、要望に応えた青柳投手。しっかり新聞にも出ていたようです。
そして4時10分に、いよいよ福玉まきスタート!3人が、中央に置かれた1つの箱からボールを取って、近くに遠くに投げていきます。一度、竹安投手が下から放ろうとした時、自分の体に当たってボールが真上に飛んでしまって青柳投手と2人で大笑いする場面もあったり、本当に楽しそうでしたね。
ことしの来場者は約1000人で、昨年より少なめ。投げたのは白い玉が150個、黄色い玉が10個で、黄色は選手のサインと引き換え、白い方は何か景品が当たるものが入っていたみたいです。福玉まき自体は、いつもと変わらず10分足らずで終了。中庭での記念撮影を終えたところで、囲み取材とテレビインタビューが行われました。では3人のコメントを、取材順にご紹介しましょう。
2月1日の“先発”をめざして
竹安投手は、このような催しに参加したのが初めてだそうです。それにしても大きな声援でしたね。「青柳さんの足元にも及ばなかったですけど(笑)」。青柳投手が、なぜか最初から最後まで呼び捨てにされていた件は「青柳さんの人柄が出てるんじゃないですか」とまた笑います。同期入団としては、早く追いつきたいでしょう?「そうですね。悔しい思いをしてきたので、それをことしは何とか晴らしたいなと思います」
キャンプでの飛躍を掛布監督からも期待されている竹安投手。「去年はほとんど投げられなかったので、アピールというよりはまず自分のこと。ことしはアピールできるよう準備してきたので、1か月間しっかりとやりたいです」。仕上がりはいい?「だいぶ。はい!」。2月1日のシートバッティングで“先発”をさせる、と掛布監督が明言していますね。「はい、去年の10月下旬に言われて。自分の中でもすごく2月1日を意識してやってきました、そこでいいものをアピールできたらと思います」
1年目のキャンプと違い、みんなと同じスタートラインから始められるわけですもんね。1人でさびしそうにしていた姿が思い出される竹安投手、ことしは初日にガツンと目立っちゃってください!
カーブで広がる投球の幅
続いて青柳投手。すごい声援でしたねえ。しかも老若男女を問わず、呼び捨てにされて…。「いや~名前を覚えてもらって嬉しいですよ。呼び捨ては気にしない」。間違いなく、きょうの一番人気だったでしょう?「うーん、活躍なのか、その他のことでなのか、わからないですけど(笑)。でも覚えてもらうのはいいことですね」。いやいや、昨年の活躍ですよ。“その他のこと”って表現も笑えますけど。こういうイベントは?「初めてだから新鮮な感じでできたので、よかったです」
この日、ブルペンで投げたカーブがよかったと掛布監督が言っていました。「ほんとですか?知らなかったです。台湾で通用したけど日本のボールでどうかなと思っていましたが、制球がつけばすぐ使えるかなと。使えたら幅ができるので、練習して実戦で使えるようにしたいです。去年はスライダーとツーシームを軸にチェンジアップを入れていて、ことしはそこにカーブが入れば去年と違った勝負ができるんじゃないかなと思っています」
インコースをつく球も。「掛布監督にも左バッターの内をもっとついていけと言われてきました。キャンプでも、チームにはいい左バッターが多いので投げていきたい」。そんなキャンプに向け「紅白戦も含めて実戦の機会が多いと聞いています。シーズン入ってからは難しいので、新しいボールも試していきたいですね。それとクイック、牽制、フィールディングという自分の劣っているところをレベルアップしていくこと」という抱負でした。
キャンプでコミュニケ―ションを
トリは坂本選手です。ファンの方と接して「多くの人に来ていただいたし、坂本!坂本!と声もかかった。その声援が青柳より多くなるように、ことしは頑張りたい」。後半のコメントはニヤリ、という感じでしたね。天満宮は学問の神様です。キャッチャーとしては“学ぶ”ことも多いのでは?「去年は一年通して、すべて勉強しながら色んなことを積み上げていく、すごく大事なポジションだと感じました。ミスを繰り返さないこと、間違えたことを次はいいようにというのが、ことしの課題にもなると思います。いい方向にいけばいいなと」
修正する能力はキャッチャーにとって重要ですね。「試合に入る準備段階で何か足りないと、ピッチャーにもチームにも申し訳ないと思うので、しっかり準備を整えて試合に入っていけるように。この意識を大事にやっていきたいです」。コミュニケーションを取ることも?「それはもちろん、そうでないと。去年は1軍からスタートして、気を使わずにと言いながら向こうにも気を使っていただいたような感じで。野球にそれが出ないように、ことしはやっていきたい」
キャンプで食事に行ったりしたいですか?「僕から連れていける選手はいないので、そういう機会を作っていただけるなら、どんどん行きたいですね。ピッチャーとも野手とも情報交換して行ければ。自分のためというかチームのためにも、そういう時間を大事にしていきたい。普段、野球をやっている中ではしない話もあるかと。それがまた野球に生かせれば」。年下の選手には機会があれば声をかけていきたいとも言っていました。充実した時間を過ごしてきてほしいですね。