若き日に緑彩陶器に惚れこみ、その再現を試みた末に独自の絵付け技法「七彩天目」による布引焼を考案するに至った陶芸家、小嶋太郎さん。

その作陶六十五年を記念して「布引焼窯元 日本の桜 四十七景 作陶展（作陶六十五年記念　小嶋太郎 作陶展）」が、2024年5月5日まで催されています。会場となるのは東近江市立八日市文芸会館の展示室であり、入場・観覧は無料です。

今回の作陶展では日本全国の「桜」をテーマに、艶やかさと透明感、そして地域性を感じさせる小嶋太郎さんの作品がたくさん展示されています。

地元滋賀はもとより、友人や知人の出身地や引っ越し先など、何かしらのゆかりがある土地の作品を探してみるというのも、楽しみ方のひとつかと思います。

また友情出品展として、絵画や書をはじめとした多彩な作品が同じ会場で披露されています。約50人のクリエイターの個性豊かな作品を楽しめるのも、今回のイベントの喜ばしい点です。

「もう85になる。物作りは重かったりきつかったりする。でも、やりたいことはある。オーロラが好きでね。過去にも2回、アラスカに赴いている。これからは世界のオーロラ帯をめぐって、オーロラをモチーフにした作品を手がけたい。ファンタジックにオーロラを表現したい」

「青々とした新緑もいい。わぁっと咲く満開の花々もいい。でも、木の葉ひとつついていない、真冬の枯れきった木々もいい。あの寒々しさ。澄んだ空気。とてもよい」
「あたたかい場所でだら～っと過ごすのも好きだけれど、自分には厳しい寒さの、あのシャープな感じが性に合っているとも思う。いやまぁ、寒いのはあんまり好きではないのだけれども」
お話をうかがったところ、小嶋さんはとても楽しそうに「将来やってみたいこと」を語ってくださいました。
尽きることのない創作への意欲。これが「作家」というものなのだろうと、お話を拝聴して深く感心いたしました。

今後もその感性と長年にわたり培った技術によって、日々創作活動を楽しんでいただきたいものだと思います。

ゴールデンウィークには陶芸で表現される様々な土地の「桜」を見に、八日市文芸会館まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

【布引焼窯元 日本の桜 四十七景 作陶展（作陶六十五年記念　小嶋太郎 作陶展）】
開催地
滋賀県東近江市青葉町1-5
会期
2024年4月25日～5月5日
（※4月30日と5月1日は休館日）
入場無料
開館時間
9：00～17：00
電話番号
0120-99-44-56