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「今宮2世」の18歳遊撃手が2安打3打点。ソフトバンク三軍が四国IL愛媛に連勝

田尻耕太郎スポーツライター
課題もあるが、潜在能力が高いガッツマン。ソフトバンク川原田内野手(筆者撮影)

 5月19日、福岡ソフトバンクホークス三軍は、四国アイランドリーグplusとの定期交流戦で愛媛マンダリンパイレーツとタマホームスタジアム筑後(以下タマスタ筑後)で対戦した。

【5月19日 定期交流戦 タマスタ筑後 無観客開催】

愛媛     000003000 3

ソフトバンク 10004001× 6

<バッテリー>

【MP】萩原、河野翔、平井(元ヤクルト)――金高

【H】大竹、大城、中村亮――居谷、石塚

<本塁打>

なし

<スタメン>

【MP】D潤米 8漆原 9大本(元ソフトバンク) 6仁木 5小田原 3松本 7渡部 4米 2金高

【H】6川原田 D牧原巧 5小林 3井上 7中村宜 8笹川 4伊藤 2居谷 9舟越

先制打を放った4番の井上(筆者撮影)
先制打を放った4番の井上(筆者撮影)

<戦評>

 ソフトバンクが愛媛に連勝した。初回に井上の左前適時打で先制。その後試合はこう着したが、五回裏に1アウト満塁から川原田が左中間へ3点三塁打を放つと、牧原巧も中前適時打で続いて一挙4点を加えた。八回裏の得点は舟越の押し出し四球だった。

 先発した大竹は5回2安打無失点。2番手の大城は登板してすぐに3点を失ったが、その後は立ち直って3回3失点でまとめた。最後は中村亮が無失点投球で締めた。

 また、ソフトバンクの三軍は今週末から今シーズン初の遠征に出る。22日の香川オリーブガイナーズ戦(レグザム)から6月2日の徳島インディゴソックス戦(むつみスタジアム)までの12日間で四国アイランドリーグplusの4球団と計8試合を行う。

 その後は一旦帰福し、6月8日と9日は大阪に出向く。両日ともオリックスのファームとオセアンBSで2試合を戦う予定となっている。(了)

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本多コーチの「背番号46」を継承したルーキー川原田

 ドラフト4位ルーキーの川原田純平内野手が五回の満塁機に左中間へ走者一掃の三塁打。この日4打数2安打3打点と活躍を見せた。

 打撃好調だ。5月13日までの三軍戦を主としたファーム非公式戦で打率.205(39打数8安打)と低迷していたが、14日の火の国サラマンダーズ戦からこれで3試合連続安打をマークして打率は.255まで上昇させた(51打数13安打)。

 青森山田高校から入団。身長170cmだが、球団スカウトは「しっかり懐まで呼び込み振り抜ける打撃は長打力もあり、チームではスラッガーとして活躍。勝負所での集中力も高い」と打撃面についても高く評価していた。

 そのうえで「今宮選手を彷彿とさせる」と語っていた。

 守備力の高さが光る遊撃手だ。春季キャンプ時も首脳陣からは「捕球に関してはすぐプロで通用する」との声が聞かれた。その中で課題は打撃と語っていたが、ここ数試合を見れば確かな成長の跡を感じさせる。

「やはり打たないと試合で使ってもらえない。だけど、守備もまだまだ課題がたくさんあります」

 険しい表情でそのように語った。松山秀明三軍内野守備走塁コーチの熱心な指導でスローイングの修正に取り組んでいる。捕球後にステップを入れないと送球が出来なかった悪癖の改善をしようとしている。

凡事徹底の習慣づけ

 また、今週末からの初遠征に向けてのテーマを問うと「当たり前のことを当たり前にやる」と口にした。じつはこの日の最終打席、ショートゴロを放った際に一塁へ全力で走っていなかった。コーチから厳しく指摘をされ、試合終了後は野手全員でのベースランニングが課された。

 凡事徹底こそソフトバンク野球の真髄。技術以前の悪癖は今のうちから徹底して潰さなければ、このチームで檜舞台に立つことは出来ない。

 川原田は本当に猛省していた。この日の出来事が、変化のきっかけになるのならば、それでいい。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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