まんだらけ万引き写真公開と警察の抑止力
KNNポール神田です。
それに対して、警察からストップの要請がはいったようだ。その理由がこれだ…。
警察からの「捜査に支障が出る」という声は、どうやって「万引き」の捜査を行っているのか?その捜査そのものに疑問が残る。犯人の顔を公開され、それがメディアで拡散され、「警察は何をやっているんだ!」という声をあげさせたくないための詭弁にしか聞こえなかった。ブリキの鉄人28号の人形の万引きで25万円の被害届けを警察に出しにいっても、犯人の顔を特定して、刑事さんたちがずっと張り込みして捜査しているとは到底思えない。
世の中は、「危険ドラッグ」の万延や、容赦無い殺人が相次いで発生している。700万円以上を宅配便で送らせる「振り込ませない詐欺」に至るまで警察の業務は多岐にわたっている。言葉は悪いが、「万引き」25万円程度でかかわってられないのが警察の実情ではないだろうか?
防犯カメラの公開という最終的な手法
しかし、今回のまんだらけ側のとった手段は、あくまでも、警察まかせではない手法を選んだ。みずからの手で犯人を出頭させる方法の一つであることは確かだ。犯人に返却の猶予を与えた上で、それでもなおかつということであればという事業者としての防犯カメラというセキュリティ対策を行った上での犯罪に対しての、抑止力を生ませる最終的な手法が公開であったのだ。また、万引き犯人は郵送でまんだらけへ宛名を偽名で送り返すこともできたはずだ。
ただ、防犯カメラの公開はマスメディアにも公開されるだろうし、個人の公開処刑に近い要素も想定される。また、犯人の人権やプライバシー、家族、親類にいたるまでの影響も考えられるだろう。悪いのは万引きをした犯人であることは確実だが、それに対して、被害者側がどこまで処置を講じることができるのかという事も意見がわかれる。犯人が未成年の可能性だってある。そうなると、少年法(記事等の掲載の禁止)としての問題も発生する。
「狼よさらば」が人気シリーズだった
かつて、チャールズ・ブロンソン主演の映画「狼よさらば(Death Wish)」は、凶悪犯人がいともたやすく裁判で無罪化してしまうのを、銃で返り討ちに合わせるという映画であり、人気シリーズとなり4作品も作られた。法廷で無罪となる犯人に対しての、無力な警察と違い、被害者の感情を見事に復讐してくれるからだ。また、アニメの「デスノート」も夜神月が殺人犯たちを神のような裁きの視点で独自の価値基準で殺害していくというストーリーだった。このように、警察のチカラが及ばない、裁判で無罪を勝ち取ってしまわれる社会はもはや日常だ。
今回のまんだらけの万引き犯人の公開手法は、長年にわたってなくならない万引き犯に対しての業界側からの社会への一種のアピールと取ることもできるだろう。いつの世も、警察にまかせてられないという事態は常に起きているからだ。被害金額だけでなく、防犯カメラやビデオシステムの設置、ガードマンの配置などのコストも利益を蝕んでいる。
「まんびき」という言葉の軽さ
「万引き」という言葉は、江戸時代の商品を「間引いて盗む」から来ているという。江戸時代は「死罪」もしくはイレズミをいれられ、百叩きなどの罰があったそうだ。しかし、現在万引きの罪名は「窃盗罪」となり、刑法第235条の「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」とあります。
万引きという言葉の軽さも原因かもしれない。「万引き=窃盗罪」という言葉の軽さも問題かもしれない。また、高額商品の窃盗の場合、50万円以下の罰金だと、窃盗のリスクが低くなってしまう場合もある。
時間の問題で、まんだらけの犯人画像が公開されるかどうかは決まる頃だろう。
窃盗された側はどこまで犯人に対して対策が打てるのか?大いに議論するべきだと思う。
※【追記】まんだらけは窃盗現場を公開しないことを決めたようです。