ミュージカル俳優・田代万里生 「これ以上ない一瞬を求めて」3人のアレンジャーとセッション
これまでも、数々のミュージカル俳優が出演し、日本を代表するアレンジャー、凄腕バンドとのセッションで、舞台とはひと味違うパフォーマンスを見せてくれる音楽番組『Sound Inn “S”』(BS-TBS)に、田代万里生が登場。今、最も注目を集めるミュージカル俳優の圧巻のパフォーマンスは必見だ。
田代×冨田恵一「あと100回歌いたい」
1曲目は作曲家・ミッシェル・ルグランの代表作「シェルブールの雨傘」を、冨田恵一のアレンジで披露。2009年、ミッシェル・ルグランが手がけ、2008年にイギリスで初演されたミュージカル『マルグリット』のアルマン役で、ミュージカルデビューを果たした田代は、そのオーディションでこの「シェルブール~」を歌ったといい、「ミッシェル・ルグランに出会っていなかったら、ミュージカルと出会っていない」と、大切に歌っている人生の転機になったこの曲を披露。冨田はクラシカルな原曲をポップでビート感を出したなサウンドに仕上げ、新鮮な世界観を作り出す。歌い終えた田代は「大人な感じ」とそのクールなアレンジに感心し「あと100回歌いたい」と絶賛していた。冨田は田代について「歌へのアプローチの仕方を聴いていると、歌手であると同時に音楽家という感じ」と語っていた。
田代は東京芸術大学音楽学部声楽科でテノールを専攻し、大学在学中の2003年に『欲望という名の電車』で本格的にオペラデビュー。その後、先述した『マルグリット』でミュージカル出演を果たし、以降『ラブ・ネバー・ダイ』『マリー・アントワネット』『ジキル&ハイド』『きらめく星座』『グレート・ギャツビー』『エリザベート』『スウィーニー・トッド』等、数多くの作品に出演。第39回菊田一夫演劇賞を受賞し、昨年は『エリザベート』『スクルージ』に出演するなど、卓越した演技力と“天使の歌声”と称される歌声で、幅広い層のファンから支持されている。
大学の先輩・斎藤ネコが紡ぐサウンドをバックに、全編イタリア語で「Volare」を披露
CMなどでおなじみのイタリアンカンツォーネ「Volare(ボラーレ)」は、東京藝術大学の先輩にあたる斎藤ネコの、美しいストリングスが響き渡るアレンジで披露。「事前に斎藤ネコさんから、『鼻歌でいいから“今”の田代万里生が歌う「Volare」のフルコーラスを、アカペラで歌った音源が欲しい』とリクエスト頂きました」と教えてくれ、その歌声からインスピレーションを得た斎藤が、緻密かつ美しいアレンジを作り出し、田代は全編イタリア語で披露。まさに圧巻のパフォーマンスだ。
昭和歌謡の名曲を、大学の同級生・大嵜慶子のアレンジで歌う
3曲目の、藤山一郎の「東京ラプソディ」は、2017年に出演した舞台『きらめく星座』の劇中でも歌い、好評だった作品で、東京藝術大学の同級生・大嵜慶子がアレンジを手がけた。親近感のあるメロディが印象的な昭和歌謡に、どこかレトロな雰囲気と、フレッシュさを纏わせ、壮大なアレンジを作りあげている。二人の爽快感溢れるセッションに引きつけられる。全編を通して田代の歌っている表情が幸せそうなところも、印象的だ。
ジャンポケ斉藤との熱いエンタメ談義にも注目
さらにコンサートで共演経験がある、お笑い芸人・ジャングルポケット斉藤慎二とのエンタメ談議では、興味深い話が飛び出し、即興コラボも実現。
全てのセッションを終えた田代は、「数々の歌番組が存在する中、この『Sound Inn “S”』の最大の特徴は、“完成”した音楽をただ届けるだけでなく、そこに至るまでの“過程”をあえてしっかり魅せていくところなんだと、実感しました」と語っている。舞台では「“奇跡のワンテイク”を感じる時間がこの上ない幸せ」と語る田代は、このセッションでも“それ”を感じたはずだ。田代万里生のパフォーマンスが楽しめる『Sound Inn“S”』はBS-TBSで1月18日18時30分から放送される。