韓国・2度目「弾劾」採決と分裂含みの与党 #専門家のまとめ
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が14日、再び採決される。前回(7日)のように与党「国民の力」所属議員の「集団退場」は見られない可能性が高く、可否は同党議員の態度にかかっている。ただ党内は「親尹派」と「非尹派」で対応に差があり、弾劾訴追案可決・与党分裂の可能性も語られている。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
前回(7日)の弾劾訴追案は、国民の力の大多数が採決そのものに参加せず、投票箱を開けられないまま廃案となった。だが今回は波乱含みの展開になりそうだ。尹大統領が12日の国民向けの談話で、自ら辞める意思のないことを明らかにしたため、与党内で亀裂が入っているからだ。「秩序ある退陣」を掲げてきた韓東勲代表は「弾劾賛成」に立場を変え、尹大統領を引きずりおろそうとしている。
12日の院内代表の選挙でも、尹大統領に近い議員が「弾劾案否決」を訴え、「弾劾案賛成」を掲げる対抗馬を抑えて当選した。ただ対抗馬支持も3割以上いて、党内の亀裂を浮き彫りにした。同党は14日の議員総会で最終方針を決定するが、1回目の採決時のような団体行動は難しくなりつつある。
弾劾案可決に必要なのは在籍議員の3分の2(200議席)以上の賛成。国民の力から8票以上の造反が出れば、野党側の票と合わせて可決となる。与党では「賛成」の可能性を示唆するのは7人。まだ「造反」を表に出していない議員もいるといい、ギリギリまで駆け引きが続きそうだ。