【宮城県 松島町】夏期限定の涼菓子!葛のおいしさを味わえる'松島くずきり' [高城地区]
24節気によると6月21日の夏至(げし)を皮切りに、本格的な夏がスタートするという。初夏はまだ過ごしやすい気候だが、真夏には太陽と人間の'静かなる闘いの日々'が待ち受けている。近年では地球温暖化の影響もあり、かなりアツイ闘いとなりそうだ。
さて、そんな暑い時期には冷房などの最新機器を活用して涼しさを得ることも可能だが、例えば風流に日本の良き文化である「涼(りょう)を味わう」ことで涼しさを体感するのも、なかなか乙なもの。
今回ご紹介するのは、涼やかな日本の伝統菓子「くずきり」に着目。
宮城県松島町の高城地区で明治時代(明治37年)から手作りの菓子を販売している勝新堂(しょうしんどう)の風流でいて、美味しい夏期限定の「松島くずきり」をご紹介していこう。
勝新堂は、高城川(たかぎがわ)沿いの道を1本内側(JR高城町駅側)に入った「高城町商店街」に並ぶお店。周辺にも古くから営業している店舗がいくつも建ち並び、現在では希少な脈のある商店街の1つだ。
毎年夏の時期にしか作らないという「くずきり」は4種類の味があり、梅に黒糖、抹茶、そして青りんごだ。筆者はその中から黒糖、抹茶、梅を購入。自宅で早速いただくことにした。
くずきりの食べ方は、やはり冷蔵庫で冷たぁくして、お箸で'ちゅるり'とやるのが美味しい。同店では、購入時にくずきりの美味しい食べ方が書かれた「銘菓の栞(めいか の しおり)」を入れてくれるので、筆者のような'くずきり初心者'でも安心だ。
袋を開けると、くずきりと濃縮された蜜がパウチ状で封入されていて、そこに貼られている小さなシールには美味しく食べるための一口メモが記載されている。メモによると、中身を器に入れたらお好みで冷水を適量注ぎ、そこに氷を入れて冷やすというものだ。
好みの甘さに調整して氷を浮かべると見た目もとても涼しげで、風鈴の音色がどこからか聴こえてきそうな雰囲気。抹茶の自然な緑色が更に風情を醸し出していて、せっかくならば竹製のうちわを'ひらひら'とやりながら、湯上がりに縁側で食べたくなる。素敵な日本の涼菓子だ。
葛の独特の弾力というのは、和菓子の世界では宝のような存在ではないだろうかと感じる。天草(てんぐさ)から作られる「ところてん」の、ホロホロと崩れ落ちるような歯ごたえとも違うし、こんにゃく芋を主原料としている「こんにゃくゼリー」のような強いもっちり感とも、違う。一口噛めば、ムチっとした弾力の後にスーッとしなやかに噛み進められるような、独特の滑らかさがある。くずきりにしか出せない美味しい弾力は、ぜひ実際に味わっていただきたいものだ。
まだまだ蒸し暑い梅雨の日々が続くが、目でも涼やかな日本の涼菓子「くずきり」を箸でちゅるりと口に含めば、それはそれは雅な味わいに、流れる汗もスゥッと引いていくかもしれない。今年の夏は、日本の伝統的な涼菓子を味わってみては如何だろうか。おすすだぞ。
店舗名:勝新堂(しょうしんどう)
商品名:松島くずきり
住所:宮城郡松島町高城字町131
定休日:元旦(※臨時休業などの場合有り)
営業時間:8:30 - 19:30
店舗公式ホームページ:気になった方はお店の公式ページを覗いてみよう!