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【京都府長岡京市】ガラシャゆかりのお寺で続くほていさんの縁日には福がいっぱい。集うとみんな仲良し! 

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 長岡京市にある恵解山勝龍寺は、ぼけ封じの寺として名高く、また細川ガラシャ輿入れの城であり、明智光秀最後の砦としても知られる勝龍寺城の名の由来ともなる古刹です。大同元年(806年)に弘法大師によって開基されたと伝わります。かつては、観音堂を始め九十九坊が建てられていた大寺院でした。

 本尊は鎌倉時代につくられた十一面観音で、国の重要文化財に指定されていて、8月18日の観音大祭、11月第2日曜日に行われる長岡京ガラシャ祭の際にのみ御開帳されます。そんな勝龍寺の境内には七福神の一人・布袋尊がいっぱい。夫婦や家族円満の象徴でもある布袋尊。こちらの布袋さんは、みんな明るく笑っています。いずれも勝龍寺の本山がある清荒神からやってきた仏さんだそう

 2022年7月3日、そんな布袋さんに因んだ「勝龍寺ほてい市」を訪ねました。令和3年4月から毎月第一日曜日(1月8月はお休み)に開催されているマルシェで、長岡京市の手作り作家さんや雑貨やさん、パン屋さんなどが集い、キッチンカーも乗り入れて、ワークショップやミニライブなども開催されます。この日は、シンガーソングライターの持田浩嗣さんの歌声も境内に響き渡りました。

 新西国街道沿い、犬川のほとりの人気のパン屋さん「パン処 大和」からは、自然農法の野菜や素材にこだわったパンが出店されていました。隣では、ミツバチの巣から作られるみつろうと、コットン100%の布地から作る、洗って繰り返し使えるみつろうラップが販売されていました。べんがら染め体験やキムンカリーや自家焙煎珈琲など盛りだくさんでした。

みつろうラップの高崎 香織さん
みつろうラップの高崎 香織さん

 集会所の2Fでは、竹編みの指輪などの竹に触れるワークショップやベビーマッサージ、ヘッドスパなどのワークショップが多々行われていました。また、お部屋の片隅で素敵なゴスペルが響いていました。歌っていたのは主催したneoseedの一員でもあるクリスチャンの米光智恵さんとそのご友人。米光さんは「勝龍寺は、細川ガラシャゆかりの寺でもあって、仏教なんだけれどもキリスト教の信仰が共鳴し響きあっています。」と言います。

 neoseedでは、「寺子屋いのちのたね」として、子育て世代から孤立した介護世代まで集まって、みんなでサポートしあう村のようなコミュニティーを作ろうという活動をしてます。代表としてこの「勝龍寺ほてい市」を主催してきたのは、勝龍寺の國定晃淳副住職の奥様のKAMICOさんです。勝龍寺では、KAMICOさんの作る、細川ガラシャなどが美しい切り絵で描かれた「切り絵御朱印」が人気です。お話をお聞きしました。

KAMIKOさん
KAMIKOさん

 勝龍寺の本山は、兵庫県宝塚市にある清荒神清澄寺です。眷属堂には三宝荒神王の眷属(従者)となる布袋尊がたてまつられています。清荒神参道で切り絵のアトリエ兼ショップを営んでいたKAMICOさんは、ここで現在の夫である副住職と出会いました。4年前に布袋尊を扱う清荒神参道の一軒が店を閉めることになり、布袋尊数体が勝龍寺に寄進されました。ちょうどその頃、KAMICOさんや副住職の妹さんが赤ちゃんを授かったことで大きな縁を感じ、布袋尊にちなみマルシェを企画することに。

 KAMICOさんの人柄に自然に人々の和が広がって、同じ志を持つ人が集まり、今では50人を超える人がメンバーとなる市民団体neoseedの活動に発展してきました。KAMICOさんは、「単にモノを売り買いするマルシェではなくてここに集うと、いのちのたねなどを通じて、もっと密なコミュニケーションが取れるようになって、地域全体で子育てができるようなプラットホームになれば嬉しい」と言います。

 「勝龍寺ほてい市」に集まる人たちは、みんな親戚のおばちゃん、おじさんみたいです。2022年11月には、3年ぶりのガラシャ祭も開催が決定しました。実は、KAMICOさんは、2017年ガラシャ祭の細川ガラシャさんです。ガラシャの享年は37歳、KAMICOさんは今年37歳になりました。ガラシャの生きられなかった未来を、令和のガラシャがこの地域でどう切り開いていくのか楽しく見守りたいですね!

2017年ガラシャ祭の細川ガラシャはKAMICOさんでした。
2017年ガラシャ祭の細川ガラシャはKAMICOさんでした。

 2022年7月8日(金)~12日(火)まで、勝龍寺では、KAMICOさんの五感アート展「ミチテラス」が開催されていて、コラボイベントや展示販売も行われていますので、ぜひ足をお運びください!

恵解山勝龍寺 (外部リンク) 京都府長岡京市勝竜寺19−25 075−951−6906

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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